造形リトミック:お弁当の配達

※造形リトミック研究所:教室ブログはサーバー移転のためお休みです。従いまして今週は、この欄に教室ブログを載せさせていた
だきます。各教室の講師によるタイムリーな報告をお楽しみ下さい。

 おはようございます。造形リトミック・相模原教室講師の大見川です。

 時々自宅近くで、お弁当を配達するMくんに出会います。
「こんにちは」と声をかけると、いつも恥ずかしそうな笑顔を見せてくれます。 Mくんは、市役所の近くのレストランで働いているのです。それでお昼近くになると、お弁当の配達をしているのです。

 去年、Mくんが在籍していた就労施設のホームカミングで「なにか職場で困ったことがありますか?」の問いかけに、Mくんは「レストランで注文の数や弁当の数をまちがえました」と答えていました。

 そんなMくんが、今では立派にできているようです。長い間教室に通っている生徒さんが成長されて、元気に仕事をしている姿を見ることはうれしいことですね。

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造形リトミック:はじめて絵の具

※造形リトミック研究所:教室ブログはサーバー移転のためお休みです。従いまして今週は、この欄に教室ブログを載せさせていた
だきます。各教室の講師によるタイムリーな報告をお楽しみ下さい。

おはようございます。造形リトミック・相模原教室講師の小出です。

3才のSくん
アイスクリームを描きました。
「じゃあ、絵の具でぬろう」
パレットに青の絵の具を出しました。
目を大きくして、指でおそるおそる触ってみます。
初めての絵筆ににっこり。

小2のKくん。
虫かごを作りました。
セロハンテープでつないでいきます。
刃に指を触れないように気をつけながら、
たくさん切って貼っていきます。
立体的な虫かごができあがりました。

チューブから出た青い絵の具、水で溶いて、絵筆でぬること、セロハンテープに触れること、伸ばすこと、切ること、貼ること、ひとつひとつがはじめての体験でした。生徒さんのはじめての体験を講師も新鮮な思いで一緒に体験することが出来ました。こうしてまたひとつ、またひとつ、「できる」ことが増えていきます。

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造形リトミック:作品制作

※造形リトミック研究所:教室ブログはサーバー移転のためお休みです。従いまして今週は、この欄に教室ブログを載せさせていただきます。各教室の講師によるタイムリーな報告をお楽しみ下さい。

 おはようございます。造形リトミック・相模原教室講師の小口です。
 毎年この時期になると、絵画展の準備や粘土工作に取り組みます。

 絵画展に出品する絵は、「何を描こうかな~」から始まり、会話を通して題材を決めます。写真や図鑑などを参考に、また思い出の風景を描くときは、記憶をたどりながら進めていきます。空想の世界を描くときは、描きながらもどんどんお話が広がり、楽しい?!ふしぎ?!な作品になることがあります。

 また、粘土は立体にする難しさがありますが、いろいろな角度から見る!知る!ということの学習になります。さらに作業は手指の機能トレーニングにも繋がります。

 描く!造る!を最後までやり通す!そして、ひとつの作品として仕上げる!

 完成したときの達成感やうれしいという気持ちを感じてもらえるよう、講師にとってもこの作品作りはとても大切な時間になっています。

 生徒さん一人ひとりが、どんなことを考えているのか、どんな思いで造り、描いているのか、言葉では伝えられなかったり、気づかなかったこと、またその題材に対して生徒さんが描いているイメージを出来上がった作品から知ることが出来るのもとてもうれしく思います。

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303.♪「できる できる」

303.♪「できる できる」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 教室には、「絵描き歌」はもちろん、「言葉の基礎学習の歌」に加え、「メッセージの歌」があります。♪「できる できる」は、「メッセージの歌」のひとつです。これは、生徒さんへのメッセージであり、親御さんへのメッセージであり、講師へのメッセージでもあります。

