686.Elephas ブログ ~絵かき歌にも個性~

686.Elephas ブログ ~絵かき歌にも個性~
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをホームページでアップさせていただいております。教室の生き生きとした生徒さんのご様子や講師の創意工夫を広く皆さまにお伝えできますように、本ブログではワンポイントメッセージも加えて、お読みいただけるようにいたします。

 ・・・・明るく、楽しく、豊かに・・・
日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。

◇ Elephas ブログより ◇

おはようございます。
発達支援教室 Elephas(エレファース)・国立教室の冨田です。

先月は、「ハローキティアート展」に行ってきました。タブローやオブジェのハローキティ作品17点を現代アートとして初公開。その中でも、イチゴをキティに大変身させた「いちごキティ」の油絵にはイチゴの立体感、赤、白、緑の配色から伝わる元気パワー、全体のかわいらしさに思わず笑顔となりました。

今月は、「環境ポスター作品展」に行ってきました。小中学生の入選作品100点から、壮大な宇宙や地球、身近な町や家庭を純粋な目線で捉えた暖かな思いが伝わり、改めて大切なことを学びました。

教室では1~2月かけて、絵画展の作品に取り組んできました。
伸び伸びとした個性豊かな作品に仕上がりました。

◇ ワンポイントメッセージ ◇

造形リトミック『歌唱造形』(絵かき歌)が創案されてすでに40年以上の歳月を経ておりますが、創案当初は、絵かき歌は子どもの絵を画一化させると言われたそうです。ところが実践してみると、それぞれのテーマの力と描き手の感性や個性によって、絵は画一化するどころかとてもユニークな作品に仕上がります。

ハンディをもつ生徒さんが多少の介助を得て描いた絵にさえ、独特な味わいが表れるのです。造形リトミックの本家でありながら、『歌唱造形』(絵かき歌)の力にはいまだに驚きの連続です。

発達支援教室Elephas・造形リトミック研究所
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公式サイト http://www.zoukei-rythmique.jp/

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600.クリスマスはプレゼント


600.クリスマスはプレゼント
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 12月5日から、国立のイルミネーションにも灯がともりました。
 クリスマス、と聞いてなにを思い浮かべられますか?

 サンタクロース、トナカイ、メリークリスマス、・・・そんな言葉を聞くだけで、生徒さんからは歓声があがります。それだけクリスマスは、夢や希望や喜びを与えるものがあるのですね。

 イルミネーションの輝きは、その象徴です。夢も希望も喜びも、大いなるプレゼントです。

 おもちゃやゲームやDVD・・・、サンタさんからのプレゼントを楽しみにしている生徒さんも多いことでしょう。それはそれで、大人になって振り返ると、子どものときのすばらしい思い出となります。でもそれとはまた別に、プレゼントをもらうだけでなく、プレゼントをすることも楽しめるといいな、と思います。

 与えられるだけでなく、与えることを。
 一人だけでも、誰かに思いを寄せて、プレゼントをしましょう。
 
 お姉さんから、妹さんや弟さんに
 お父さんやお母さんに
 おじいちゃんやおばあちゃんに
 甥子さんや姪子さんに
 ヘルパーさんに
 ペットに
 生活グループの仲間に

 日頃のプレゼントに感謝して、クリスマスにはプレゼントする喜びを。
 

 
造形リトミック研究所
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384.感動する主体に

384.感動する主体に

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 今朝の教室ブログ「雪だるま作れるかな」、もうお読みになりましたか?
 一人ひとりの講師たちは、いかに生徒さんにテーマへの興味や関心を持たせ、感覚を働かさせ、気持ちを動かさせるか、ということに熱心です。

 造形リトミックの目的は、だれもが「描けるように・作れるようになること」にあります。それを認知の点から、技術の点から、また表現の点から統合的に指導にあたります。しかし、それと同時にもうひとつの大切な目的があります。それは、テーマとなっている対象に対して、自らの感覚が働き、自らの気持ちが動くような主体となり得るように育てることです。

 1月は、「雪だるま」のほかに「野菜」をテーマにしました。野菜を描き、野菜を作ります。各教室ではテーマに関してそれぞれに、生徒さんへの工夫が行われています。

・パックに入った本物のににんじんが置いてある教室
・大根やにんじんの芽が出るようすを見させるように水栽培をしている教室
・画用紙工作の野菜を竹かごに入れてリアルにディスプレイしてある教室
・画用紙工作の野菜をスーパーの袋に入れて、買った野菜のようにして持ち帰らせている教室

