371.本当の学習とは

371.本当の学習とは
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

(つづき)「本当の学習」とは、自分で取り込み、理解し、記憶し、再生し、考える学習です。少しずつでも、むりなく坦々と、楽に学習を積み重ねていけば、そんな「本当の学習」へとやがて向かいます。そして、少しずつ学習が苦ではなくなってきます。そうすれば、次第に学習が好きになる方向にさえ向かっていきます。

 ほとんどのお子さんには、その可能性があります。でも、無理な学習やストレスから、本当の学習へ向かうこと自体が難しくなってしまっているケースが意外に多いのです。とても、もったいない事態です。でも、ここで悔やまなくても大丈夫です!

思いついたときから、少し気持ちを変えて学習に取り組ませましょう。始業式を前に宿題の追い込みを!と思っていらっしゃる今、ちょうど気持ちの切りかえ時です。

 そもそも学校の宿題は個別に出されているものではなく、集団を想定して出されているものです。ですから、どのお子さんにもぴったりフィットしているわけではありません。しかも、「最低限ここまでは習得しましょう」というレベルよりもはるかに高く、むしろ課題の8割方を理解することを目指すような宿題がほとんどです。

 それを完璧にやらせようとしても、無理が生じるのは当然です。この2~3日間に、宿題を巡って大騒動することほどマイナスとなることはありません。宿題の量を加減して、積極的に手伝ってあげましょう。できる範囲で宿題を仕上げさせましょう。

 ことに義務教育である小学校や中学校には、いろいろな学習能力の生徒さんがいて当然ですから、先生方もきっとその違いを理解して対応してくださることでしょう。

 「みんなちがって、みんないい」・・・実践されてこそ、この詩は本当の意味で生きてきます。

 
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370.冬休みの宿題は?

370.冬休みの宿題は?
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 始業式まで、あと3日ですね。宿題は、終えられそうですか?
 終えられそうなお子さんは、あともう少しだけがんばって仕上げましょう。達成感が得られますよね。

 課題が難しい、また毎日規則的に取り組むことができなかった、どうしても机に向かえなかった、・・・という方お子さんは、量を加減しましょう。この3日間の目標を自分で立てて、無理のない範囲でがんばりましょう。

 自力で出来る方お子さんには、もちろん自力で取り組ませましょう。が、お手伝いの必要なお子さんには、気持ちよく手伝ってあげましょう。「一生懸命に書けばいいのよ」「ひとつずつ書いていけば、終わるよ。今日はここまでね」と言って、その日の目標の終点を明確にしてあげましょう。

 極端な話、場合によっては答を写すこともOKです。1日の中の決められた時刻に、イライラしないで、集中して学習に取り組む習慣作りだと思えば、書き写すだけの学習にも大きな意味があります。

 親御さんに手伝ってもらいながらでも、無理なく宿題に取り組めるようになれば、やがては少しずつでも「本当の学習」へと向かいます。「本当の学習」とは、自分で取り込み、理解し、記憶し、再生し、考える学習です。

 楽に取り組ませる習慣をつけていかれると、少しずつ学習が苦ではなくなってきます。親御さんにとっても、学習させることが楽になってきます。そうすれば次第に、学習が好きになる方向にさえ向かっていきます。(つづく)

 
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369.新しいあした

369.新しいあした
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 今年も月・火・水・木・金と週に5日、このブログで皆さんとお話させていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。

 とさっそく今日で三が日が終わりますので、日曜日ですが明日に向けて・・・。

 三が日、いかがお過ごしでしょうか?今日もう一日、おせち料理、初詣、お年玉でお買い物、訪問や接客など、まだまだお正月を楽しめますね

 7日(場合によっては15日)までは松の内としてお正月といわれていますが、明日あたりから街は通常の生活に戻ります。ご家庭ではいかがでしょうか。

 いつもの生活にスムーズに戻れるように、この三が日を振り返りながらお子さんの気持ちもそのようにし向けてあげましょう。

「おせち料理、おいしかったね。さあ、あしたの朝ごはんからは何にしようかな?」・・・そろそろお子さんもいつもの朝ごはんが食べたくなっている頃かもしれません。普通の生活に戻る喜びを感じさせてあげられるよう、あしたはモーニングみたいなメニューはいかがでしょう?

