596.子どもの求めているものは?


596.子どもの求めているものは?
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 (つづき)おとといのお話のドラえもん、ドラえもんも子ども達の大の人気者、
やはりそこにも子どもの求めているものがあるのですね。それはなにか、・・・・・。

 ドラえもんはものび太くんにとって、
 ・「しようがないな」と言いながらも、困っているのび太くんのことをわかってくれる存在。
 ・決して、叱らない存在。
 ・ポケットから道具を取り出して、解決してくれる存在。

 子ども達は、そんな存在を望んでいるのです。

 ・「ぼくの気持ちをわかって!」
 ・「叱らないで!」
 ・「どうしたら、いいの?」

 周囲がドラえもんのように対応してあげれば、子どもは成長します。安心が成長の種です。信頼が自信の種です。やがては、自分で
問題決できるようにもなります。

 お子さんがびっくりするような道具を私たちも出してあげましょう。

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595.ヘルパーさんから学ぶ


595.ヘルパーさんから学ぶ
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 子どもは一体どのようにして欲しいと望んでいるのか、どんな対応を求めているのか、
言葉でまだ上手く説明できない子どもの真意はなかなか捉えられないことがあります。

 でも、子どもがどんな人といるときにリラックスしているか、また子どもがどんな人となら居心地良さそうしているかを見ていると、子どもがどのような対応、環境を求めているのかが見えてきます。

 たとえば、教室のある生徒さん、小学校の中学年の男の子でしたが、同じ時間帯に通ってきていた高学年の女の子をとても気に入っているようでした。住まいも同じ方向でしたので、一緒に帰ることも多かったようです。

 男の子はどちらかと言えば少しストレスの強い方で、時にかんしゃくを起こすようなこともあるタイプでした。女の子の方は言葉も動きもゆっくりめで、穏やかでやさしいタイプでした。男の子はきっと、気持ちの安らぐ穏やかな環境を求めていたのですね。その女の子といると、男の子も何ともやさしい表情になるのです。

 もう一人の生徒さん、高校生です。ヘルパーさんと教室に通ってきています。授業のあとの、そのヘルパーさんとの外出や、食事を楽しんでいます。しかしそれだけでなく、そのヘルパーさんと一緒にいること自体がなんともリラックスできるようなのです。

 やはり、物静かで穏やかなヘルパーさんです。この方はある意味、本当にヘルパーとなり得ていて、生徒さんの行動を傍らでそおっとサポートしているといった感じです。

 生徒さんにしてみれば、足りないところを自然に補ってくれる自分の一部のような存在に思えるのかもしれません。

 ・・・私は教室の生徒さん(あの女の子)からも、ヘルパーさんからも学びます。この生徒さんが求めているものは何なのか、どのような言葉かけや、援助や対応を望んでいるのか。いつも明るく元気で、生徒さんをグイグイ引っ張っていくだけが、講師の役割ではないということにも気づかされます。

 きのうのお話のドラえもん、ドラえもんも子ども達の大の人気者、やはりそこにも子どもの求めているものがあるのですね。それはなにか、また考えてみたいと思います。

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413.3月はチャンスです!

413.3月はチャンスです!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 学校の学習が先に進まない今、復習をするチャンスです。

 きのうは「やすめ」と言ったのに・・・と思われるかもしれません。それは、人それぞれなのです。疲れている方は気兼ねなく休みましょう。これまで休んでいた方、またちょうど波に乗ってきた方、少し余力のある方は復習のチャンスです。

 本来ならば、学校の時間何に練習・復習する時間が確保できることが理想です。いえ、理想と言うよりもそうあるべきだと思います。ある一定の期間に学習を進めたならば、その後には練習・復習の時間があって然るべきです。

 中学や高校の定期考査も同様です。試験範囲の授業は、試験の1週間前には終了させておくべきでしょう。その後に1週間、9教科のための復習の時間を取るべきです。教えっぱなしでは、成果があがるはずがありません。

 平均的に、評価5・4・3・2・1の子どもが適度に分布されていれば、問題なしと考えられているのでしょうが、評価3以下の子どもたちはまずはその範囲の学習内容を理解していないと言っても過言ではありません。ですから、高校生になって九九や分数が不完全のような生徒達が出現してしまうのですね。

 でも、ここでこんなことを言っていてもしかたありません。しかも今日は、3学期の定期考査を終えた生徒さんから良い報告を聞くことができたのです。苦手な国語にも成果が現れてきました。

 さあ、ゆったりとした気分で復習をしましょう。教科書自体を復習するというより、書字、読字、音読、短文の読解、計数、九九、計算などの基本的機能のトレーニングとなるような復習をしましょう。

