26.指導のポイント(9)「飽きる?」このことを常に頭の隅に
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳
*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー
おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。
「飽きる」ということ、療育について考える時これもとても大事なことです。
発達障害をもつ子ども達について、とかく次のようなことがよく言われます。
・こだわりが非常に強い
・いつも同じでないと我慢できない
・いつもと違うとパニックになる
そのために、療育者は同じことばかりを指導しているということがあります。しかし発達障害をもつお子さん達も、やはり「飽きる」のです。そのことを知って、療育に当たることが必要です。
「飽きる」ということは別の観点からみると、「自分の好きな事をさらに先に進めてみたい」ということかもしれません。「探求心」とも言えます。
たとえばある子どもは電車が好きで、中でも中央線が好きだとします。いつもの通り中央線に乗っていると、ある日新型の車両が来た、そこで新型車両に乗ってみた。こんなきっかけから、さらに別の中央線にも乗ってみたいと思うようになるでしょう。また、いつも使っている駅よりも、先に行ってみたいと思ったりするかもしれません。
たまたま他の路線との連絡のある駅で見かけた西武線や南武線、横浜線などにも乗ってみたくなる。
いつもは快速に乗っていたが、たまたま目の前を通り過ぎた特別快速や通勤快速に乗ってみたくなる。
また目の前を通過した特急あずさや特急かいじなどに興味が広がったり。
さらにまた通過しただけだけど、たくさんの貨物を連結して引っ張っていたディーゼル機関車や電気機関車に興味が湧いたり。
このようにプラスの流れが拡大していくことは、とても大きなチャンスです。無理に学習を進めることはリズムを崩したり、大きなストレスなったりするのでマイナスですが、慎重になりすぎて、また固定観念に捉われて、同じことばかりをやっていることには、チャンスロスという大きなマイナスもあります。そのことを意識していなくてはなりません。
もしできるのであれば、許容範囲の中でちょっとしたサプライズとして、いろいろ小さなことからチャレンジしていきましょう。小さなきっかけから、お子さんの可能性が広がっていきます。
*写真は、大宮にある鉄道博物館にあった「人車」です。人力車ではなく、線路の上を人が引っ張る「人車」が存在したことを初めて知りました。驚きでした。
現代の便利な乗り物にいたるまでの苦労、願い、思い、喜びのプロセスの歴史を感じました。
造形リトミック教育研究所
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