 かつて、軸を切ったしいたけを黒い画用紙の上に伏せて一晩置き、胞子が放射状に広がる様子を見せたこともありました。

 各教室の工夫を目の当たりにすると、こちらもあっと驚いたり、いっしょに楽しんだり、感心したりします。親御さんにしても同様でしょう。生徒さんにとっては、もちろんです。実は、講師自身もそれを楽しんでいるのです。

 感覚を育て、感動する心を育てる教育は、知識を得られるだけでなく、生き方自体を豊かにします。教室のテーマを通して、生徒さんも親御さんも楽しみ喜び、教室のテーマがご家庭の中にまで浸透することが出来れば何よりです。

 
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造形リトミック研究所
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35.テーマの魅力:「エアコン」


35.テーマの魅力:「エアコン」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 もうひとつの教材、「エアコン」。エアコンは最初、クーラーだけでした。つまり冷房だけ。暖房は、ガスや石油のストーブやヒーターを使っていました。

 私が小学生のころ、家はもちろん、学校や役所や店などにもクーラーさえありませんでした。電車も、昔は扇風機が天井についていました。車にも、クーラーはついていませんでした。今では考えられませんが、真夏の炎天下は窓全開で走っていました。ですから、渋滞でしかも風がないときは、「蒸し風呂」などと呼んでいたことが思い出されます。

 中学生のころ、クーラーのあるところは人気がありました。そのひとつが図書館です。図書館には、よく通いました。夏休みなどは、早くから行って開館を待っていました。

 現在のエアコンは、クーラーとヒーターの両機能を備えている進化した機械です。どんどん薄型、コンパクトになって、価格も下がってきました。テクノロジーの進化は確実に生活を豊かにしています。

 知的障害や発達障害の方には、暑さが寒さより苦手という方も少なくありません。快適な環境での学習は、グンと効果が上がります。

 今月は、この「エアコン」を教材として学んでいます。色、形、メーカー名、デザイン、大きさ、機能、価格・・・いろいろと広がりのある生きた教材です。

 家庭でのエアコンの利用の仕方も、学習テーマのひとつです。

 ・適切な設定温度を知る
 ・風量や風向を調節する
 ・数字や記号での表示で、温度の高低や量の多少、向きを知る
 ・体感としてそれらを感じる
 ・節電の意識を育てる(省エネ)
 ・地球の温暖化という現代の問題に触れる
 ・社会参加の意識と自覚を育てる

 何れも指示されて生活するのではなく、積極的に意識的に生活する糧となります。そこに喜びが生じます。

 教室の生徒さんは、「エアコンがあって当たり前」という世代です。が、エアコンの快適さとは別に、秋のこの時季の自然のさわやかさも味わい感じてもらえればとも思います。

* 写真は、観覧車の動力部分です。「一体どうなっているのかな?」素朴な疑問
 から興味はひろがります。ひとりひとりが自分の世界をみつけ広がっていくこと
 は大きな力になります。

造形リトミック教育研究所

nan

34.テーマの魅力:「携帯電話」


34.テーマの魅力:「携帯電話」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

今日は「携帯電話」です。

 私が子どものとき、腕時計型の無線機を使っている「スーパージェッター」というアニメがありました。「流星号応答せよ!流星号応答せよ!」と呼ぶと、空飛ぶ乗り物が来ました。

 30年後に、少し形や大きさ機能は違いますが、似たようなものを自分が日常で使えるようになるとは思っていませんでした。サプライズです。

 「携帯電話」は、今では一番身近でなくてはならない道具です。多くの人が、一日中肌身離さず使っています。電車の中でもバスの中でも、座席に並んだほとんどの人が黙々と操作しています。

 私が最初にこの「移動体通信」の機械について知ったのは、学生の時です。近所の知り合いの人から「自動車電話」というものが世の中にあるということを教えてもらいました。まるで大きな重箱のようで、そこに受話器が付いています。とにかく大きくて、重いというイメージでした。そしてとても高額でした。

 その後次第に小型化して携帯電話の形になり、一般に広くしかも短期間に一気に普及しました。その途中に、「ポケットベル」という小型で呼び出し専用のどちらかといえば安値の機械も登場しました。が、今では見かけることはありません。

 人の生活を助ける、社会生活を便利にする、効果的で高速。正確に、情報のやり取りができる、通話だけでなくメールも・・・(適切に使えば)すばらしいテクノロジーツールです。たった約20年の間にここまできた、ということは本当にサプライズです。

 これは、知的障害や発達障害の方にとっても大変重要なツールです。

 前にもお話しましたが、いわゆる知能指数からの常識ではちょっと活用はできないだろうと思われような方も、興味を持って楽しく毎日たくさんの時間携帯電話を操作しています。さまざまな機能を使いこなしてどんどん上達していくのは、ただただ驚くばかりです。

