50.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:考える!

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

50.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:考える!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。

 わかれば学習も楽しいのに、「わかる」ことから子どもを遠ざけている原因の
 5つめ:「本人がわかろうとしない」

 これは、すでに学習嫌いになってしましている場合と、「考える」ということがわからない場合、また疲れていたり学習環境が整っていなくて学習する気にならない場合とがあります。

 後者については、「学習体制」を整えるというテーマで先日(10月22日)考えました。前者2つについては、これまでに考えてきた原因の1~4を考慮に入れつつ、ゆっくりと寄り添って学習に付き合ってあげることです。

 特に「考える」ということがわからない場合、子どもはどのように頭を使っていいのかがわからないのです。いわば頭が働かないのです。スポーツを行う前のウォーミングアップのように、「考える」前のウォーミングアップをしてあげましょう。

 その子どもにとって、
・簡単に読めるものを読む
・簡単にできる計算をする(計数=数えることでもOK)
・簡単に書ける単語や文字や漢字を書く
「読む」「書く」「数える」の学習の基礎機能を働かせるような課題です。
 ※造形リトミックでは、「リズム造形」や「歌唱言語法」「歌唱数量法」が
  その役割を担っています。

 頭や目や耳、体(姿勢・意識)が目覚めてきたら、「思い出す」という記憶・再生の機能を働かせるような課題を行いましょう。

 午後に学習するのでしたら午前のことを、午前に学習するのでしたら昨日のことを思い出させるようなインタビューをしましょう。
 
 食べたもの・見たテレビ・何して遊んだの・だれと遊んだの・どこに行ったの・・・。子ども自信や子どもの生活に優しく関心をもって尋ねましょう。心理テストの問のようにではなく、共感的かつ同調的に。その楽しい会話自体がお互いの気持ちを和ませてくれます。

さてそろそろ、学習の本題に入りましょう。算数の文章題や国語の文章読解問題。「一緒に読もう」からはじめ、「一緒に考える」といったペースで進めましょう。
苦手意識を持った子どもに、はじめからわかることを期待しすぎてはなりません。答えを教えながら、書き込ませていきましょう。「教えてあげて、書かせる」、当初はそのくり返しでいいのです。

 その間に子どもは、答え方や考え方を少しずつ学んでいきます。やがて「ちょって待って、考えてるから」と言うようにもなれば、大したものです。「・・・だから、・・・なんだよね」と、時に少々とんちんかんな理由づけのこともありますが、すぐに訂正させずに「うーん、そうだよね」と肯定してあげます。せっかく考えたのですから。

 「わかる」から子どもを遠ざけている原因、数回にわたりいろいろ考えてきました。あと、少しです。

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なかのひと

nan

49.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:仕切り直しを!

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49.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:仕切り直しを!
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 おはようございます。

 わかれば楽しいのに、「わかる」ことの妨げとなっている原因の4つめ:
 「わからないところに次々と課題が出されてしまっている」

 こういう問題を抱えてしまっている子どもはどちらかといえばまじめで、学習に取り組もうという気持ちを持っている子どもです。しかし、やってもやっても効果が出ず、やがては学習がストレスとなり、自信をなくしたり、何もかもやる気が出ない、・・・というようにさまざまなマイナスを生んでしまいます。

 どこかで1回区切りをつけましょう。仕切り直しです。では、どのように仕切り直せばよいのでしょうか?

・一週間の生活表を作って、生活の中に学習時間をきちんと設定し直しましょう。 しかも短めに。
・科目を絞りましょう。教科の学習であれば、まず1科目に。「わかる」というこ とを経験するためです。
・1科目の中でも、問題のタイプ別または難易度別に学習の範囲を絞りましょう。 100%をねらわないことです。半分でも3分の1でもいいですから、確実に「わ かる」ところを作りましょう。

 「ただでも勉強時間が足りないのに、短めでもいいの?」「えっ、ほかの科目はどうするの?」「悪い点でもいいの?」と思われるかもしれません。しかし、だらだら勉強していても成果は上がりません。全部の科目がわからないよりも、1科目でもわかるほうが良いのです。また、まるで「0」よりも少しでもわかる方が良いのです。

 ボーダーの子どもが普通学級で次から次に課される学習課題と奮闘している間に、知的にはよりハンディの重い子どものほうが確実に学習力をつけている、というような例もあるのです。たとえ知的ハンディがより重くても、その子どものペースでじっくりと楽しみながら学習を進めていけば学習力は付いていくものです。