 苦手な分野のできるレベルの問題からスタートしましょう。簡単な問題を確実にトレーニングしていくことが、自信につながるだけでなく、結局は本物の力となります。

 
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412.一息いれる勇気を

412.一息いれる勇気を
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

・・・この1年間を駆け抜けるようにして過ごしてきた方は、休むことも必要です・・・
今月のメッセージはこれだけです、と言っても過言ではありません。

 ちょっと学習が負担になってきて、
・親御さんもお子さんもストレスがたまったり、
・この先が心配でたまらなかったりとか、
・成果が見えなくて親御さんは怒りたくなるし、お子さんは怒られてばっかり、
・親御さんからは笑顔が消え、
・お子さんは弱いものにストレスをぶつける、
 
 というような方、いらっしゃいませんか?

 ずい分、がんばってこられましたね。ここで一息つきましょう。お子さんには、やればやるだけの能力があることは分かります。しかし、少しやりすぎたり、少々要求レベルが高かったり、失敗を咎められたりすると、お子さんはこちらが思っている以上に気持ちを損ね、ストレスを抱えて、学習に対する悪循環が始まってしまうのです。

この悪循環を一度たち切るためにここで一息つきましょう。

 ”ここでがんばっておかないともっと大変になる”、と焦る気持ちはわかります。が、マイナスの循環をさらに深めてしまうことは、もっと大変な状況になってしまいます。それより、勇気をもって一息つきましょう。その方が、この先の大きな前進が期待されます。

 私の家の近くの花屋さんは、お正月や夏休みには1ヶ月完全にお店を閉めて、休暇をとってしまいます。この時期に、ずい分勇気のあるスケジュールです。でも、休暇が終わってお店がまた始まると、お店の前は色とりどりの花の苗が4重5重と並べられ、それはもう見事なものです。切花は置かずに、鉢植えと苗ばかりを扱っているお店です。扱うものも絞っているのです。あれもこれもと扱っては手間や管理が大変でしょう。が絞っている分、お客さんには良い商品を提供できているようです。1ヶ月の休暇から得る力は、とても大きなものがあるのでしょうね。

 親御さんもゆっくり休んで力を回復されたら、気持ちも変わって新たな思いでもっと効果的に学習を進められることでしょう。お子さんも休ませて、気持ちを解放させてあげましょう。お子さん本来のいい笑顔がきっと戻ってくることでしょう。

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411.気持ちにゆとりを

411.気持ちにゆとりを
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 今日は3月3日、ひな祭りでした。
 何かお楽しみがありましたか? 

 私は、画用紙工作のお雛さまを飾り、桜餅をいただきました。
 桜餅、桜の葉に包まれて、上には桜の花があしらわれていました。

 ひな祭りには、日本独特のももいろがよく似あいますね。
 桃の節句ですが、桜もいいものです。
 和旋律のお雛さまの歌と、和菓子。

 ほんの15分くらいのお茶の時間でした。
ご家庭でちら寿司や、ハマグリのお吸い物でお祝いされた方もいらっしゃるでしょう。
それはそれで、楽しいひな祭りだったことでしょう。

できる形で、楽しみましょう。ほんのひと時の楽しみが、大きな安らぎとなります。

 きのう、「この1年間を駆け抜けるようにして過ごしてきた方は、休むことも必要です」と書きました。お子さんもそうですが、まずは親御さんがゆっくりとなさってください。ゆっくりすること、手を抜くことはいけないことのように思われがちですが、そんなことはありません。生真面目な方は、ことにそう思われるかもしれませんが、時にはゆっくり休みましょう。

 休むことによって、新しいエネルギーが静かにわいています。
 
 

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410.一息ついて

410.一息ついて
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 3月に入りました。学校では、各学年の課題はそろそろ終えた頃でしょうか?教室に通う中学生も、先週で学年末テストを終えたところです。

 この3月をどう過ごすかは、来年度4月のスタートに大きく関係しています。学校の学習が先に進まずにとどまっているときこそ、お子さんに合った有意義な過ごし方を考えてみましょう。

 ・この1年間を駆け抜けるようにして過ごしてきた方は、休むことも必要です。
 ・身辺の片付けに充てるのもいいですね。
 ・もちろん復習に充てることも大切です。
 ・予習に充てることも可能です。
 ・普段できないことに時間を使うことも意味があります。

 ともすれば、何ということをしないままに過ぎてしまう3月ですが、このように少し目的をもって過ごしましょう。春休みは短いですから、春休み前も含めて3月というひと月単位でとらえてみましょう。