 この点は知的障害や発達障害の方々の指導に携わる者として、とても注目すべき点です。つまり固定観念や既存の評価というのは、昨日までの経験値を中心にした考え方ですので、オリンピックではありませんが、その記録は常に破られます。知能の評価も変わっていかなくてはなりません。

 今日の経済状況も専門家に伺うと100年に一度あるかどうかの状況だそうですが、ある意味でこれも同じかもしれません。いかにこの事態を越えていくか。大切なことはプラス思考で前向きに、先輩たちが歩んだ道の更にその先を目指していくことだと思います。

*写真は、近くで見かけた蝶です。10月でも、まだいます!
 ツマグロヒョウモンチョウだと思います。見事ですね!

造形リトミック教育研究所
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33.テーマの魅力:「洗濯機」


33.テーマの魅力:「洗濯機」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 3つ目のテーマは「洗濯機」です。「洗濯機」と聞いただけで、私の一番古い記憶がよみがえります。

 最初の洗濯機は、おふろ場のそばにおいてありました。ハンドルを回して洗濯物を絞る一層式、手動でした。上から見ている、中で洗濯物が回転してるのがよく見えました。洗濯せっけんを入れさせてもらうのが、とてもうれしかったことを覚えています。

 また、洗濯物の汚れでだんだん洗濯水が黒っぽくなるのを覚えています。私の泥んこ汚れのせいだったのでしょうか?

 その後に2層式で脱水機が付いたり、1層式で脱水までできる全自動が家に来たり。洗濯機プラス乾燥機という2台の時もありました。

 ・・・下宿生活をしてる時に、お風呂屋さんでコインランドリーを利用したこと、大きな洗濯機のおなかの中が見える面白さもつながって思い出されます。
 
 ついでに、洗濯洗剤のCM。指輪が当たるもの、「金・銀・パールプレゼント!」、液体になったもの。最近では主婦が重量挙げのように洗濯物を洗濯竿ごともちあげるシーン。「洗濯機」と関連して、CMの音楽や映像が頭の中を回ります。記憶というのは、面白いものですね。ひとつのことから、いろいろなものが
引き起こされてきます。

 さて、そして今、乾燥までできるドラム式・・・ほんとの全自動式です。干さずにそのまま洗濯機から出して着られる、手間のかからないタイプです。

 洗濯機はその音に特徴があります。洗濯、排水、脱水、乾燥、完了、それぞれにいろんな音があってとても面白いです。

 また、洗濯機のそばには蛇口がありそこからホースがつながっていて、下の方には排水のコースがある。大きな機械が水道と一体化していて、そのさまも何だか面白いです。

 そんなイメージで出来上がったのが今月の洗濯機です。皆さんは洗濯機からどんなことがよみがえってきますか?

*写真は、国立の駅前で見かけたトラッククレーンです。トラック+小型クレー  ン。人間はどんどんいろいろな機械を発明してきました。おもしろ!便利!

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32.テーマの魅力:「冷蔵庫」


32.テーマの魅力:「冷蔵庫」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 テーマの魅力、二つ目は「冷蔵庫」です。

 私の「冷蔵庫」の記憶は、小学生の頃からです。まず帰宅すると冷蔵庫を開けるのが、私の習慣でした。夏の暑い日は麦茶を飲んだりサイダーを飲んだり、食べものを探しては空腹を満たしました。今ほどの大きさはなかったと思いますが、子どもにとってはかなり大きなサイズだったと思います。

 家電というのは、とても身近です。生活の利便性と直接結び付き、付き合いの長い機械です。共通の点は、どれもコンセントにつながって私たちの生活と密着して元気で動いてます。 

 小学生の時はどんな冷蔵庫だったかなあ? 中学校の時は?高校の時は?
家のあの辺に置いてあったな・・。 掃除をしたこともあったかな? 故障したこともあったな。その時どうしたかな? どこの店で買ったかな? 電器屋さんで注文したかな?デパートに見にいったかな・・・いろいろ思い出します。こんなふうに記憶をたどるのも結構楽しいものです。 

 冷蔵庫も時代とともに変化してどんどん便利になり、どんどん大型化し、新しい機能がどんどん増えました。

 「冷蔵庫」に対する私のイメージは、大きい、白い、冷蔵・冷凍・野菜の3つの部屋に分かれている、開けると涼しい、ずっしり重たい。家の中の小さなコンビニ、24時間いつでもおいしい食べ物が中に入っている(*ただし事前にお買い物しておかないと何もありません)。私は「テレビ」も好きですが、「冷蔵庫」も大好きです。

 そんなイメージで出来上がったのが、今月の「冷蔵庫」です。皆さんも冷蔵庫への思いをこめて、冷蔵庫を描いてくださいね。

*写真は、先日小田原駅前でみかけた小型パワーショベル+超小型ブルドーザー?
 前に小さなブレード(腕)のついた小型パワーショベルです。工夫!改良!