 学習の取り組み方によっては、生き生きと確実に学習を積んでいけそうな子どもが、あふれる課題と課題の出されるスピードに追われて潰されそうになっているのは、見ていられないものがあります。

 一度、仕切り直しましょう。「やらなくちゃ、やらなくちゃ」「できない、できない」というストレスから解放されれば、学習態勢は高まりますし、集中力は増し、「わかる」ことが増えてきます。わかれば、持続性も増し、学習の範囲も少しずつ広がっていきます。このように、仕切り直すことによって、プラスの回転を作りましょう。

 私が相談業務のほとんどのケースで申し上げているのは「学習の妨げになっているのは、ハンディよりもストレスですよ」ということです。しかしこのストレスは、周りの対応によって軽減してあげることはできるのです。

 親御さんも講師も、対応の仕方や指導の仕方を定期的に振り返ってみましょう。子どもの近い将来、遠い将来を見据えながら。

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なかのひと

48.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:つまずきを把握する

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 わかれば楽しいのに、「わかる」ことの妨げとなっている原因の3つめ:
「どこでつまずいているのかを発見しようとしない。」

 これは前回の「原因の2つめ」と表裏の関係にあります。なぜならば、学習のつまずきの原因は、その学習の「基礎機能」が十分に獲得されていないことにあるからです。または、前の段階の学習課題が理解できていないことにあるからです。

 親御さんからも教室の講師からも問題としてあげられることに、「字がきたない」「マスからはみだす」ということがよくあります。
 どこでつまずいているのか、検討してみましょう。

・再三「きれいに書きなさい!」と言われて、子どもがイライラしていませんか?
・再三「はやくやりなさい!」と言われて、子どもがあせっていませんか?
・一度にたくさんの文字を書かせようとしていませんか?
・文字の構成(たて・よこ・ななめ・くるり)がわからないうちから文字に取り組 んで、文字への苦手意識や拒絶感を持ってしまっていませんか?
・手指は分化して十分に機能していますか?

 子どものイライラやあせりは、こちらの言葉がけや態度、対応の仕方で徐々に緩和されます。

 一度に文字をたくさん書かせようとする、子どもは「文字を書くことは大変なこと」という認識を持ってしまいます。書くことに不慣れなうちは、書く量を加減してあげましょう。

 線(画)の構成がわからないうちに文字を書かせると、子どもは一文字を書くのに相当な集中力と神経を要してしまい、これも一文字書くことが重労働となってしまいます。まず、縦線や横線の模倣、十字形の模倣、それらとまるの組み合わせなどを大きくきれいな色で楽しく描く学習を繰り返し行わせてあげましょう。「見る」という学習の基礎機能を十分に育ててあげることです。

 鉛筆を正しく持つほどに手指の機能が発達しているでしょうか。腕で書く段階から、手首から先で各段階、手指で書く段階、お子さんはどの段階にいるでしょうか。マスの中にはみ出さずに書くためには、手指を器用に動かして書くことができなくてはなりません。まずは「書く」という学習の基礎機能を十分に育ててあげることです。

 つまずきを発見する、どこで子どもがつまずいているのか分かれば、指導者も納得して学習を進めてあげることができるのです。

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47.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:学習機能を育てる

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 わかれば楽しいのに、「わかる」ことの妨げとなっている原因の2つめ:
「見る・聞く・読む・書く・数える・覚える、という学習の基礎機能が形成されていない。」

 「わかる」ためには、学習の基礎機能が備わっていなくてはなりません。造形リトミックの創始者である玉野良雄は、「特殊教育は0ステップの教育です」とかつて言っておりました。「読み・書き・数える」という学習の第1ステップの前に、まず第0ステップの教育が大切です。

 発達テストに「垂直線模倣」という課題がよくあります。検査者が子どもの前で縦線を描いて見せ、「これと同じように描いてください」という課題です。「そんなの簡単!」と思われるかもしれませんが、知的障害や発達障害の子どもは、そこでつまずくことが少なくありません。

 この課題をクリアするためには、どんな機能が備わっていなくてはならないのでしょう。

 ・学習態勢(机に向かって取り組もうとする意識)
 ・指示に向かう力(相手に注目し聞こうとする意識)
 ・指示を理解する力(言語理解力・判断力)
 ・見る力(中心視・焦点化)
 ・何が描かれているかを見る力(認知力)
 ・長さや方向などそこから情報を得る力(認識・分析力)
 ・記憶する力(見てから、記憶して描く)
 ・描く力(筆具を持つ機能、目と手の協応性)