「お年玉、いっぱいいただいたね。あしたから銀行があくから貯金しに行こうか?」・・・街も、お正月が終わることを教えてあげましょう。また、まだ学校のないゆっくりした時間でもありますからいつも出来ないことや新しいことを始めるチャンスです。

「初詣、今年は○○に行ったね。なんてお願いしたの?またあしたから、がんばろうね」・・・あしたからまた生活表の時刻で生活し、学習や決められたことをたんたんと気持ちよく行っていくことを予告しておきましょう。

 できたら親御さんもお正月の後片付けを今日終えておかれると・・・。
そして、気持ちの良い明日を迎えましょう。新しいあしたが楽しみです。

(では、次は1月5日に)

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362.明日は終業式

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 クリスマス・イブ、いかがお過ごしですか?
 ご家族で楽しくお過ごしでしょうか?

 明日は多くの学校で、終業式ですね。2月期の頑張りがどんな形で評価されるにしても、お子さんの頑張ったところや良いところを見つけて評価してあげましょう。たとえ小さくても、たとえ少なくても、それがいかに見つけられるかは親御さんの技量にかかっています。

 たとえ成績が下がっていても、また行動の評価で問題点があっても、直接的に咎めたり、叱ったりしないことです。また、親御さん自身もがっかりしないことです。

「少し下がちゃったけど、元気に頑張ったよね」とまず、全体的な評価をしましょう。その後で、こんど頑張るべきところを具体的に指摘しましょう。

たとえば、
「3学期は国語の読みももう少し頑張ろうね」と促しましょう。そして具体的方法も示しましょう。
「じゃあ、冬休みの間に、3学期にやる国語の教科書を毎日お母さんと一緒に読もうか?」というように。
「なら、毎日朝10時から10分間、国語の教科書を読もう!その後ついでに、漢字の練習もやっちゃおうね。お母さんと一緒にね」と「手伝うよ」「応援するよ」という気持ちをしっかりと伝えましょう。

「ちゃんと勉強しないから下がっちゃったでしょ!冬休みも、勉強よ!」では、まず効果は期待できません。いやいやする勉強、ノルマで行う勉強、場合によって成績が下がった罰として行うような勉強では、良い結果が得られるはずがないからです。

 ここで教室のモットーが生きてきます、

「楽しむことからのパートナー」 :パートナーとして、一緒に楽しく勉強してあげましょう。
「新しく知ることからのパートナー」:新しいことを知ったら、お互いに「ふーん」「へぇー」「そんなんだ!」と 知ることの喜びを共有しましょう。
「ちょっと簡単からのパートナー」:できるところから学習を始めましょう。難しいところはどんどん教えてあげて、「できる」という自信を持たせてあげましょう。

12月の中旬ごろ、学校の学習やまとめのテストが一段落した頃から、このブログでは「ここでしばらく、学習に追われてきた気持ちも体も休めましょう」とくり返しお話して来ました。ここ10日程の間の休息が、ここから生きてくるのです。冬休みに、上手に生かしていきましょう。親御さんもお子さんも少しゆったりとしたところで、冬休みは的をしぼった学習を穏やかに規則正しく進めていきましょう。
(つづく)

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なかのひと

361.祝日

361.祝日
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 今日は祝日、「天皇誕生日」でした。1月からの1年間の祝日の学習に向けて、12月は、12月の中にある特別の日程について学習しました。

 生徒さん共通には、
 ・クリスマスイブ 12月24日
 ・クリスマス   12月25日
 ・天皇誕生日   12月23日
 ・大晦日     12月31日
 ・大掃除     12月  日(お家で相談して決めてね!)