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31.テーマの魅力:「テレビ」


31.テーマの魅力:「テレビ」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 きょうは今月の「テーマ」のひとつ、私にとっての「テレビ」の魅力についてお話しします。
 
 私が生まれたのは、世の中にテレビが出始めたころです。そのころは限られた家にしかなかったテレビも、数年後には東京オリンピックがあり、一般家庭にテレビが入りました。初めは、もちろん白黒テレビでした。

 リモコンなど考えられず、チャンネルは回転式でガチャッガチャッと回して選びました。またボリュームも同じように回転式で、たしか右に回すと大きくなったような記憶があります。

 「大きすぎる!」「もっと離れて見なさい」とよく言われたものです。

 私もアニメが大好きでした。「オオカミ少年ケン」、「鉄腕アトム」、「ジャングル大帝レオ」・・・たくさんの番組が次々と出てきました。

 ある日父親の職場(テレビ局)に付いて行くと、録音スタジオの外の大きなテレビの前は人だかり。それが、「アポロの月着陸のシーン」でした。驚きの声が周りから上がっていました。「本当にこれは月なのかなー?」なんて声も聞えたような気がします。

 その後カラーテレビが出てきました。きれいです!ビックリでした。もう完全にとりこです。

 ただし、わが家のカラーテレビの後ろにはカギがついていました。私があまりテレビを見過ぎるということで、工学部の教授をしていた叔父に父がカギをつけるように頼み込んだのです。「おじさんはすごい」けど「困ったな」などというなつかし思い出があります。

 ひと言で言えば、「テレビ」に対する私のイメージは、「宇宙から人の体内」まで、また「巨大なものから目に見えないほど小さなもの」まで、「昔のものから未来のもの」まで・・・といったようにあらゆる世界を目の前にリアルに映し出してくれるもの、といった感じです。

 こんなイメージや思い出を、歌唱造形(絵かき歌)「テレビ」の曲にこめました。たくさんの人に楽しんでいただけるとうれしいです。また、一人ひとりのイメージや思いがこの「テーマ」に重なって、楽しく長く記憶に残るような「テーマ」になってくれることを願っています。

*写真は、今年2月に「テーマ」とした「遊園地の乗り物」、「観覧車」の基礎です。
 大きな基礎とボルトでしっかり固定してありました。基礎は大切ですね!

造形リトミック教育研究所
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30.今月のねらい


30.今月のねらい

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 教室の親御さんへの年度末のアンケートから、各ご家庭で親御さんが現在抱えていらっしゃる問題や課題を知ることができました(ご協力ありがとうございました)。その親御さんからのご希望になるべくお応えできるように、毎月新たなチャレンジとしてテーマを設定しています。

 10月のテーマは「身近なテクノロジー」、その中でも「家庭の中のテクノロジー=家電」です。今月は「家電と家具の区別がつかない」というご報告に応えて、テーマに「家電」を選びました。

 アプローチとしての着目は、両者の違い。(例外はありますが)電気で動いているものか、否か。即ち、コンセントにつながっているか、否かです。従って、今回はコンセントの付いている家電を中心に素材を用意しました。

 造形リトミックでは、楽しみながら描くことで、まず興味を持たせるところから始めます。造形リトミック・メソードの中の歌唱造形(無限に変わる絵かき歌)、これは1960年代に父の代に発表し、それ以降、親子で40数年にわたって作り続けてきましたので、すでに500曲を超え1,000曲に向かっています。

 今月はその中から、「テレビ、冷蔵庫、洗濯機、クーラー、携帯電話・・・・」を。携帯電話はちょっと家電とは異なるかもしれませんが、やはりコンセントに差し込むものということで、「携帯電話」も加えました。

 また、「家電」とは別ですが、秋ということで「お月見」「秋の七草」などを新しく発表しました。「家電」のように、形態を学び、用途や技術を学ぶテーマもあれば、このように季節やその行事、慣習に触れ季節を楽しむといったテーマもあります。いずれにしてもテーマによる学習は、一人ひとりの生活を生き生きと楽しくさせたいという気持ちから始めました。

