72.生活にリズムを作る(17) 就寝 1日をふり返って

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

72.生活にリズムを作る(17) 就寝 1日をふり返って
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。

 「生活にリズムを作る」というテーマでしばらく考えてきました。今日は、そのまとめです。

 就寝時刻を定め、早寝早起きを心がけましょう。でも、そんなことは、当たり前ですね。それができないから問題となるのが現状です。

 早寝早起きのために:

 就寝時刻だけを定時に合わせようとしてもうまくいかないことがあります。そのためには、朝からの生活全体をスケジュールに沿ったものとするように意識し、それを習慣化しましょう。

 そのためのポイントは、次の2点です。
 1)生活スケジュールをお子さんにもわかるように明示する。
 2)次のスケジュールへの移行を予告する。

 また、上記をよりスムーズに日常的に実践するためには、生活の中のストレスを減らすことです。
 そのためのポイントは、次の2点です。
 1)お子さんにとって難しいことは、適度に援助する。
 2)叱るのではなく、促す。

 ※叱って完璧に生活課題や学習課題をお子さんに行わせるより、生活リズムをスムーズに形成していくことの方がはるかに大切です。何倍も何十倍も何百倍も大切です。

 翌日への不安を解消するよう配慮しましょう。
 私達も、何か不安なことがあるとなかなか寝付けなかったり、また、早くに目が覚めてしまうようなことがあります。お子さんにしても、同様です。お友達とのこと、先生とのこと、給食のこと、体育の授業のこと、行事のこと、雷、電車の遅延、忘れ物などの失敗経験・・・ささいなことの心配や不安が、睡眠を妨げてしまいます。

 お子さんのそのような心の動きを察知してあげられるよう、お子さんとの触れ合いや会話を大切にしましょう。また連絡帳による学校からの報告や学校の先生とのコミュニケーションもお子さんの心の状態を知る大切なルートです。

 お子さんの心配や不安に気づいたら、緩和してあげられるように寄り添い、まず受容して言葉がけをしてあげましょう。説明の可能なことは説明し、「だいじょうぶだよ」と。そして、「おやすみなさい」・・・。

(※時には学校に相談するなど、具体的な行動が必要なこともありますが、個々のケースについては、教室では面談を通して対応策を考えていきます。)

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71.生活にリズムを作る(16) ゆっくりお風呂その3

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 おはようございます。

 入浴に関しての相談。

・衣服の着脱は自分でできるのに、やってもらいたがる。
・自分が入り終えると、お湯を抜いてしまう。
・何でも「やだやだ」と言って、お風呂にも入りたがらない。

 
 お風呂にも入りたがらない:

 お風呂だけでなく、何でも「やだやだ」といって拒否が多い場合は、生活全般を見直してみる必要があります。家庭での生活、幼稚園や学校での生活。また、反抗期と言われる成長のプロセスでの転換期における、周囲のかかわり方。どこかでプレッシャーがかかり、生活の流れを阻んでいることがあります。

 「何でも」と言っても、その「何でも」が具体的には何であるかを把握することにより、問題が見えてくることもあります。また、ひとつでもふたつでも拒否しないものがあれば、そこにはお子さんの実態を知る大きなヒントがあることもあります。

 1~2週間ようすを見て状況が変わらないようでしたら、信頼できるところに相談なさってみることをお勧めします。日々の生活を具体的にお話されることによって、専門家ならばどこに問題がありそうかの見当をつけることができるでしょう。そして、その対処を早めに考えていくべきです。

 お風呂だけがいやな場合。お風呂に入るという行動をその前後も含め、いくつかの行為に分けて分析してみましょう。

・お風呂に入るまでは、何をしているのか?
 それまで行っていた遊びやゲームやテレビからの切り替えがうまくいかないために、嫌がることもあります。お風呂に入る時刻を予め決め、その上で予告もしましょう。「○時になったら、お風呂よね」と。