 個別には、学校行事や終業式などが入れられます。

 この中で、もっともイメージしにくかったのが「天皇誕生日」です。「誕生日」はよくわかっていても、「天皇」というのは改めて聞いたり書いたりするのは初めて、という生徒さんもいました。

 国の象徴と言ってもいっそう分かりにくくなりますので、「日本の国の王様」とでも言えばイメージできるでしょうか?

 何よりも、「天皇誕生日には一般参賀の様子がテレビで報道されますので、それをご覧になるといいですね」と親御さんにはお話し致しました。今からでも、遅くありません。きょうのニュースを録画してお子さんに見せてあげられるといいですね。明日新聞でも報道されるでしょう。ネットでは、まず報道写真を見つけることができるでしょう。

 これからの1年間、祝日のたびに出来る範囲でお子さんにその意味を教えていってあげることは、社会に目を向ける楽しい学習の機会となります。しかも、

・進度に追われる教科の学習と違って、お互いにゆとりをもって取り組むことが出来ます。
・本やネットなどで、いっしょに調べる楽しみを経験するとが出来ます。
・お互いに新しいことを知って、知る喜びを共有することができます。

 どうぞ、明日もう一度、今日の祝日のことを話題になさってみてください。

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360.冬の先には、春

360.冬の先には、春
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 今日22日は、「冬至」。昼がもっとも短く、夜がもっとも長いと言われている日です。それなら、明日からは少しずつ日の出が早くなるのかと思っていたら、半月ほどのずれがあるそうです。もうしばらくは、日の出の時刻は日に日に遅くなっていくようです。

 しかし、日の入りは何日か前から、少しずつ遅くなってきています。つまり、いつまでも日が長い6月や7月に向かって、日は既に少しずつ延びてきているのです。冬の真っ只中に、この事実はとてもうれしいことですね。気持ちが春に向きます。この冬の先に、あたたかい春の光がほっこりと見えるような気がします。

 春からの就学に不安を持っているお子さん。
 年明けの受験の結果を待っているお子さん。
 体や心のバランスを少々崩しているお子さん。
 病気療養中のお子さん。
 引きこもりがちなお子さん。
 就職先を探している方。

 ・・・今は大変でも、少し先のほっこりと明るいもの、ほっこりとあたたかいものを感じながら、過ごしていきましょう。ゆず湯で体を温めるように、一息ついて気持ちを温めましょう。もうすぐ学校も冬休み、2学期の緊張をほぐし、やわらげましょう。2学期は、運動会や学習発表会、お遊戯会、演劇会、音楽発表会、展覧会や合宿、行事もいろいろありましたね。それらの緊張をほぐし、やわらげましょう。急がばまわれ、ここで体も気持ちも休めることが、次の元気、次の活力へとつづきます。

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359.リクエストテーマ

359.リクエストテーマ
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 教室では毎月テーマを決めて、絵画や工作、読解テキストなどにおいて特集を組んでいます。そのテーマは、季節や行事、話題のもの、動物・植物・魚・鳥・・・などのカテゴリーから選ばれます。生徒さん方がいろいろな対象に触れ、描くことを通して何かに気づき、新しく知り、さらに探求し、というように興味を持ち、コミュニケーションをとり、不思議に思ったり驚いたりと気持ちを動かし、体験や行動の範囲を広げられることを目的としています。

 こちらが用意したテーマの他に、生徒さん自身のリクエストによる飛び入りのテーマもあります。

 先月は「レッサーパンダ」でした。遠足といえば千葉市動物公園がポピュラーな津田沼教室からのリクエストです。後ろ足で立ち上がるという風太くんが一時話題となったあの動物園です。どこかの教室でリクエストに上がったものは、どの教室でもとりあげます。

 今月のリクエストは「シマウマ」でした。何かで行動のリズムが崩れたり、やや情緒の安定を欠いて、スムーズに学習に入れないようなことが時にあります。そんなときに「これがあれば」というキーのなるものがあります。ある生徒さんにとっては、そのキーが「シマウマ」だったのです。「シマウマを描こう!」という促しで、学習に入ることが出来るのです。