 なお、「カタカナの書字の歌」が前月の書字シリーズの一環として加わっています。

 私たちは、歌という身近なものを活用して、楽しく、やさしく、ちょっとから、だれもができるということを願っております。父の願いは、「10000人に一人の天才のためでなく、残りの9999人を落とさないメソード」でした。なかなか高いハードルですが、この目標に限りなくアプローチしてきたいと思っています。

* 写真はたまたま見つけた雲です。何に見えるでしょうか? 感じ方は様々だと
  思います。私は、「ブダイ」「ドラゴンの頭」「新幹線の先頭」・・です。
 「ちょっとから楽しむ!」ことで、個性と可能性を広げることが願いです。

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17.テーマの力 (2)


 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

知的障害・発達障害 個性と可能性を伸ばす

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* 新しく知るからのパートナー
* ちょっと簡単からのパートナー  

17.テーマの力(2)

 秋になり、このところテレビの番組で「鉄道」がいろいろと特集されています。地方のローカル線の話、ユニークな鉄道、猫の駅長、イベント列車など各地の鉄道とそれにまつわる暮らしが紹介されていました。

 それぞれの「鉄道」には路線があり、駅舎があり、店があり、特産物があり、街があり、地域があり、人々の日々の営みとまた歴史があります。

 ・・・興味ある対象があって、そこから時間的にも空間的にも楽しく広がっていく・・・ということはとても素晴らしいことです。私たちの求める「テーマからの、プラスの連鎖(広がり)」です。

 造形リトミック研究所では、講師がまずそのテーマを楽しむことを前提と考えています。この気持ちは一人一人の生徒さんの気持ちに届き、生徒さんの中で広がっていくからです。

 こんな思いで、この休みに実際に蒸気機関車に乗りに行ってみました。・・・ちょっとこじつけかな? 単純に乗ってみたかったんですね。

 場所は埼玉県の秩父です。
 西武国分寺線恋ヶ窪駅から東村山駅、西部新宿線で所沢駅、西部池袋線で飯能駅、特急レッドアロー号で西武秩父駅まで行きました。

 途中飯能駅には都営副都心線の新型車両が停車していたので、思いがけず本の数分ですが車内に乗り込んでみました。さすがに洗練された新しいタイプの車両。しゃれた配色のシートやシャープな角度で規則的に並ぶ手すり、連結部の半透明のドア、とても満足感がありました。近いうちに、ぜひ乗ってみたい。

 本命の蒸気機関車には西武秩父駅から三分程のところにある「御花畑」という駅から三峰口駅まで乗ります。

 小さな子どもからお年寄りまでたくさんの人が興奮気味に列車の到着を待っています。遠くに蒸気機関車の黒い姿が小さく見えてくると、12時18分いよいよ機関車が構内に入ってきました。感動です。本物、さすがに本物は重量感があり存在感があり、時を越えて目の前に停車しています。魅力いっぱいです。

 乗ってみました。ほんのりと、なつかしい石炭ストーブのようなにおいがします。じきに、ごん、ごんと体への振動を与えながら動き出しました。乗り心地は、「ぐんぐん」と引っ張るようなイメージとはかなり違いました。スピードは思ったよりも遅かったです。でも、独特な振動と独特な速度、窓からの景色など、30分ほどの蒸気機関車の旅は十分楽しめました。

 友達からも聞いていましたが、沿道では大勢の人たちがにこにこしながらこちらに向かって手を振っていています。蒸気機関車への特別な思いを共有しているような何とも言えない感覚を持ちました。多くの鉄道ファンはポイントで、カメラを向けて撮影しています。

 私にとって何とも魅力的だったのは、終点の駅で停車している機関車自身です。本物=実物の迫力!64年も前の機関車(昭和19年製)ですが、車体の一つ一つの部品に形や質感がありました。そして機関士の方々はにこにこと楽しそうに説明してくれました。炭水車からスコップで石炭をごそっと出して、記念にひとつずつくれました。 

 その後切り離して給水場に移動させ、消防のようなホースで何トンもの水を補給します。さらにその後反対方向にバックで移動して、方向転換をします。初めて見るターンテーブル(方向転換)、蒸気機関車が丸ごと一台載れる線路で、この線路ごと180度回転して向きを変えます。

 秩父の大自然の中でちょうど天気もよく、コスモスもきれいで、とても楽しい経験ができました。

 一例ですが、このように一つのテーマの魅力は計り知れません。またそこからの広がりもとても大きいのです。ぜひチャンスを作って、実物=本物に触れてください。感動の質が違います!

 テーマごとの描画が、その世界との出会いのきっかけとなれば・・・、そんな願いを持って新しい絵描き歌を造り続けています。

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