・食事時間との関連
 食後すぐは、誰でも動きにくいものです。食休みを取れるように生活リズムを設定しましょう。

・入浴へと、どのようなことばがけで促しているか。
 「早く!お風呂でしょ!」「いつまでテレビ見てるの?」などと、威圧的にならないようにしましょう。

・衣服の着脱の技術
 まだ、衣服の着脱が充分でない場合は、適度に手伝ってあげましょう。

・閉空間への恐怖
 少し、扉を開けておきましょう。換気扇をつけて、お風呂場の熱気を緩和しましょう。

・ひとりであることの不安
 一緒に入りましょう。または、近くで洗濯などの仕事をするなど、声をかけられるところにいてあげましょう。

・お湯の温度
 一度熱くていやな思いをすると、敬遠しがちになります。水でうめるところを見せてあげましょう。手を入れて、温度を確認することを教えてあげましょう。

・水への恐怖心
 少ないお湯の量から慣れさせていきましょう。

・体を洗う、顔を洗う、髪を洗う
 できないところは手伝ってあげましょう。「ちゃんと洗えてないじゃない」的な発言は避けましょう。

・のぼせやすいか否か
 少な目のお湯、ぬるめのお湯、換気、短時間で、など調節してみましょう。

・体調、眠気
 手早く、さっと。いつも眠くなるようでしたら、入浴時間を変えましょう。

 せっかくのお風呂、衣服の着脱や洗髪などの学習の場となり過ぎないように、ストレスためずに心も体も休めましょう。

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70.生活にリズムを作る(15) ゆっくりお風呂その2

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 おはようございます。

 入浴に関しての相談。

・衣服の着脱は自分でできるのに、やってもらいたがる。
・自分が入り終えると、お湯を抜いてしまう。
・何でも「やだやだ」と言って、お風呂にも入りたがらない。

 
 自分が入り終えると、お湯を抜いてしまう:

 家族がお風呂に入ろうとすると、お湯がない!これでは、びっくりですね。でも、お子さんの行動としては、「自分勝手」でも、「自分のことしか考えていない」のでもなく、「お湯を抜く=後始末をきちんとする」、という律儀な行動だと言えます。

 では、どうしたらよいでしょうか?
 「最後にお風呂に入った人がお湯を抜く」、というルールをわかるように示して、教えてあげることです。それをどうやって伝えるか?

 表にしたらどうでしょうか?お風呂に入る人の名前を左欄に順番に書き込み「お湯を抜かない」「お湯を抜く」をその右欄に書き込む。「抜く・抜かない」を○×で表してもいいでしょう。

 お風呂に入る順番が日によって異なるようでしたら、毎日表を変えてもいいのですが、ホワイトボードの利用が有効です。また表の枠は、ビニールテープを貼って作っておくと便利です。ホワイトボードも、A4サイズぐらいの大きさのものが、100円ほどで買えます。

 漠然としたことやことばだけで説明したのでは理解しにくいことは、表にする。つまり視覚的に確認できる形にするのです。理解できないことをやらされたり、また逆に禁止されたり、律儀に行っているのに叱られたのでは、ストレスがたまるばかりです。

 ひとつの困った行動を修正するのも、一工夫するとお互いに楽しくなります。納得して行動できるようにすることは、他の行動へも良い影響をもたらします。クリエイティブ!それは、ストレスの反対側にあり、良い循環を生みます。(つづく)

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69.生活にリズムを作る(14) ゆっくりお風呂その1

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 おはようございます。

 入浴に関しての相談。

・衣服の着脱は自分でできるのに、やってもらいたがる。
・自分が入り終えると、お湯を抜いてしまう。
・何でも「やだやだ」と言って、お風呂にも入りたがらない。

 
 まず衣服の着脱について:

 自分でできるのにやってもらいたがるのは、1)どこかで不満足がある場合があります。また、2)単に甘えている場合もあります。3)眠くて、自分から行う力がないこともあります。

 1)昼間何かトラブルがあったり、納得できないことがあったりして不満足がある場合、いつも以上に手をかけてもらったり、親切にしてもらうことによって、気持ちのもやもやを解消しようとしていることがあります。

 叱られた後もそんな態度に出がちです。「お母さんは、あんたのことがほんとは好きよ。大事だよ」ということを、「お母さんが着脱を手伝ってくれる」という行為で確認しようとしているのです。優しくしてほしいのです。

「○○ちゃん、今日もがんばったね」とか、「○○くんは、ほんとは良い子なんだよね」と良いながら、どんどん手伝ってあげましょう。

 2)「甘える」というのは、気持ちをいっそう充足しようとしているのです。いわば、充電です。「ここで甘やかしたら、外で困る!」と思わず、その甘えに応えてあげましょう。むしろ、ここで甘えに応えてあげることによって、外ではちゃんとできるのです。携帯電話も、家でしっかり充電しておかないと外で使いものにならないのと同じです。

