2919.~日々の会話を通して~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。
・・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。
~今日のElephasブログ:「心も成長」(8月21日)~
おはようございます。西国分寺教室の佐藤です。
中学生になったA君は、コツコツと努力を重ね学習を進める生徒さんです。このA君、ニュースに興味があり、各地で起こる地震、大雨や台風による被害、事故などについて、5分ほどのお話タイムによく話します。
先日は、「何年か前にトンネルの天井の崩落事故があったね」とか「長距離バスの事故もあったっけ」など、数年前のニュースが話題に上り、「よく覚えていますね」、とびっくりしました。感心するのは、「被害にあった人たちは気の毒だね」「家が流されて避難している人たちは大変だね」と、A君が必ず付け加えることです。
身近なことだけでなく、広く社会に関心を持ち、あちこちで何が起こっているのかを知り、そこの人たちの立場に立って思いを馳せるA君を、頼もしく感じます。
この半年で身長がグンと伸びましたが、大人になるのに必要な心の成長も着実にしていると思います。
◇ワンポイント・メッセージ◇
認知の基礎学習として、描画や絵画に取り組む造形リトミック・メソッドの中には、「目で見る、耳で見る、手で見る」という言葉があります。描く対象を自身の見方で見ているだけでは気づかないことも、「ここは、こうなっているね」と耳で聞くことによって、新たな発見をすることができ、更に実際に手を動かして描いてみることによって、改めて対象について感じ取ることができる、ということです。これは描く対象に限らず、あらゆる情報においても同様です。
A君が興味を抱いているニュースもそうです。きっとご家庭で、ニュースを見ながら会話があるのでしょう。会話を通して、“感じる心”が耕されます。言葉も、生きた言葉、意味や感情を伴ったものとして獲得されていきます。コミュニケーションの要である共感性は、こうした日々の何気ない、しかし心情の細やかな対応によって育まれていきます。