86.年賀状を出しましょう(2)

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

86.年賀状を出しましょう(2)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
  造形リトミック教育研究所  

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。
 「年賀はがきは、どこで買えばよいでしょう?」お子さんに質問してみましょう。まずは、郵便局で買うことを教えてあげましょう。その後に、コンビニやスーパー、またポストを置いているお店でも買えることをお子さんの理解の力に合わせて教えてあげましょう。

 年賀はがきを買うのがはじめてなら、コンビニやスーパーではなく郵便局で買うと良いでしょう。「郵便局」という名称を知り、どんなところなのか意識して見ておくことは良い経験になります。ただなんとなくお母さんの用事で付いていくのでなく、自分の目的で行くことが大事なのです。

 はじめは、郵便局ってどんな雰囲気のところなのか、何があるのか、何を売っているのか、そんなことを自分なりに感じて来れば十分です。あまり教え込もうとしないことです。これからも折あるごとに、用事を作って行けばよいのですから。

 順番待ちの番号札を取ることもいいですね。順番を待つということを学ぶチャンスです。競争と違って、自分の力とは無関係の順番ですから、そんなに一番にこだわらずにすむのではないでしょうか?

 何でも一番でないと大騒ぎになってしまうんです、というお子さんの問題を抱えている親御さんがよくおられます。学校やご家庭では、お友達や兄弟と競ってしまっても、郵便局は学校や家庭とは様子も異なりますから、周りの大人の人たちとは競うという気持ちは生じないかもしれませんね。「あと、何人だね。もう少し、待っていようね」「順番だね」と声をかけてあげましょう。

 落ち着いているときに、「順番」とか「待つ」という言葉を十分聞かせておいてあげることがとっても大切なのです。「待つってこういうことなのか」「順番ってこういうことなのか」ということを、何となくでも感得できるように。

 そして、いつもの「1番じゃなくてはダメ!」と気持ちが高ぶっているときに、「順番だよね」「待つんだよね」という言葉をそっと、かけてあげましょう。待てたときの経験を思い出して、少しでも、気持ちを押さえられるようになるかもしれません。

 「1番でなくてもいいんだ」「待っていれば、自分の順番が来るんだ」ということを徐々にでも体得できるといいですね。

 また順番には関係なく、じっと待つこと自体が苦手でしたら、好きな絵カードなどを持っていくなど、何か工夫をしましょう。かつての単語カードのように、リングで綴じたものは扱いやすく携帯にも便利です。もしあまり長く待つようでしたら、別の機会に出直しましょう。待ちすぎて、気持ちが続かなくなってしまっては逆効果ですから。

 今日は、年賀はがきから少しお話がずれてしまいましたが、年賀状作りと関連して、こんな経験も問題解決に生かせればと思います。

 ではあしたは、実際に年賀状を作ることのお話です。

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nan

85.年賀状を出しましょう(1)

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85.年賀状を出しましょう(1)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。
 「年賀状は、12月25日までにお出しください」、と郵便局にありました。お子さんも年賀状作りをしてみたらいかがでしょう。まず誰に出すのか考えましょう。
 
 名前をあげることは記憶の再生としての機能トレーニングになります。だれかひとり思いつけば、それに連なって複数の人を思い起こすことができるでしょう。再生が再生を呼びます。筆記能力が高ければ、思い出すままに自分でメモすればよいのですが、そうでない場合は隣でメモをとってあげましょう。

 ランダムに思いついたら、次はお名前を見て分類してみましょう。先生、お友達、親戚、そのほか。小学校のときの友達、小学校のときの先生、お父さんの方の親戚、お母さんの方の親戚、○○関係の人・・・など、だんだん細かく分類できるようになるでしょう。

 それらを表にすると、視覚的に把握しやすくなり、自分との関係がいっそうよく理解できます。そんな捉え方を経験しておくと、不意に「○○くんは、どこの友だち?」とか「○○さんは、いつの友だち?」と問われても何を聞かれているのか理解して、答えることができる可能性も出てきます。

 「○○さんは、どっちの親戚?お父さん?お母さん?」と問われたときも同様です。場合によっては、「父方か母方か」なんて、そんな分け方があること自体知らなかった、というケースもあります。おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばあさんの関係が理解できていない、ということも稀ではありません。こんな折に、そのようなお話ができるのも良いチャンスです。

 分類した表ができたら、全部で何人の人に出すのか、数えてみましょう。人数がわかったら、年賀はがきを何枚買ったら良いのか考えましょう。枚数の決め方は、いろいろあります。

・ぴったりの枚数を買う。
・書きまちがえた時のことも考えて、何枚か多く買っておく。
 ※そうすると、いざ書く段になっても、書きまちがえることを必要以上に嫌わなくなります。
・何枚多く買うかを考える(妥当な数)。
・では予備を含めて、全部で何枚買えば良いのか?