 生徒さんの発達と学力のステージを把握して、無理なくプログラムを立てて学習を進めれば、「できる」ことをひとつずつ積み上げていくことが出来ます。ここ2日間の教室ブログでも、夏休みの宿題を通してのそんな実践例を報告しています。

 生徒さんには、♪「できる できる・・・・・だいじょうぶだよ、できるんだ」と歌によって励まし働きかけ、講師は♪「できる できる」の歌によって、生徒さんの可能性を信頼しながら、創造的でありながらも地道に学習を進め繰り返していきます。

 学習は、一夕一朝では成りません。生徒さんと講師の双方の努力、とそれを支える親御さんの努力を要します。しかし、ねじり鉢巻、叱咤激励で努力するのではありません。

 子どもは、楽しければ学習しますが、楽しくなければ気持ちはスイッと違うほうに行ってしまいます。
 子どもは、かんたんに出来れば学習しますが、かんたんでなければ諦めてしまうかストレスを貯めてしまいます。

 でも、楽しく学習し、その子どものできる簡単なことからスタートすれば、「知る」面白さを感得・体得して、少し楽しくなくても、少し難しくてもがんばれるようになります。なぜ、がんばれるのか?

 それは、自分の「できる」力を信頼できるようになったからです。講師も親御さんも、あせらずにそこまで導きます。子どもが自ら進んで学習する「学習力」を身につけられるように、あせらず、あきらめず、あまやかさずに導きます。
 ※あまやかさないとは、厳しくすることではありません。子どもの力を信頼して、促し励まし続けることです。

 ♪「できる できる」のメッセージを支えるのは、まさに造形リトミック研究所の掲げる

・楽しいからのパートナー
・ちょっと簡単(=できる)からのパートナー
・新しく知るからのパートナー

この3つのパートなのマインドです。

 お子さんの発達や学習に不安になったとき、疑問を感じたとき、ちょっとイライラしたとき、どうぞ♪「できる できる」と口ずさんでみてください。

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302.朝方でゆとりを・・

302.朝方でゆとりを・・

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 きょうからまた学校、お仕事の生活に戻りますね。
 今朝は、早起きできましたか?
 秋のさわやかな空気を味わいましょう。

 お休み明けは、新しいスタートを感じますね。
 小さなスタートを大切にして生活の仕切りなおし、新鮮な気持ちの回復、リフレッシュをしていきましょう。年の始まりは1年に1回しかありませんが、小さな始まりはたくさんあります。

・休み明け
・週の始まり
・月の始まり

 言ってみれば、朝は1日の始まりです。ですから、朝の時間を大切にしましょう。朝は毎日来ます。ですから、毎日リフレッシュして、新しいスタートができます。

・朝は、ゆったりと過ごしましょう:10分の「ゆとりの時間」を作ればいいのです。
・朝は、いい気持ちで過ごしましょう:小言は控えましょう。
・朝は、その日の楽しみを見つけましょう:1日の流れを把握させましょう。

「早起きは三文の得」という言葉があるように、やはり朝をどう過ごすかによって、1日が変わってきます。早起きは、物質的な得だけではなく、生活に豊かさをもたらしてくれます。

 早起きが苦手なお子さんや生徒さんも、自分なりの朝を大切に過ごしていけば、少しずつ朝型に変わっていくことでしょう。無理のないペースで、朝を楽しみましょう。

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301.彼岸花

301.彼岸花

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 今日は、秋分の日。お彼岸の中日です。

 つい先日、彼岸花(曼珠沙華)を見に巾着田(埼玉県日高市)に出かけました。高麗川が蛇行して巾着の形を描き、ちょうどそこに田ができているのです。この時期、その田を囲む一面に群生する彼岸花が見事に開花して、高麗川の緩やかな流れと並行するように長く長く続いています。

 そしてその一面の彼岸花の間を、訪れたたくさんの人々が長く長く列を作って進んで行きます。まるで、天上界のような不思議な空間です。田んぼのあぜ道にぽつぽつと赤く咲く、「ごんぎつね」の風景の中の彼岸花とは少々趣を異にしていました。