 ざっと並べてもこのくらいあります。これらの基礎機能を形成せずに、「縦線くらい描けるでしょ!」「ほら、よく見て!」「もう1回!」というような指導が行われると、「わかる」「できる」どころか、学習嫌いになってしまいます。

 まる・3角・4角など図形の弁別ができていないのに、名称を教えようとする指導。
 手指がまだ分化していないのに鉛筆持ちをさせようとする指導。
 手指での書字がまだできていないのに、マスの中に書かせようとする指導。

 毎日の学習において、このような無理を子どもに強いてしまうという誤りはないでしょうか。

 今日のテーマである原因の2つめは、原因の3つめ「つまずきがどこなのか見つけられていない」と表裏の関係にあります。次回に、もう一度逆の視点からも考えてみたいと思います。

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46.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:意識の態勢

46.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:意識の態勢

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 学習態勢、体の態勢が整えられたら今度は意識の態勢です。机の上の学習の課題に、意識を向けさせるためにはどうしたらよいでしょう。

 まずは、机の上に目を引く課題、気を引く課題を広げておきます。こちらから何も言わなくても、子どもが「何だろう?」と思うような教材をです。

 造形リトミックの教室では絵を描くことを基礎教育として行っていますから、絵画から学習に導入することがよくあります。一人ひとりの子どもの好きな絵をパステルカラーで描いたものをトレース用教材として広げておきます。

 その絵は、果物だったり、かわいい動物だったり、大好きな乗り物だったり・・・。課題にするものの写真を画用紙の片隅に貼っておくことも、効果的です。

 学習を絵画(リズム造形・歌唱造形)から始めることの理由はそれだけではありません。音楽に乗って、歌いながら描くことは、気持ちや体に「整ったリズム」を生じさせます。またメロディを感じることによって、気持ちや意識が活性化されます。

 その上、歌うことや描くことを通して、微細な動きを引き出し活発化させます。言ってみれば、学習をはじめるに当たってのウォーミングアップです。そこから学習への意識が集中していきます。毎回の学習のはじめも、「楽しい」から、「簡単」からのスタートです。

 学習がスタートしたら、生徒さんの様子を見ながら指導に変化をつけていきます。課題を深めたり、少しやさしくしたり、具体物やパソコンを使ったり、書く(描く)ことを続けたら、話すこと(発声)に変えたり。

 生徒さんの無理のない集中時間を知って、課題を転換していくことも大切です。

 幼児や小学校低学年頃までは、学習の態勢作りが目標の半分を占めることが少なくありません。そこであせらずあわてず、いらいらせずに、上記のような工夫をして学習態勢を育てていけば、その後の学習はとても楽になり楽しいものとなります。

 教師の多くの生徒さんは、ブースに入り何も置いてない机に向かって講師とのご挨から学習を始めることができます。走って教室に来てくれたり、学校を休んでも教室に来てくれることは嬉しいことです。

 このようにすれば、1ヶ月(4回の授業)も経てば幼児でも40~50分の授業に取り組めるようになります。

 ご家庭では、はじめはもっと短い時間で構いません。5分・10分・・・からはじめましょう。プリント1枚・2枚・・・からでもいいのです。

 教室から、宿題も出しますが、「叱らないでやってきてくださいね」「子どもさんが、宿題中にふらっといなくなったら、そこまででいいですよ!」「お母さんが叱りたくなったら、そこで宿題ストップ!でいいですよ」と言葉を変えその点、繰り返し念を押しています。

 この約束を守ってくれたご家庭のお子さんは、本当に喜んで学習に取り組んでいます。楽しいから宿題もがんばれる、だからお母さんも叱る必要がない・・・というプラスの循環が生まれます。

 学習意識の態勢を育てる、はじめはこちらの工夫と辛抱が必要ですね。

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45.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:学習態勢を作る

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 学習、「わかる」ためにはその妨げになっている要素を書き出してひとつずつクリアしていきましょう。

 いつ?どこで?どのくらい?という、学習の体制作りについて昨日は考えました。今日は、学習に取り組む本人の態勢の問題です。学習態勢。

 机に向かっていても気持ちは他所に、ということがあります。気持ちを学習に向けさせるためには、まず形(姿勢)から入っていきましょう。といっても、「背中を伸ばしなさい!」と叱り付けるのではありません。