「年賀はがきは、1枚いくらでしょう? ○枚買うから、全部でいくらになるでしょう?」教えてあげながら、紙に式を大きく書いて、金額を求めましょう。かけざんをまだ学習していなくても、「こういうときはかけざんをするんだよ」とかけざんの式を書いて見せてあげましょう。答えは、電卓で求めても構いません。

 自分の必要に応じた数を経験させることはとても大切です。自分にとっては無関係な文章題に出てくる数字より、ぐっと身近なものとなります。数の習得や操作にはある種の切実さが必要なのです。

 金額がわかったら、バラバラと広げたお金の中からその金額分のお金を取り出して、ぴったりの金額を財布に入れて、年賀はがきを買いに行きましょう。

「年賀はがきはどこで買うの?」(あしたに、続きます)

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84.もうじきクリスマス(5)

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84.もうじきクリスマス(5)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。
ほんとうに、もうすぐクリスマスですね! 街はクリスマスの装いでいっぱいです。大きな街路樹にもイルミネーションの火が灯りました。電飾で彩られたおなじみのサンタクロースやトナカイも姿を現しました。

 この時季は、お菓子のパッケージや包装もクリスマスのデザインに変わります。折込の広告にも、クリスマスのイラストがいっぱいです。デパートの広告はもちろん、スーパーも電気屋さんも靴屋さんもレストランも、クリスマスムードでいっぱいです。「商業ベース」と批判する前に、今のこんな時季をお子さんと楽しんでみましょう。

 今日は、コレクションへの導入のお話です。コレクションというと、切手、コイン、お菓子のおまけ、シール、貝、リボン、カード、などがオーソドックスでしょうか。でも、集めるのは、何を集めてもコレクションには変わりありません。コレクションはりっぱな趣味です。やりようによっては、生きがいにもなります。

 「こんなもの集めたって」と思われるようなものでもたくさん集めて整理すれば、自慢のコレクションとなり得ます。形になれば、自分も眺めていてご満悦でありましょうし、他の誰かに見せることもできて張り合いができます。

 今、特に集めたいものが何もないのであれば、クリスマス関係の絵や写真を集めてみたらどうでしょう。

・お菓子のパッケージのイラストを切り取る。
・広告に載っているクリスマスのイラストを切り取る。
・広告のクリスマス関係の品物の写真を切り取る。
・街のクリスマスのようすを写真に撮ってきて、プリントする。

 切り取ったら、画用紙など、同じ大きさの台紙に分類してはりましょう。後からファイルできるように、上部、または左右どちらかには、余白を残しておきましょう。

 貼り方は、お子さんの発達段階に合わせて、どんな貼り方でも構いません。台紙に日付を書いて、その日集めた分ずつ貼っていってもいいでしょう。または、何日か集めて、種類ごとに貼っていってもいいでしょう。サンタやトナカイでも、いろんな形や様相のものがあることを楽しめるでしょう。

 切る・貼るという作業もお子さんのできる範囲で、無理なく行わせましょう。広告にたくさん並んでいる品物をテープ状に切っておくと、チョキンと一度切りさせることができます。これなら、やれるお子さんも多いでしょう。場合によっては、お子さんとお話しながらお母さんが切ったり貼ったりするのを見せるだけでも良いのです。

 のりづけを手伝わせたり、貼ったものを押さえるようにとんとんとたたかせても良いでしょう。「サンタさんをあつめて」「トナカイをあつめて」「お星さまをあつめて」「ケーキをあつめて」・・・と同じものをあつめさせることもできます。

 もしお子さんが、クリスマスと関係のないものを集め始めたら、それはそれでよいのです。お子さんが何を集めようとしているのか興味をもってみてみましょう。お子さんの好きなものを把握できれば、お母さんにとっても大きな収穫です。「うーん、おもしろい!」と言って、それをコレクションとして形になるよう手助けしてあげましょう。

 親御さんとのこんな楽しい作業がコレクションへの手ほどきになるかもしれません。たとえ、これっきりのこととなってしまってもそれはそれでまたよいのです。できたものは、どこかにとっておきましょう。いつか、なつかしく眺める日がくるかもしれません。