 3)眠いときにできないのは、当然。ここで「できるでしょ。自分でやりなさい!」というより、さっさと手伝って、早く寝かせてあげることです。半泣きのような状況で、ひとりでがんばったとしても、良いことはひとつもありません。こんなところで、達成感など得させなくても良いのです。

 眠くてもお風呂に入ってしまえば「あぁ、きもちよかった」「やっぱりお風呂に入ってよかった」と、ことばにしなくても感じているはずです。幸福感をもたせて、寝かせてあげましょう。子どもの寝顔に親は癒されますね。

   (つづく)

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68.生活にリズムを作る(13) 夕食

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 おはようございます。

 夕食に限らず、食事のマナーは習慣づけるべきとても大切なこと柄です。しかしそこでも完璧を目指してしまうと、食事が堅苦しいものとなり、ストレスばかりを生じさせてしまいます。栄養を摂ることへの妨げともなりかねません。

・スプーンやフォークを上手に使う。
・お箸で食べる。
・食べこぼさない。
・汚れた手を服で拭かない。
・主食とおかずとスープを程よく順番に食べる。

 給食のときにもいろいろなルールがあったことが思い出されます。

 しかし、「学習」について前に考えたのと同じように、スプーンやフォークやお箸を上手に使えるためには、まずその技術を習得させなくてなりません。また、技術を習得できるだけの手指の機能が発達しているかどうかも、確認しなくてはなりません。クレヨンや鉛筆を持って絵を描いたり、字を書いたりする場合と同じです。

 機能的に未発達であったり、技術的に未熟であることを「きちんとやりなさい」とただ言っても、それは難しいことです。

 まず、食卓では楽しく仲良く食べることを目標にしましょう。技術への要求は、促す程度で充分です。

 手づかみで食べようとしたら、「フォークを使ってごらん」と促しましょう。少し手を添えて、手伝ってあげましょう。全部をフォークで食べることが無理なようでしたら、つまんで手で食べられるようなものも用意しておきましょう。

 お箸にしても同様です。造形リトミックの教室では、♪「おはしでつまもう ぱちぱちぱち」と歌いながら、カラでお箸をあわせることから練習していきます。

 せっかくの食事、「おいしいね」「あつい」「やわらかい」「かたい」「あまい」「からい」「いっぱい」「大きい」・・・いろんな感覚を共有していきましょう。食卓は、親子みんなで共感を得やすい有効な場です。

 こんな貴重な場をムダにする手はありませんね。

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67.生活にリズムを作る(12) お手伝い

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 おはようございます。

 人は、「してもらう」ことよりも「してあげる」こと、つまり自分が「役立てること」や「喜ばれること」によって成長します。

 できたら、ご家庭でお手伝いをする場を作りましょう。ここでは、たとえば夕食前のお手伝いを考えてみます。

・テーブルをふく。
・食器を食卓に整える。
・料理の材料を冷蔵庫から出す。
・簡単な下ごしらえをする(洗う・切る)
・調味料を計って入れる。
・炒める、焼く。
・分けて、盛り付ける。

 お子さんの年齢や発達段階を踏まえて、適切な仕事を考えましょう。

・あまり簡単すぎないことです。
・しかし、あまり難しすぎないことです。
・本来の道具を使わせる:軽量スプーン、カップ、お玉、菜ばし、包丁・・・。

 指示的にならず、叱らずに導きましょう。
 「もっとちゃんと拭いて」とか「○○が、まだ出てないわよ」とか「しっかり洗って」とか「ちゃんと計った?」とか「よく見て炒めなさい」とか「こぼさないで盛り付けて!」などは禁句ですね。

 やりがいがあるように、お母さんに喜ばれて良かった、家族が「おいしい」と言ってくれて良かった、と思えるように。お手伝いが、叱られる対象になったり、義務感ばかりで重荷になったりしないように配慮し、セッティングしましょう。

 もしお子さんの状況から、「夕食の手伝いなんて、却ってこっちが大変」というようでしたら、少し時期を見るか、別のお手伝いを考えましょう。

 お子さんを叱らないことと同じくらい、お母さんが負担にならないことも大事ですから。

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66.生活にリズムを作る(11) 自由時間

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 おはようございます。

 さあ、また新しい週が始まりました。昨日は、いかがお過ごしでしたでしょうか?先週は「生活リズムを作る」ということで、帰宅後の生活について考えてきました。今週ももう少し続けましょう。