 もちろん言葉がけだけではなく本当にシマウマを描き、いっしょに楽しみ、気持ちの交流をはかり、よい情緒の流れと安定をはかるのです。

 来月のリクエストテーマは「ハクチョウ」です。お父さまとタンデム(2人乗り自転車)でしばしば遠出をし、多摩川でアヒルを見たのがきっかけでしょうか、アヒルやハクチョウにとても興味のある生徒さんからのリクエストです。

 タンデムでの遠出は生徒さんにとっては何よりの楽しみなのだと思いますが、お父さまのこぐペダルの動きに合わせて自分の足も動かしながら、首を左右に振りながら、風景や目に停まるものを眺める、手こそそれほど動かさないのでしょうが、まるでパターニングに匹敵するようなトレーニングでもあります。

 四季折々の風景の中、外の空気を吸いながら、体を動かし、「アヒル、アヒル」と会話をし、好きなものや興味の対象が広がってくる・・・すばらしいですね。 

 生徒さんからのリクエストテーマや、生徒さんの様子やまたご家庭からのお話にヒントを得た講師からのリクエストテーマには、生徒さんの気持ちに直結する大きな力があります。それらのリクエストテーマは、思いの外、ほかの生徒さんにとっても大きな力になっているのです。学習へのモチベーションを高め、学習意欲をそそり、理解力をも高めます。感情も豊かにさせます。何より、安定した行動と情緒を取り戻す契機となります。

 生徒さんの本当に必要なもの、今必要なものに応えるような療育を心がけていきたいものです。そこからは私達講師も新鮮な驚きや発見など、大きな力を得ているのです。
 

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354.冬休みの前に

354.冬休みの前に
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 冬休みまで、あと10日ほどですね。定期テストはもちろん、学期末の締めくくりのテストなどももう終わった頃でしょうか。でしたら、実りある冬休みを向かえる準備をしましょう。そのためにはここで、勉強をはじめ、毎日終われるような生活を仕切り直すことを心がけましょう。

 この期間は、ゆったりと生活リズムを整えることに主眼を置いてみてはいかがでしょう。基本は、早寝早起きです。当たり前でおもしろくもない、と思われるかもしれません。でも、ゆったりとゆとりのある生活は、早起きから生まれます。そして、早起きのためには当然、早寝が求められます。

 早起きをして、あわてずに、時間にせかされずに一日を過ごせれば、親御さんはイライラすることもなく、お子さんは小言を言われたり叱られたりすることもなく、お互いに気持ちよく夜を迎えることが出来ます。一日の感謝の気持ちさえ湧いてきます。

 明日の用意ができたら、ほんの少しお楽しみの時間を持って、床に就く。そうすれば、寝ることさえ楽しみになります。この10日間の中には、祝日もあれば、クリスマスもあります。とにかく、親御さんもお子さんもゆったりと楽しく休息のときをもちましょう。からだも気持ちも休めましょう。冬休みを大切に過ごすための、
仕切り直しです。

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344.イチョウの葉っぱ

344.イチョウの葉っぱ
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 あすから12月というのに、木々の葉は赤に黄色にとまだまだその美しさを楽しませてくれています。

教室では、イチョウの葉を折り紙で切って、貼り絵をしました。黄色は白い机の上に1枚取り出しても、それだけでまぶしいほどの色ですね。その印象をもって、きのう本もののイチョウを見ると、さらにその色の輝きに驚きました。落ち葉の黄色もまるで雪の世界かのようにまぶしく輝いていました。黄色がこんなにも目から顔面にそして体の中に飛び込んでくるようなインパクトのある色かと、あらためて感じました。