 いずれにしても、お母さんと楽しく過ごした時間はクリスマスの思い出と共に、心に何かほっとするものを灯してくれることでしょう。

 
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83.もうじきクリスマス(4)

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「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。

 クリスマスには、ご家庭でパーティーや会食をなさいますか?ケーキやちょっとしたごちそうでお祝いなさるのなら、どなたかお客さまをおまねきしてはいかがでしょうか?おじいちゃん、おばあちゃんや、おじさん、おばさん、ご近所の方。どなたか、おひとりでもいいのですから。

 それは、なぜ?
 ・・・発達障害をもつお子さんに限られたことではありませんが、弟や妹が誕生したときの生活の変化が後々まで尾を引いて、生活上の問題行動として妨げになってしまっていることがあります。下のお子さんが誕生するとき、上のお子さんには生活のこんな変化が突然に訪れます。

・お母さんがいなくなった(出産のための入院)。
・場合によっては、おじいちゃん、おばあちゃんの家に預けられた。
・場合によっては、おじいちゃん、おばあちゃんが自分の家に来た。
・お母さんが知らない子(赤ちゃん)を連れて家に戻ってきた。
・知らない子を中心とするような生活が始まった。
・お母さん、お父さんなど周囲の大人の目や手が知らない子に取られるようになった。

 上のお子さんは、まさにこのような変化の中に突然に投げ出され、大きな不安の海で溺れそうな状況になります。よく聞く赤ちゃんが返りもこんなときに現れます。それが一過性のものとして通過できる場合もあれば、後々まで、

・下のお子さんへの強いライバル意識
・生活の変化への大きな不安や恐怖
・お母さんと離れることへの不安や拒否
・お母さんが、他者と親しくすることへの不安や拒否
・他者が家に来ることへの大きな不安や拒否
 などとして現れ、状況の受容や不安の解消ができないままに抱えている場合があります。

 上記のひとつ「他者が家に来ることへの大きな不安や拒否」を少しでも軽減してあげる、ひとつの糸口となるように、このクリスマスに来客への接待を試みてみてはいかがでしょう。

 ただし突然の来客は不安を助長するだけですから、予め予告をしましょう。「クリスマスには、○○をお呼びして、クリスマス会をしましょうか?」とまず同意を得ることから始めましょう。招待状を書いて出したり、電話で声をかけたりすれば、いっそう招待することを意識化することができるしょう。

 そして、クリスマス会の用意を一緒に行いましょう。「○○が来てくれるから、ツリーを飾りましょう」「食事の用意をしましょう」「プレゼントを用意しましょう」と、来客を楽しみにするようにしむけるとよいでしょう。

 当日は、来客のためにお子さんにも何かお手伝いをしてもらいましょう。
・料理を一緒に作る
・テーブルのセッティングをする
・来客用のスリッパを用意する・・・

 パーティは、時間的にあまり長くならないように、来客の前で叱られるようなことがないように、大人中心の会にならないように、配慮しましょう。来てくださる方にも、招待の意図をお話しておかれるとさらによいでしょう。

 クリスマスという楽しい機会だからこそ、こんな試みもいつもよりは良い結果が期待できるかもしれません。でも、お子さんがまだ来客を受け入れられrないような場合は、無理をせずまた別の機会に譲りましょう。あせることは、ありませんから。

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82.もうじきクリスマス(3)

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 おはようございます。

 「クリスマスには、プレゼント」のつづき、今日は「気持ちを育てる」よいうより、実質的なお話です。プレゼントは、絵画や工作や、手作りお菓子でもお料理でも、自分の育てたお花でも何でも良いのですが、もちろん何か品物を見立てて買ってプレゼントをするのも良いでしょう。

 ここで楽しみながら、買い物学習、お金の学習をしてみましょう。

 親御さんが時々、こんなことを言われます。「買い物といったら、いつも決まって千円札を出すんです。ちょうどの金額を出すとか、近い金額を出せるようになるといいのですが、・・・」なるほど、そうですね。でも、千円札を出そうとなんであろうと、まず買い物をしようという気持ちや意欲を評価してあげたいと思います。

 対人を敬遠して、スーパーもコンビニも苦手で、自動販売機のみという方もいます。そんな場合教室では、まず具体的に対人や実地での恐怖を解いてあげる算段からするのですが、その方策については別の機会に譲りここではお金を実際に使うきっかけを作るお話をしましょう。