 中学生の学期ごとの考査の指導をしていていつも思います。テストの前日ぎりぎりまで授業を進め続けて、「今日やったところまでが試験範囲!」なんていうことがよくあります。「これって、だれのための試験範囲?」と思ってしまいます。

 「教師として教えるべき内容は一応やったぞ!」ということにしかなりません。生徒がわかっているか分かっていないかは二の次で、とにかく教師のノルマは果たした、といった感じです。生徒が家で復習をして、分からないところがあったとしても質問もできません。

 学校の教育では、よほどゆとりのある生徒を除いたら、ほとんどがいつも追われているような学習の進め方です。

 この追われっぱなしの教育体制の中で、少し息継ぎできるのがこの3月です。4月の始業式までにはちょうどひと月程ありますから、どんなふうに過ごしたら良いか考え、大切に過ごされることはお勧めです。

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409.音読

409.音読
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 絵がすらすら描ければ楽しいように、文もすらすら読めれば楽しい!

 教室で土曜日に勉強しているある生徒さん、読むことよりも描くことが得意です。造形リトミックの歌も大好きでいつもリピートを要求してきますが、彼の描き方は、彼独自のものです。輪郭をスルスルッと描くようなやり方で、次々に表現していきます。造形リトミックの描順とは別に、彼はもうひとつ独自の描き方を持っているのです。

 彼の作品には、たいてい登場人物が複数存在し、まるで物語の一場面のように仕上がっていきます。まだ言葉数が少なく、話すテンポはゆっくり目のこの生徒さんにとっては、絵が表現手段のひとつになっています。

 でもそんな彼も、毎週音読を繰り返すことによって、少しずつ音読も”スラスラ”に近づいてきています。文字はもうよく読めているのですが、それを音声に変換するのにまだ少し時間がかかっています。また、音声に変換できた後にもそれを呼吸を整えながら口腔内の筋肉を使って、滑舌よく発声するのにまだまだトレーニングが必要な段階です。

 しかし文字を追う目の使い方がとても上達してきていることに、先日気がつきました。彼は読めない文字があると指で示してこちらに視線を送り、「何て読むの?」と目で問いかけてくるのですが、彼の指はいま発音している単語のひとつ先を追っているということがわかりました。

 「読む」というと、文字の知識や発音の機能に着目されがちですが、スラスラ読むためには、文字を順に追う目の機能も欠かすことができないほど大切な要素なのです。実際に読んでいるところよりも、目が先へ先へと進んではじめて、すらすら読めるのです。

 造形リトミックの基礎線描は、描くトレーニングでありながら、目のトレーニングでもありますが、幼児期から積み上げてきた追視のトレーニングが、テキストの音読にもこのように直結しているということをあらためて認識しました。

 

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408.描き続ける子ども(2)

408.描き続ける子ども(2)
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 子どもが描き続けるのなら、それは自ら進んで機能トレーニングを行っているようなものです。外から人に言われて行っているのではなく、自ら行っているのであれば、トレーニングの効果はいっそう高いものとなります。

 しかし、あまりに同じことばかり繰り返していると、教育者や親御さんはついつい止めさせたくなってしまいます。時間を気にせずに、するべきこともしないでそればかり行っていたのでは、生活は成り立ちませんから。

 そんな場合の指導のポイントは、時間を決めて行わせることです。「○○をしたら、またお絵かきをしていいですよ」、とルールーを作ることも有効です。

 そして、さらに大切なことは、同じものばかりを描き続けていることを批判的に見ないことです。

「またー?!」とか「そんなものばっかり」とか「もう、いいんじゃない?」・・・とか、マイナスの発言をしないことです。

 むしろ、肯定的なまなざしでほめてあげることです。
「うさぎ、上手だね」「いっぱい描けたね」「このうさぎ、かわいいねー」というように。「あなたがうさぎを描き続けることは、いいことよ。お母さんは、認めてますよ」ということを言葉や態度でしっかり伝えてあげましょう。認め、肯定されている方が、別の行動へとスムーズに動きやすいものです。

 批判的に見られていると、子どもはいつまでも満足しないので、却って別の行動への切りかえが難しくなります。テキパキと他の行動へと進めさせようと思われるのなら、その行為を肯定的に捉えるべきです。

 そしてむしろ、親御さんもお子さんの描画の世界に参加し、「このうさぎ、何を食べるの?人参?キャベツ?」「このうさぎは、お母さんうさぎ?」「これは?女の子のうさぎ?」「このうさぎ、今日はどこに行くの?」・・・など、お子さんが自然にイメージを膨らませるような言葉をかけてあげましょう。そうすれば同じくり返しの中でも、学習効果はさらに広がっていきます。

 