 曼珠沙華・・・この名前からもそんな異なる空間が感じさせられます。
「曼珠沙華」「彼岸花」、調べてみると次から次に面白い言葉に出会います。
”天上の花””おめでたいことが起こる兆しに、赤い花が天からふってくる””葉見ず花見ず””相思華””
幽霊花””キツネの松明””キツネのかんざし”・・・・

「球根部にリコリンという毒があるため、田を荒らすネズミやモグラを避けるために田んぼのあぜ道によく植えられた」、こんな説明もありました。

 この説明が、私には一番ピント来ました。あの天上界から、人々の素朴な生活の営みに戻ってきたような、さわやかな秋風がさっと感じられるような、いつもの世界に戻ってきたような、そんな安心感が得られました。

 せっかくの連休、何か面白いことや不思議なことに出会ったら、家族で調べてみましょう。そして、自分の生活や感覚、言葉にフィットするものを見つけてみましょう。また、自分の感覚とは異なるものに触れ、知ることも楽しいものですね。

「秋分の日?」「お彼岸って」「何でおはぎを食べるの?」・・・。

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96.生徒さんの日記から「ボーナス」(2)

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

96.生徒さんの日記から「ボーナス」(2)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー 

 あの、ボーナスをもらったお嬢さんのお話のつづきです。造形リトミックの教室では、日記を書きはじめる前に、毎回「いつ・だれは・だれと・どこで・どうした」をメモ書きしてから書くように練習しています。先回ご紹介した日記にも、小さな文字でそれがメモ書きされていました。よく読むと、そんな小さな表現にも気持ちの動きが表れていました。「どうした」の項目だけを拾ってみましょう。

 12月8日 月曜日:「どうした:仕事した」
 12月9日 火曜日:「どうした:仕事した」
 12月10日 水曜日:「どうした:仕事たのし」(ボーナスをもらった日)
 12月11日 木曜日:「どうした:仕事した」
 12月12日 金曜日:「どうした:やるきの仕事」

 たったの数文字で、うまく表現していることに感心します。「仕事たのし」「やるきの仕事」とは、何ともユーモラスに、また端的に微妙な気持ちの変化を表しています。

 造形リトミックの教室で初めて出会っときは1歳7ヶ月、幼児というよりまだ赤ちゃんのころでした。ベビー用のハイチェアにさらに厚くクッションを敷いて、どうにか机に向かえるような形でおけいこをはじめました。手を添えていっしょに、「とんとんてんてん」と点描、「すーい」「しゃー」と線描・・・。ねらいは、認知、ことば、手先の巧緻性の基礎作りとその発達。いわゆる文字や数などの学習の前の学習です。

 気に入った教材が机の上に出てくると、椅子の中から机の上に這い出してきてしまいます。這い出しては、また椅子の中におさめながら、楽しく学習を続けました。

 あれから、20年近くが経ちました。親御さんは就学や進路の選択など、節目ごとにいろいろとご努力またご苦労されたことと思います。でも日々は、楽しく豊かに無理なく育てられたのではないでしょうか。

 このお嬢さんをはじめ、生き生きと豊かに成長された生徒さん方に共通していることは、「愛情をもって、無理なく育てられた」ということです。「無理なく」というのは、「手を抜く」ことでも「あきらめる」ことでも「あまやかす」ことでもありません。

 ですからこのお嬢さんは、楽しく、ユーモラスな面を持ちながらも、毎日お仕事に通い、不慣れな仕事に疲れても乗り越えようとするような芯の強さも持ち合わせています。宿題、ピアノ、日記など、自分から習慣として取り組むような意欲もあります。季節や折々の行事も楽しみ、本当に生き生きと生活しています。

 このような成長の仕方、生き方は、もって生まれた力は異なっても可能です。「いかに育てるか」、です。それも、大上段に構えた育て方があるのではありません。毎日をいかに無理なく楽しみながら、しかも適度なノルマや約束事も与えながら、過ごさせるか、ということです。