 さいしょは、予め金額のわかっているものを買うことがお勧めです。広告を見て一緒に品定めをしておくと良いでしょう。また、百円均一のお店を利用すると金額が定めやすいですね。前もって、お店で実際に下調べをしておいても良いでしょう。予め金額がわかっていたら、はじめからちょうどのお金を出すことを体験させられます。

 教室では、生徒さんが使う決まった金額(ex.バス代170円、電車賃130円、ビデオ代320円、百均105円・・)をイラストで示したカードまたはシートを用意しておきます。バラバラと出したコインの中からお金を選んで、そのイラストにお金をマッチングさせます。そして、そのちょうどのお金をお財布に入れます。お店では、お財布の中の全部のお金を出せば良いのです。

 買い物の妨げとなっているのは、不安です。
 ・お金が足りるかな?
 ・レジでさっと出せるかな?
 ・お店の人に「早くしてください!」と言われたらどうしよう?
 ・時間がかかって、次の人に叱られたらどうしよう?

 レジだけでも、これだけの不安があります。他にも、お店の中でのコーナー捜し、品定め、頼まれたものがなかった場合、・・・など心配事はたくさんあるのです。

 心配の種を取り除いてあげることが、買い物学習の大切な一歩です。クリスマスプレゼントをチャンスにお金を使う経験ができたら、楽しいですね。めぐりめぐれば、この実質的な行いが自信や達成感、意欲、外への関心など気持ちも育ててくれます。きっと、それ自身がお子さんにとっての大きなプレゼントとなることでしょう。

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81.もうじきクリスマス(2)

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

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 おはようございます。

 クリスマスは、プレゼント。でも、プレゼントをもらうだけでなく、プレゼントをすることも楽しんでみてはいかがでしょう。

 「だれにプレゼントしようか?」といっしょに考えてみましょう。また「だれに、なにをプレゼントしようか?」といっしょに考えてみましょう。そうしたら、それを表にしてみましょう。たてにプレゼントする人のお名前を書き、よこに品物を書きます。

 表の学習は、2年生の算数の課題になっていますが、予め作られた表を読み取るより、自分で表を作るほうが簡単です。表は完成されているものですが、表を作ることはプロセスを体験することだからです。自分で作った表ならば、たて・よこの欄のそれぞれの意味やその関係を苦労することなく理解できます。
 
 表を読み取れるようになると、学校の時間割、時刻表、料金表、などあらゆるところで役立ちます。逆に、言葉の理解にハンディのあるお子さんには、内容を表にしてあげることによって、言葉の理解を促すことができます。言葉と言葉の関係が視覚的に明確になるからです。

 ・・・さて、話題を戻してプレゼントについて。
人に喜ばれることを自分の喜びとできる、そんなふうに育てることも教育の目標のひとつとなるでしょう。二十歳となり、やがて大人になったときに、自分の存在の価値をそんなことからも感じ、それが生活のエネルギーとなることもあります。

 まだ小さいお子さんをお育ての親御さんにはあまりピント来ないところがあるかもしれません。しかし、義務教育を終え、数年のうちには社会人になるというような方には、切実なことです。自分ひとりで出来ることが少なく、充分でない場合も、心は成長し大人へと近づいていきます。それが、いつまでも常に指示され、いつもだれかに何かをやってもらうばかりでは、気持ちは満たされません。

 ぜひ、誰かのために何かをやってあげられる、役に立てる人に育ってほしいと思います。たとえ小さなことでもいいのです。造形リトミックの教室には成人されている方も少なくありませんが、人に喜んでもらうことを自分の喜びとしているすばらしいケースが日常にあります。

・絵画作品をプレゼントする
・粘土や画用紙による造形作品をプレゼントする
・少額の給与であっても、月に1度家族にお菓子をおみやげにする
・仕事で夜遅く帰宅する弟さんに、夜食を買っておいて上げる
・家の電話番号表をパソコンで作ってあげる
・年賀状を家族の分も作ってあげる

 人のために何かを喜んでやってあげられたとき、人は成長するのです。いろいろな折を楽しみながら、小さいときからそんな気持ちが育まれるといいなと思います。クリスマスプレゼントにも、そんなチャンスがあります。

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80.もうじきクリスマス

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

80.もうじきクリスマス
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。

 あっという間に、もう12月です。寒さが日に日に増してきますが、12月にはたくさんの楽しみがあります。カレンダーに書き込んで、ひとつひとつ楽しみに指折り数えて待つのもよい経験です。