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407.描き続ける子ども

407.描き続ける子ども
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 2月18日、ちょうど1週間前の教室ブログで津田沼教室の講師が「うさぎ」を描き続ける生徒さんのことを記述していました。この生徒さんが最初に興味をもったのはたしか「ライオン」だったように記憶していますが、その後は「うさぎ」になってそれが数ヶ月以上は続いています。教室でも課題のあい間あい間に描いていますし、ご家庭でも繰り返し描いているそうです。

先週のブログを読んでくださった方はご記憶にあるかと思いますが、でもその甲斐あって
・書く技術がステップアップした
・集中力がついた、とのことでした。

 この生徒さんだけでなく、同じものを繰り返し描く生徒さんは少なくありません。「ライオン行く、ライオン行く」と言って教室に来る生徒さんや、「ロケット、ロケット」と言って通ってくる生徒さんもいるほどです。「うさぎ」も「ライオン」も「ロケット」も造形リトミック:歌唱造形の中のテーマです。

 子どもは自分で描けたことにとっても満足して、くり返しくり返し描くのです。大好きなものが描けたからうれしい、ということもあれば、描けたからそのものが大好きになるということもあります。また、好ききらいとは別に、”描けること”、そのこと自体がうれしいということもあるのです。

 ピアノを習い始めた子どもが、まだ上手に弾けなくてもピアニストのように鍵盤の上で指を滑らせてみたり、パソコンにどうにか1文字1文字入力しているような状態でも、連続入力するかのように指を動かしてみたり、まだ文字が書けないのにすらすらと書けるかのように鉛筆を走らせてみたり・・・

 とにかくスラスラできるというのは憧れですし、それができているときはとても楽しく”快”の状態です。まずはじめにどうする、次にどうする、その次に、その次に・・・と脳が連続的に働き、それにしたがって手指も連続して動く。

 そのことによって、脳の機能は活発化しさらに発達します。もちろん手指の機能も、認知機能も発達します。また心理的に”快”の状態は、他の情報の獲得にとっても良い状態ですし、情報の吸収力もアップさせます。

 時に、「いつも同じものばっかり描いて・・・」と思われるかもしれませんが、描き続けているお子さんの中で今なにが起きているのか、今どんな状態であるのか、を想像してみましょう。作業手順を心得て、次々と展開していき、それに従って、次々と手指に指令を送っているのです、そして手指はその指令どおりに働いているのです。

 それを可能にしている子どもの中のエネルギーには相当のものがあります。それだけのエネルギーがあれば、さらに成長、発達が促されていくことでしょう。

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406.色の魔法

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 なぐり描きの段階のお子さんの絵であっても、一緒に彩色してあげましょう。黄色くぬれば、ひよこ。白くぬって、頭の赤いとさかとあごの赤い肉だれ、そして黄色いくちばしをぬれば、もうニワトリです。まるを白やオレンジでぬって、ぎざぎざと割れ目を入れれば、たまご、です。

 ひよこやニワトリには、水性のマジックペンで目を描きましょう。お子さんの勢いで、思わぬ目になることもありますが、それはそれです。

 教室では今月、鳥の絵を思いっきり楽しんでいます。楽しんだ後は、教科の学習にも意欲的になれます。また、お母さんと離れるのが苦手な生徒さんも、絵を描くことを楽しめればお母さんと離れていることさえ忘れてしまいます。そうして、講師と安心して充実した時間を過ごせると、子どもには親御さん以外の大人への信頼感が育ちます。

 このブログには母子分離についてのお問い合わせが日々多いのですが、母子分離へのポイントは「お子さんをお母さんから離そうとしない」ことです。離そうとすればするほど、お子さんはお母さんにしがみつきます。「お母さんと一緒だよ。一緒に先生と楽しいことしようね」というスタンスで臨めば、お子さんは安心して課題に取り組むことができます。そのとき、絵の具での彩色は、お子さんの興味を引き出す恰好の課題となります。

 色が魔法のようにさーっとものの形と特徴を表し、その対象への興味でお子さんの意識をぐいぐい引きつけます。多少不安を抱えながらも、目の前の出来事が興味深ければ、お子さんはお母さんの存在をそのときは忘れています。最初は短くても、少しずつそんな時間を伸ばしていけば1時間くらいのひとりでの課題への集中は可能になってきます。

 このプロセスで、ひとりでできた自信や親御さん以外の大人への信頼をしっかり育てられればその信頼感はより複数の大人へと広がっていき、母子分離もスムーズに実現していくことがきっとできます。

 きょうは色のお話のつもりでしたが、母子分離の不安についての質問のことが気になっていたものですから、ついお話がそちらの方向に行ってしまいました。少しでもお役に立てればと思います。

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