 椅子はきちんと引けているでしょうか。椅子の高さは調整されているでしょうか。その上で、「背中を伸ばしましょう」と促します。「背中を伸ばす」「良い姿勢をとる」という意識を育てていくことは大切です。毎日の積み重ねで、姿勢を保持する神経の働きと筋肉の働きを少しずつ高め、活性化することができるからです。

 ただこの姿勢も、その子どものできる形、一番学習に取り組みやすく楽な姿勢でよいのです。特にハンディを持つ子どもの場合は身体的問題(筋緊張、筋力、側湾症・・・)に配慮しなくてはなりません。姿勢の保持ばかりに意識を使わせてしまっては、学習どころではなくなってしまいますから。

 さて、体の態勢がとれたら、今度は意識の態勢です。(あしたにつづく)

nan

44.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」:学習体制を作る

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 「わかる」ことは楽しいのに、「わからない」ことはストレスになります。昨日は、彼らを「わかる」ことから遠ざけているのもの、その原因を考えてみました。

 今日は、原因の1)「学習する体制ができていない」について:

 ならば、「学習する体制」を作りましょう。そのためには・・・
 まず生活のリズムを見直しましょう。1日のどの時間帯ならば学習が可能か。疲れていない時間帯、周囲も落ち着いている時間帯、どなたか付き添ってあげられる時間帯。一日の生活表を作って、お子さんと一緒に考えましょう。
 
 お子さんも、大人の都合で「さあ、今から勉強よ!」と突然言われるより、心積もりができてスムーズに学習に入れるでしょう。時刻や時間を体験する学習にもなります。

 次に、お子さんは1日にどのくらいならば学習が可能か、考えて見ましょう。5分・10分・15分・30分・1時間、それ以上。無理をしないことです。短い時間から始めましょう。はじめは学習に向かう習慣を作ることが目標ですから。

 プリントを1枚とか、学習の量で決めても良いでしょう。

 さらに次に、どこで学習するか部屋やコーナーを考えましょう。整理整頓して、座ればすぐに学習できる場所を考えましょう。しかも、その場が好きになるように工夫しましょう。
 
 「ここがあなたの場所ですよ」ということを暗に明示し、さらに楽しくて好きな場所になるように、お子さんの好きなものの絵や写真を貼ってあげましょう。また好きなものをワンポイント置いてみるのもよいでしょう。いずれも学習の妨げにならない程度にです。お子さんと楽しく場所作りをしましょう。

 消しゴムがひとつ新しくなっただけでうれしかっっというような思い出はありませんか?何でもいいですから学習への気持ちをそそるものをひとつ新調しましょう。安いお店を利用して買い物学習もかねて、お子さんの気に入ったものを選びましょう。

 このように、まず準備の段階からいっしょに楽しく行うことが大切です。ここで決して叱ってはいけません。小言もいけません。

 それでは、スタートしてみましょう!

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43.どんな時に楽しいか?(1)「わかる」

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 今までわからなかったことがわかると、それは楽しいですよね。 
子どもにとっては、学校の勉強がわかる。大人にしても、パソコンやソフトの使い方、デジカメや携帯電話、新しい機械の使い方がわかると楽しいですね。

 小さな一歩からでも、わかることは楽しい。人を前向きにさせ、次への意欲をもたらします。

 ではわからなくて悩んでいる子どもたち、何が彼らを「わかる」ことから遠ざけているのでしょう?それには、いろいろな原因が考えられます。

・学習する体制ができていない。
・見る・聞く・読む・書く・数える・覚える、という学習の基礎機能が形成されていない。
・つまずきがどこにあるのか、その所在が見つけられていない
・わからないところに、次々とその上の課題が出されてしまっている
・本人がわかろうとしない
・教えてもらう環境がなかった
・聞いたらバカにされた
・わからないと叱られた

 原因がつきとめられれば、その手立ても考えられます。
ではそれぞれの問題についてどのように対応すればよいのか、
明日はそんなことを考えてみたいと思います。

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42.ちょっと一息 (ペットについて)

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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 私は子どものころ、犬2匹、猫数匹、ウサギ数匹、リス、アヒル・・・といろいろ飼っていました。それぞれ特徴があって面白かった。とてもいい思い出です。アヒルが犬をお父さんだと思っていつも後ろを付いて歩いてました。アヒルが通りがかりの人の買い物袋の中のキャベツなど葉物をつついて困ったこともありましたが、笑い話です。今は、小型犬プードル(11歳)を飼っています(まだプードル人気のまえのことですが)。W.ディズニーもプードルを飼っていたそうですね。