 クリスマスイブ・クリスマス、終業式、みそか、大晦日。祝日も入れれば、天皇誕生日。これらを、カレンダーに書き込んでみましょう。

  まず、お子さんに合わせて何の日を書き込むか選びましょう。クリスマスイブとクリスマスの違いを教えたいと思われたら、両方書き込んでみましょう。まだ両方教えると混乱すると思われたら、クリスマスだけにしましょう。みそかと大晦日についても、同様です。両方選ぶか、大晦日だけにするか決めましょう。

 カレンダーは、文字盤の大きさがA4かB4くらいが良いでしょう。文字で書き込むのならA4、絵で書き込むのならB4が適当です。

 お子さんによっては、理解しやすいのはクリスマスだけということもあるかもしれません。しかしそれだと1ヶ月にひとつになってしまい、指折り数えて待つには、期間が長すぎてしまいます。それならば、クリスマスをもっと分割して書き込みましょう。そして、絵で示すのなら、こんなふうにしましょう( ⇒の右を参照 )。

・クリスマス前の家の中のお掃除⇒掃除機や掃除道具の絵
・ツリーを飾る日⇒ツリーの絵
・みんなのプレゼントを用意する日(お買い物)⇒買い物、プレゼントの絵
・クリスマス⇒サンタクロース、プレゼント、ケーキ、ごちそう、パーティ・・・の絵

 ダイニングテーブルのような大きなテーブルの上で、お母さんがリードしながら、絵を描いたり、絵を切ったり貼ったり、お話しながらこんな作業はいかがでしょうか?文字や数、国語や算数だけが学習ではありません。

 1ヶ月というタイム・スパンの中で、あと10日、あと5日、あと3日、もうあした、という時の流れを一緒に感じさせてみましょう。カレンダーは、時の流れを目で見てわかる形にしてくれます。

 それらが、すぐに結びついて理解できなくてもそれはそれでいいのです。折にふれ、そんなことを経験させていくといつか結びつきます。共に楽しむことを優先しましょう。教えようとしないことです。

 「あしただね。楽しみだね」と、「待つ」気持ちも共有しましょう。「プレゼント、うれしいね」「○○も喜んでくれたね」「おいしいね」など、いろんな気持ちを自然な感じで表現して共有しましょう。

 師走とは言え、暮れの押し迫る前のひととき、お子さんと少しゆったり過ごしてみてはいかがでしょう。

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79.楽しく宿題!(7)まとめ

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79.楽しく宿題!(7)まとめ
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。

 宿題を楽しくこなす方策について、具体的な課題を想定して6回にわたって考えてきました。

 1)漢字の学習
 2)算数:筆算(足し算・引き算)
 3)算数:筆算(かけ算・わり算)
 4)算数:文章題
 5)国語:音読
 6)国語:読解

 他にもいろいろな宿題が出されるでしょうが、考え方はひとつです。これまでのことをまとめてみました。

・お子さんの力に合わせて、宿題はできる形にアレンジして行わせること。
・お子さんの力に合わせて、宿題の分量を加減すること。
・やり方や考え方は、充分にお手本を示してあげること。
・どんどん教えてあげること。
・宿題に完璧に取り組むことよりも、先生との約束をきちんと果たす責任感を育てることを第一の目的とすること。
・「宿題をちゃんとやった」という充実感と満足感、開放感を体験させ、その心地よさを体得させること。
・「明日先生に出すんだ!」というあしたの学校への期待感を持たせること。

 もう20年近くも前のことですが、あるお母さまがこんなふうに言われました。
「夏休みに、絵の宿題が出ているんですけど、私が左手で描いておきました」。

 私も立場上、全面的にお勧めとは言いませんが、その気持ちというか意図しているところは大賛成です。とにかく親子さん共に、宿題で苦しまないことです。宿題のためにお互いにストレスをためていっては、生活にマイナスの循環を生むばかりです。生活リズムも何もありません。

 かと言って、宿題はイイカゲンにやっておきなさいというのではありません。本当の意味で、良い加減にやりましょう、ということです。

 宿題に取り組むことが、親子のよいコミュニケーションとなるように。お母さんと一緒にやって楽しかった、となるように。遠回りに感じられるかも知れませんが、良い循環は学力にとっても良い結果を生みます。

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78.楽しく宿題!(6)

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 おはようございます。

 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「読解」。算数の文章題と並んで、「読解」に対して苦手意識をもつお子さんが多いようです。両者には、言葉の理解という共通の要素がありますから、それは当然です。