 宿題を終えたら、自由時間!学校や職場での集団生活、その日のいろいろな出来事を沈静化し、整理しましょう。

・時間割に沿った生活
・友達との関わり、先生との関わり
・行事などの特別な出来事
・突発事項(忘れ物、なくし物、他者とのトラブル・・・)
・気候、体調

 知的障害や発達障害の方の場合、いろいろな出来事が通常より大きなストレスであったり、不安となったりすることがあります。彼らはとても生まじめで、予定通りにいかないことを避ける傾向があるからです。また状況を的確に判断できなかったり、周りの人達とどのようにコミュニケーションをとればよいかがわからなくて、常にたくさんの神経を使っているということもあります。

 ですから、帰宅後おやつを食べて宿題を終えたら、ひとりで自由にさせてあげましょう。本人の好きなようにさせてあげる時間です。必ずしも、静かにしていなくても良いのです。ご家庭での自由時間の様子を伺うと、音楽をかけて踊っている生徒さん、好きな絵を描く生徒さん、DVDを見る生徒さん、ゲームをする生徒さん・・・さまざまです。

 この時間は、親御さんもなるべく声をかけずにいてあげましょう。話好きの方なら、別ですが。とかく、ハンディのある方達は指示をされることが多くなりがちです。少なくともこの時間は、指示をすることは控えましょう。

 自らの過ごし方によって、気持ちを整理し、自分のリズムを整えなおす時間です。毎日そんな時間がきちんと確保されることが、生活する上での気持ちのゆとりをもたらしてくれます。

 どうぞ、自由時間を大切にしてあげてください。

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65.生活にリズムを作る(10)さあ、宿題!(つづき)

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 おはようございます。

 ちょっとした援助で宿題に取り掛かることができたら、今度は宿題の量と内容に気を配りましょう。 個別に出されている宿題ならその点は配慮されているでしょうが、そうでない場合は、お子さんが取り組みやすいようにアレンジしましょう。

 まず、お子さんのできる量にアレンジしましょう。3分の1、半分・・・と、目標を定めて取り組みましょう。もし大変な思いをしても、「全部やらないと気がすまない」というタイプのお子さんであったら、「えらいね」「がんばるね」とほめて、援助の度合いを加減しましょう。たくさんある問題をお母さんと交互にやるのも、工夫のひとつです。

 また、内容のアレンジも必要です。

 宿題プリントの裏に、お子さんのできる別の問題を書いてやらせてもよいでしょう。が、それでは満足できないお子さんもいるでしょう。その場合は、宿題の問題を通して何を学習させるのかという、学習の「目的」をアレンジしましょう。

たとえば、「10までの計数」がまだ確実でないお子さんに、3つの数の足し算が宿題になっているようなことがあります。(個別の宿題でない限り、それは仕方ありませんが。)

 では、学習の目的をアレンジして、
「3+8+4」ならば、3個・8個・4個のブロックの取り出しと、それらを並べた15個のブロックの計数を学習の目的としましょう。3個と4個のブロックの取り出しはなるべく自でできるように促しましょう。また15個のブロックのうち、10以下までは自力で数えるように促しましょう。11より先はお母さんも声を出して、一緒に数えてあげましょう。

 問題数が多い場合は、1問お子さんが中心に取り組んだら、次の2問はお母さんが主導的に・・・というように、お子さんの学習量も3分の1くらいに調整してあげましょう。

 「できる」「わかる」となれば、お子さんはきっと楽しいはずです。お母さんと一緒に行えることは、絵本を読んでもらうのと同じように嬉しいことでしょう。

 何よりも、「宿題が終わった!」ということは、翌日元気に登校することのエネルギーとなるのです。また、「宿題をやって提出する」という先生との約束を守る責任と習慣をつけることは、心も成長させてくれます。

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64.生活にリズムを作る(9)さあ、宿題!

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 おはようございます。

 おやつを食べたら、今度は宿題です。「甘いものを口にすると元気がわいてくる」と新聞(読売新聞11月7日日刊)にもありましたが、調子のあがってきたところで、宿題にしましょう。

 宿題への切り替えがスムーズに行けば問題なし。もしそこで滞ってしまったら、どうしたらよいでしょう?