 生き生きと豊かに成長されたたくさんの生徒さん方に、今、幼児であり、小学生、中学生、高校生である生徒さん方が、それぞれの個性を育みながら続かれることを心から願っています。(2008年クリスマス)

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95.生徒さんの日記から「ボーナス」

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

95.生徒さんの日記から「ボーナス」
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
  造形リトミック教育研究所  

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー 

 造形リトミックの教室に幼児期(1才7ヶ月)から通われ、この4月に就職されたお嬢さんの一行日記から、今日はその数日をご紹介します。(※公開については、ご了承いただいています)

 12月8日 月曜日:きょう、午後の付録の仕事がたくさんでした。だから、疲れた。いじょう。

 12月9日 火曜日:きょう、ものすごく疲れぎみのくらい、仕事もやりました。疲れる!いじょう。

 12月10日 水曜日:うまくやれて、うれしくなりそうで、ボーナスをもらいました。やりつづけよう。

 12月11日 木曜日:毎日で、はたらいていました。つまり、楽しくなりそうでした。いじょう。

 12月12日 金曜日:へとへとしないで、がんばりました。たくさん仕事で疲れた。いじょう。

 この方は、土曜、日曜を除いて、毎日日記を書いています。朝も早く、6時頃に起きて、ピアノの練習をしてから出かけるそうです。宿題も火曜、水曜、木曜、と曜日を決めてやってきます。1日、また1週間を自分で計画的に組み立てているところは、大したものです。「やらされている」のではないことで、いっそう意欲的になれるのでしょう。いまや、日記や宿題やピアノは習慣化されているのだと思います。

 「○○ちゃんの好きなことは?」と前に尋ねたら、「宿題とピアノ」と答えてくれました。昨年の七夕のお願いには「もの知りになりたい」と書いていたことも思い出されます。休日にはダンスをしたり、グループ活動に参加したりと忙しくも楽しそうです。

 仕事に就いて、9ヶ月。「まだ、子どもだ子どもだ」と思われていたお子さんの就職にあたり、親御さんの心中は、学校生活を終えることへの寂しさや、「もう、就職?」という思いなど複雑なものがあったのではと拝察します。

 講師としても、「疲れた・・・」という日記を読んだり、「肩こった~」というような様子を見ていると、あるまじきことではありますが親心のようなものも覗いて、心を痛めることもありました。

 しかしそれが、「12月10日」の日記で、こちらの気持ちもパーッと晴れた気がしました。「うまくやれて、うれしくなりそうで、ボーナスをもらいました。やりつづけよう。」何てすばらしい、気持ちの切り替え!日記の締めの「やりつづけよう」には、びっくりです。「ボーナスが、こんなに励みになるんですね」と、親御さんも仰っていました。

 職場の指導員の方は、何と言ってボーナスを渡されたのでしょうか。こんなに励みになるとは。ボーナスに添えられたメッセージこそ大切です。療育に携わるものとして、日常の折にふれ、生き生きと元気にさせられるようなメッセージを送りたいものです。

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94.部屋の片付け(5)

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

94.部屋の片付け(5)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー 

 今日は「部屋の片付け」のまとめです。「片付け」を通して獲得できる事がらを学習の観点から、また情緒的発達と安定の観点から分析的に見直してきました。

 部屋の片づけが、無理なく3日間くらいで終わればというペースで進めてきましたが、仕上がりの程は、個々それぞれで構いません。もし今回はうまくいかなかったのなら、それはそれで、また別の機会になさればよいのです。大切なのは、ひとつの型に当てはめようとムリをしないことです。また、それによるストレスをためることがないように、ということです。

 机に向かうことだけが学習ではありません。学習したことは、どんどん生活に生かしていきましょう。学習と生活の双方からの相乗効果により、学習効果はいっそう確実なものとなるでしょう。昨日のお話のように、知的に理解し、感覚的に把握し、作業的に運動を通して経験する。知得・感得・体得、本当に役立つ学習を目指していきましょう。