1)まずは、読解の問に答えることではなく、テキストを読むことを課題として行いましょう。場合によっては、「テキストを○回読みました」ということで宿題を終わりとしても構いません。答えが埋まっていないと、お子さんが満足しないようでしたら、軽く説明しながら、答えを書き込ませましょう。

2)問も、答えることではなく、読むことを課題として行いましょう。答えさせようとすると子どもはあせります。あせっていると、説明も聞こうとしないで、正解ばかりを知りたがります。「わかる」ことよりも、答えが「あっている」ことを優先させてしまうのです。
 これも、ここまでで宿題終了で構いませんが、答えが埋まっていないと、お子さんが満足しないようでしたら、軽く説明しながら、答えを書き込ませましょう。

3)問で問題となっているテキストの文(または文章)をテキストの中のどこにあるのか捜させましょう。見つかったら、ラインマーカーで色をつけましょう。文字を一文字ずつ追うのではなく、テキストを眺めることの学習になります。宝探しのように、見つかると子どもはとても喜びます。読解の学習に取り組もうとする気持ちは、案外こんなところから生まれてきます。
 あとは、1)2)と同様です。答えを書き込ませましょう。

4)ここまでこられたら、いよいよ読解の学習となります。絵を描くことと同じように、問への取り組み方をお手本として示してあげましょう。「さあ、やっごらん」では、子どもは何をどうやったらよいのかわかりません。だから余計、あてずっぽうで答えようとするのです。

 絵が描けない子どもに「まずまーるいお顔を描いてごらん。つぎに鼻があるよ。目も2つあるね・・・」と手順を示すように、読解においても、考え方の手順を示してあげましょう。

 ※考える手順の示し方、詳しくは造形リトミックの教室ブログ(2008.11.17)もご参照ください。

5)こんなふうに答えを求めずに進めてくれば、どれだけリラックスしてテキストや問いを読んだり眺めたりすることができたでしょう?お母さんと一緒に学習することは、叱りさえしなければ、楽しいはずです。リラックスした状態で、ゆっくり少しずつ教えてあげれば、少しずつでも理解が出来るようになります。

 長く療育に携わってつくづく感じるのは、ハンディが理解を妨げているというより、あせりやストレスが理解を妨げているということです。どうぞ、宿題は楽しく進めてあげてください。お母様方が疲れないように。

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77.楽しく宿題!(5)

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 おはようございます。

 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「音読」。国語の宿題に、よく「音読」が出されます。宿題にならなくても行っていただきたい、大切でしかも楽しい課題です。

1)国語の教科書も、まずは本の読み聞かせのように読んであげましょう。大体のストーリーや登場人物がわかっていれば、お子さんが読む段になっても未知のものを読むよりはるかに取り組みやすいものとなります。

2)文字の拾い読みの段階でしたら、読む量を短めにしましょう。場合によっては、一段落だけでも結構です。その段落を数回繰り返して読みましょう。3回なら3回と決め、一回ごとにブロックを並べていくなど、あと何回読めばよいのか見てわかるようにしましょう。

3)模倣で読ませましょう。お母さんが読んだ後、お子さんがまねをして読めばよいのです。お子さんの学習段階に合わせて、文節ごとの模倣にするのか、文ごとの模倣にするのかを決めましょう。そして、とにかくなるべく声を楽しくたくさん出させましょう。教科書を目で追い、読むことが苦ではなくなり、やがては読むことが楽しくなるように。

4)お子さんも、はっきりした発音で読めれば読めるほど音読が楽しくなります。しかし、「もっとはっきり読みなさい!」と言うだけでは指示が漠然として、お子さんは戸惑います。そしてお互いにストレスがたまります。
 教科書に印をつけて、はっきり読ませたいところを明示しましょう(一文で、一箇所くらいと少なめに)。良い発音をお手本で示しましょう。

※教科書は書店で注文できます。ご家庭に音読用の教科書があれば、自由に書き込みができます。ごほうびシールも貼れます。

5)音読をしたかどうか親御さんが○をして、学校に提出するような形の宿題が時にあります。そんな場合は、お子さんのそのときの力に合わせて、聞く(読み聞かせ)・書く(書き取り)・読む(模倣または音読)のいずれかができたら、○としましょう。

 音読、つまり声を出すことは歌と同じくらい楽しいことです。しかし、つっかえながら、叱られながらだと誰でも嫌いになってしまいます。すらすら読めるように、音読が好きになるように、模倣からはじめるのは遠いようで近道です。

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