私と同じく動物好きの息子のたっての希望で、お店にいたちょっと大きめで値引きのプードル選びました。子どもにとって、小さくても夢がかなうことはとても大切です。

 「レイダ」と名づけられたこの犬、いやパートナーは私の近くに一番長くいます。私は自分が大のおやつ好きですので、何か食べる時はいつも必ずレイダにも少しあげます。お風呂は私の係り、トイレも私が多いですか。犬は感心するほど忠実です。近くにいるとほっとします。

 私は特に、犬族は好きです。ですから、親戚筋のオオカミも大好きです。この2種のことは、どちらも尊敬しています。犬とオオカミはそもそも同族でしたが、それぞれに強い思いがあって種として分かれていったのではないかと私は考えています。昆虫も植物も、すべての生き物はそうなのではないでしょうか。

 まず、「オオカミ」は本来自然界での狩人です。肉食で集団行動をとります。トラやライオンほどの力はありませんからチームワークで生きているのです。リーダーは常に、先陣きって闘うと聞いています。平均寿命は5~6年。自然界は厳しいですね。これが自由の代償です。伝統と誇りを感じます。

 モンゴルではオオカミは害獣ですので、イヌワシを使って狩をします。まず馬賊が追い最後にイヌワシが空から、追い詰められた1頭にトドメをさします。そのオオカミが絶命する瞬間に、「仲間は逃がしたぞ」というような声が聞こえてくるのは私だけでしょうか?

 *最近知りましたが、野生のオオカミでも種類によっては人に危害を加えず、少しずつ時間をかけて近づくとなつくことを知りました。頭が良くむやみに争わない姿勢に、さらに驚きと尊敬の念がわきました。

 一方「イヌ」ですが、彼らはまったく逆の生き方を選択したように私は感じます。「闘い」ではなく、「友好、信頼、忠実、愛」に生きることを選びました。彼らも尊敬に値します。その恩恵は平均寿命が10~12年です。言葉を理解し、信頼を持ち、忠実で、愛に生きる。私には、ペットという言葉が「パートナー」と聞こえます。

 何か、人間が失いかけているものを感じます。「かわいい」「笑顔」「おちゃめ」「元気」「くいしんぼう」「前向き」「いつもいっしょ」・・・良いイメージが次々にわいてきます。
 
 犬はきっと、子どもたちの良きパートナーともなるでしょう。もちろん、手間はかかります。しかし、犬から得るものはその手間よりもはるかに大きいでしょう。

 「友好、信頼、忠実、愛」に生きる犬、彼らは全身で喜びを表現します。療育において、子ども達にとっても、親御さんにとっても、療育者にとっても、心の安らぎと充足が何よりも必要なのです。

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41.心の軸(5)期待に応える

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「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 療育に携わる私たちにとって、最高の報酬は「生徒さんの満足感や達成感」であり「親御さんの喜ばれる声や姿」です。私が大学院で教えていただいた恩師は、「親御さんからの感謝の言葉だ」とも言っておられました。

 そんな心の報酬は、具体的にはこんな形で得させて頂いています。

 ・お子さんが毎週楽しみに通ってきてくれる
 ・走ってきてくれる
 ・学習に真剣に集中して、鼻息が聞こえてくる
 ・教室の教材(絵かき歌、言語教育の歌、問題解決の歌、工作、パソコンソフトなど)を楽しんでくれて、さらに出来なかったことが出来るようになること
 ・生徒さんや親御さんと講師の間に信頼が生まれる
 ・講師が生徒さんを大切にしている
 ・講師が生徒さんの期待に応えられた
 ・講師が創造的に療育に取り組んでいる
 ・・・・

 日々経験しているこんなプラスの状況をイメージしながら教育法の開発を続けていると、開発者には常の「生みの苦しみ」の中にも、大きな喜びと楽しさがあります。

 あるとき小学生の生徒さんから、手紙をもらいました。

「たまのせんせいえ

 こんどの絵かき歌は、新幹線(0系)・かもつれっしゃ・とうざいせん・やまのてせん・とっきゅうあずさ・じょうききかんしゃ
 のうたをつくってください。」

 鉛筆をにぎって一生懸命に書いたようすが目に浮かびます。また、電車へのワクワク感や「描きたい!描きたい!」という気持ちもビンビン伝わってきます。

 先月のテーマ「鉄道」のきっかけはこの手紙でした。

 「期待に応えたい」、これが私たちの研究所を支えている大きな力です。

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