 机の上、テーブルの上はきれいに片付いていますか?片付いていたら、本やノート、鉛筆箱など、勉強用具を用意しましょう。用具がそろっていなかったら、ことばがけをして促したり、少し手伝って用意を整えましょう。お子さんが乗ってくるまでは、促しや援助を繰り返しましょう。

 人は誰でも、疲れているときや苦手な課題に対しては、ついつい腰が重くなります。宿題への取り掛かりの遅いお子さんもその一例です。

 そんな場合は、取り掛かれるきっかけを作ってあげましょう。
・ノートやプリントを目の前に広げてあげましょう。
・算数だったら、一問目は一緒に解いてあげましょう。
・国語の朗読だったら、最初の行を読み始めてあげましょう。

 少しでもきっかけが与えられれば、思考や動きは流れ出します。皆さんにも、そのような経験があるのではないでしょうか。

 たとえば疲れていて夕食の支度が億劫になったとき、誰かがほんの少しでもやり始めてくれると、さあっと立ち上がってできることがあります。やりたくないなと思う片付けも、誰かが一緒にやってくれる、少し手伝ってくれるだけで、さほど苦なくできてしまうことがあります。

 お子さんの宿題も同じです。最初に少し援助することは別に甘やかしでも何でもありません。「やる」「やらない」「ぐずぐずしないで!」ともめるより、ほんの少し援助してあげて、さっとやり終えた方がよほど効率的ですし、効果的です。

 「宿題なんて簡単だ」「すぐできちゃった」という印象を体験的に持たせることがコツです。苦手意識から解放されれば、やがてひとりでも取り組むようになります。

 また、宿題が気持ちよく終われば、次の行動の流れもよくなります。親子お互いにストレスを軽減させ、良い関係で気持ちよく過ごしましょう。

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63.生活にリズムを作る(8)おやつにしましょう!

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 おはようございます。

 「甘いものは、上手にとれば心身の健康を保ち、生活を楽しむことにもつながる」と、新聞の「くらし 教育」欄にありました(読売新聞 2008年11月5日日刊)。

 お勧めのおやつや飲み物、与え方についてもやさしく書いてありましたので、機会があればお読みください。インターネットでも読めると思います。紅葉のはじまった街路樹を楽しみながら、気分転換に図書館で読むのも良いでしょう。

 おやつは体のエネルギーになるのと同時に、心の栄養となります。「おいしいね」と一緒に食べましょう。

 また少し話は逸れますが、先日教室のケース会議で、「量の多少は、どのように指導したらよいでしょう」という質問がありました。

ex.(1,4)(7,5)・・・どっちが多い? どっちが少ない?

 具体物を使って、楽しめるいろいろな学習法が考えられます。しかしその前に、「多さ」や「少なさ」を感じることができているのかを確認しましょう、というお話をしました。

 目の前のものを見て、「わぁ、いっぱい」「ちょっとしかないね」と思う感覚。「いっぱい」とか「ちょっと」ということば以前の「多少を感じる感覚」の有無を把握することが大切です。

 そんな感覚を育てるのに、毎日のおやつの時間はチャンスです。新聞でのお勧めはフルーツ入りのヨーグルトでしたが、「いっぱーい」と言いながらお皿にヨーグルトを入れてあげましょう。お代わりのときは、容器に残ったヨーグルトを「もうちょっとあるね」「ちょっとだね」と言うふうにことばを添えながら、お皿に入れてあげましょう。

 他にも、「ひとつずつ」「ふたつずつ」「たりないね」「あまったね」「○こ、あまったね」など、数に関連するいろいろなことばに触れさせることができます。

 おなかが空いて「いっぱい食べたい」と思っている子どもにとって、量や数の多少は一大事です。目の前のおやつを見ている時、そこには量以外にもいろいろな要素があるわけですが、子どもは量に注目しやすい状況になっています。

 自分にとって一大事、切実であること、感情の伴ったことばや数や量は、しっかりと子どもの中に入っていきます。知識として記憶するというより、まさに体得していくのです。そんな意味合いでも、おやつの時間を楽しみ、大切にしていきましょう。

 しかし、決して教え込もうとしないことです。毎日、そんなことばや感覚に触れる、そんな感じでいいのです。

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