 生活をそんな目で眺めなおしてみると学習の要素は、そこら中にあります。可能なときに、ちょっと意識して、生活のひとつひとつの事がらに楽しみながら触れていきましょう。

 さあ、せっかくお部屋が片付いたならば、なるべく散らかさないようにしましょう。使ったものは、はじめにあった場所に戻す。これさえ守れば、大丈夫です。

 できたら、きれいになった部屋に来年のカレンダーをかけましょう。まだ、表紙はつけたままに。表紙は、大晦日か元日に切り取りましょう。新しい年を意識させるためです。これからの1年間、カレンダーを意識した生活、折に触れ季節や行事を楽しめる生き生きとした生活ができるといいですね。

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93.部屋の片付け(4)

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*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー 

 部屋の片付けについて、3回にわたってお話してきました。「床の上」「机」「本棚とおもちゃ箱」。お気づきかと思いますが、片付けのやり方は、実はどれもほとんど同じなのです。
・物を本来あるべきところに戻す。
・要らないものを捨てる。
 この2つです。

 お子さんは、3日間違うところを片付けていたことになりますが、実際は上記の2つ、つまり同じことをくり返しくり返し行っていたのです。このような、動きを通して学習したことは身につきます。それが、楽しくできていれば次にも続きます。生活の中で、時折、お子さんとのこのような作業を大切にしていきたいものです。

 ふだん親御さんがパッパッとやってしまえば早いものも、お子さんと一緒に行ってみることによってお子さんは学習したことを実践する場を得ることができます。

 机の上で行った弁別学習や、ものの名前(名称)、棚や引き出しの何段目(順序数)、棚の右・左・上・下・端(空間の位置)・・・。指示をするときの言葉の言い回しも含めれば、改めて学習の対象となる新鮮な言葉もたくさんあります。

 「要る、要らない」「まだ使える、もう使えない」「まだ新しい、もう古い」「古くなった」「小さくなった」「大きい消しゴム、小さい消しゴム」「短い鉛筆、長い鉛筆」「もったいない」「大きい箱、小さい箱」「浅い引き出し、深い引き出し」「端を揃えて」「一応、取っておきましょう」「もっと上」「もう少し上」「一番上、一番下」「まん中」・・・。

 片付けの場面では、対になる言葉を意外にたくさん使っていることに気づきます。また、空間の位置を示す言葉もたくさん使っています。

実践は、机の上で知識として得たこと(知得)を感得、体得する場です。たとえば一番上の棚にものを置くときには、「高いなぁ」と感じながら、背伸びをして置きます。また、一番下の棚にものを置くときには、「よいしょ」とかがみこんで置きます。こうして「高さ・低さ」を学んでいくのです。

 「短い鉛筆、長い鉛筆」は、瞬間的に分かるお子さんでも、「まだ新しい、もう古い」とお母さんが口にするのを聞きながら、「古い・新しいの基準は何か」と目を凝らして対象をみているかもしれません。こうして、次第に「古さ・新しさ」を感じていくこともできるのです。

 こんなことから、逆に机の上での学習を見直すことができます。「どっちが長い?「どっちが短い?」と迫る前に、学習の場でも次のようなプロセスをゆっくり経験させましょう。
・長いものと短いものとを作業的に分類させてみる。
・長短さまざまのものを順に並べさせて、長さの変化を見させる。
・作業の間に、「長い」「短い」という言葉を動作を伴いながら、充分に聞かせる。

 「長さ・短さ」を感じる時間を充分に作ってあげましょう。その感覚を得る前に「こ れ は、長い」「こ れ は、短い」と紋切り型で言われても、生徒さんは必死で暗記するしかないのです。ましてや、長短がおぼろげなうちに「どっちが、いくつ分 長い?」なんて聞かれたら、もうお手上げです。

 今日は、学習と関連させて「片付け」を見直してみました。でも、どうぞ構えずにリラックスして片付けをお子さんと楽しんでください。

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