 生徒さんの中にも黄色の好きな方が少なくありません。ある生徒さんは、いろいろな黄色でイチョウを描き、その下の道も全部黄色で塗ったと聞きました。

 秋から冬の一日、お子さんとイチョウの葉っぱを1枚1枚拾って集めてみてはいかがでしょう。1枚拾っては袋に入れ、また1枚拾っては袋に入れる・・・。「1枚ずつ」という体験をしてみましょう。こんなそぼくな動作が、私達の生活環境に
たくさんある「1」ということを感得させてくれます。すべての独立したものには、個数があります。1個であつたり、2個であったり・・・・、それが少しであったり、たくさんであったり、かぞえきれないほどであったり。

 1枚、1枚、1枚、1枚、1枚・・・、1枚がたくさん集まって、「たくさん」になる。数概念より以前の数感覚は、幼児のような遊びの経験を通して獲得されていきます。1つずつ箱にものを入れたり、箱からものを出したり、右にあるものを1つずつ左に移したり、1つずつ何かを並べたり・・・。

 1個、2個、3個・・・という個数の前に、1個ずつをたくさん経験して数感覚を身につけていくことは数学習の素地作りとしてとても大切ことです。そこを飛び越えて個数の学習に飛び込んでしまうと、数概念の獲得がなかなか容易ではないことがあります。

 遊びを通して「1個」の体験をくり返し積み重ねていきましょう。1個ずつ手にものを握って移動させる、幼児が夢中になって行うこの際限のない動作のくり返しが、実は数学習の基礎として欠かすことのできない大切な体験となっているのです。

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333.厚い参考書

333.厚い参考書
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 「物知り」のつづき、学究肌の生徒さんのひとりです。
 ちょうど先週の授業のときのこと。担当講師の都合で、いつものパソコンの授業はなしで勉強だけとなりました。当日になりましたが、その旨を予め生徒さんにFAXでお知らせしておきました、
 「今日はパソコンの授業ありません。ですから、パソコンは置いてきてください。勉強だけ行います。急なお知らせですみませんが、よろしくお願いします」。いつもノートパソコンを、時にはプリンターまで持ってくるのです。

 その日教室で待つていると、急なお知らせにも躊躇なく対応し、パソコンは持たずに来ました。しかし、重そうな鞄です。中から自信たっぷりに取り出したのは、参考書や問題集です。FAXに「勉強だけ」とあったので、今日こそとばかりに持ってきたのでしょう。

・小2用の計算ドリル:全部やり終えてあります。筆算は繰り上がりや繰り下がりを行った鉛筆の形跡があります。横式の計算は電卓を使ったとのこと。

・漢字検定10級の問題集:途中まで書き込んであります。

・中学社会実力アップ:これは分厚い参考書です。地理・歴史・公民の分野別にかなり詳しくまとめられています。一番の興味はこの中の歴史だそうです。どこを勉強したいのかと尋ねると、「昭和」とのこと。「おばあちゃんが大正生まれで、ぼくが昭和生まれなんです」、昭和を選んだ理由はそこにあるようです。独特の切り口ですが、自分の生まれた「昭和」について知りたいというのは肯けることです。学ぶ動機付けの原点が自分にあるというのは、大したものです。

 これらの問題集や参考書は親御さんが用意されたものではなく、自分で本屋さんで見つけて購入したものです。こちらが指定したものでもありません。自分の今の学力もよく心得ています。学年へのこだわりもありません。

 そして、興味のあるところを満たしてくれる参考書がどれであるかもよくわかっています。きっと真剣な顔つきで、書店にずらっと並んでいる本の中から選んできたのでしょう。これほどの意欲はどこから生み出されるのかと、感心します。

 こちらも、この努力と向学心に十分に応えていかなくてはなりません。まずは、日本の歴史の縦軸として、縄文・弥生時代から大正・昭和・平成と時代の並びを示し、昭和がどこに位置するのかを理解出来た上で、横軸として昭和を取り上げようかと考えています。学習の進め方も、最初はこのくらい大雑把です。舵取りをしながらも生徒さんの反応で行方は定まっていきます。さあ、楽しみです。
 

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