80.もうじきクリスマス

知的障害・発達障害教室の造形リトミック教育研究所

80.もうじきクリスマス
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
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*ちょっと簡単からのパートナー  

 おはようございます。

 あっという間に、もう12月です。寒さが日に日に増してきますが、12月にはたくさんの楽しみがあります。カレンダーに書き込んで、ひとつひとつ楽しみに指折り数えて待つのもよい経験です。

 クリスマスイブ・クリスマス、終業式、みそか、大晦日。祝日も入れれば、天皇誕生日。これらを、カレンダーに書き込んでみましょう。

  まず、お子さんに合わせて何の日を書き込むか選びましょう。クリスマスイブとクリスマスの違いを教えたいと思われたら、両方書き込んでみましょう。まだ両方教えると混乱すると思われたら、クリスマスだけにしましょう。みそかと大晦日についても、同様です。両方選ぶか、大晦日だけにするか決めましょう。

 カレンダーは、文字盤の大きさがA4かB4くらいが良いでしょう。文字で書き込むのならA4、絵で書き込むのならB4が適当です。

 お子さんによっては、理解しやすいのはクリスマスだけということもあるかもしれません。しかしそれだと1ヶ月にひとつになってしまい、指折り数えて待つには、期間が長すぎてしまいます。それならば、クリスマスをもっと分割して書き込みましょう。そして、絵で示すのなら、こんなふうにしましょう( ⇒の右を参照 )。

・クリスマス前の家の中のお掃除⇒掃除機や掃除道具の絵
・ツリーを飾る日⇒ツリーの絵
・みんなのプレゼントを用意する日(お買い物)⇒買い物、プレゼントの絵
・クリスマス⇒サンタクロース、プレゼント、ケーキ、ごちそう、パーティ・・・の絵

 ダイニングテーブルのような大きなテーブルの上で、お母さんがリードしながら、絵を描いたり、絵を切ったり貼ったり、お話しながらこんな作業はいかがでしょうか?文字や数、国語や算数だけが学習ではありません。

 1ヶ月というタイム・スパンの中で、あと10日、あと5日、あと3日、もうあした、という時の流れを一緒に感じさせてみましょう。カレンダーは、時の流れを目で見てわかる形にしてくれます。

 それらが、すぐに結びついて理解できなくてもそれはそれでいいのです。折にふれ、そんなことを経験させていくといつか結びつきます。共に楽しむことを優先しましょう。教えようとしないことです。

 「あしただね。楽しみだね」と、「待つ」気持ちも共有しましょう。「プレゼント、うれしいね」「○○も喜んでくれたね」「おいしいね」など、いろんな気持ちを自然な感じで表現して共有しましょう。

 師走とは言え、暮れの押し迫る前のひととき、お子さんと少しゆったり過ごしてみてはいかがでしょう。

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79.楽しく宿題!(7)まとめ

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79.楽しく宿題!(7)まとめ
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 おはようございます。

 宿題を楽しくこなす方策について、具体的な課題を想定して6回にわたって考えてきました。

 1)漢字の学習
 2)算数:筆算(足し算・引き算)
 3)算数:筆算(かけ算・わり算)
 4)算数:文章題
 5)国語:音読
 6)国語:読解

 他にもいろいろな宿題が出されるでしょうが、考え方はひとつです。これまでのことをまとめてみました。

・お子さんの力に合わせて、宿題はできる形にアレンジして行わせること。
・お子さんの力に合わせて、宿題の分量を加減すること。
・やり方や考え方は、充分にお手本を示してあげること。
・どんどん教えてあげること。
・宿題に完璧に取り組むことよりも、先生との約束をきちんと果たす責任感を育てることを第一の目的とすること。
・「宿題をちゃんとやった」という充実感と満足感、開放感を体験させ、その心地よさを体得させること。
・「明日先生に出すんだ!」というあしたの学校への期待感を持たせること。

 もう20年近くも前のことですが、あるお母さまがこんなふうに言われました。
「夏休みに、絵の宿題が出ているんですけど、私が左手で描いておきました」。

 私も立場上、全面的にお勧めとは言いませんが、その気持ちというか意図しているところは大賛成です。とにかく親子さん共に、宿題で苦しまないことです。宿題のためにお互いにストレスをためていっては、生活にマイナスの循環を生むばかりです。生活リズムも何もありません。

 かと言って、宿題はイイカゲンにやっておきなさいというのではありません。本当の意味で、良い加減にやりましょう、ということです。

 宿題に取り組むことが、親子のよいコミュニケーションとなるように。お母さんと一緒にやって楽しかった、となるように。遠回りに感じられるかも知れませんが、良い循環は学力にとっても良い結果を生みます。

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nan

78.楽しく宿題!(6)

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 おはようございます。

 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「読解」。算数の文章題と並んで、「読解」に対して苦手意識をもつお子さんが多いようです。両者には、言葉の理解という共通の要素がありますから、それは当然です。

1)まずは、読解の問に答えることではなく、テキストを読むことを課題として行いましょう。場合によっては、「テキストを○回読みました」ということで宿題を終わりとしても構いません。答えが埋まっていないと、お子さんが満足しないようでしたら、軽く説明しながら、答えを書き込ませましょう。

2)問も、答えることではなく、読むことを課題として行いましょう。答えさせようとすると子どもはあせります。あせっていると、説明も聞こうとしないで、正解ばかりを知りたがります。「わかる」ことよりも、答えが「あっている」ことを優先させてしまうのです。
 これも、ここまでで宿題終了で構いませんが、答えが埋まっていないと、お子さんが満足しないようでしたら、軽く説明しながら、答えを書き込ませましょう。

3)問で問題となっているテキストの文(または文章)をテキストの中のどこにあるのか捜させましょう。見つかったら、ラインマーカーで色をつけましょう。文字を一文字ずつ追うのではなく、テキストを眺めることの学習になります。宝探しのように、見つかると子どもはとても喜びます。読解の学習に取り組もうとする気持ちは、案外こんなところから生まれてきます。
 あとは、1)2)と同様です。答えを書き込ませましょう。

4)ここまでこられたら、いよいよ読解の学習となります。絵を描くことと同じように、問への取り組み方をお手本として示してあげましょう。「さあ、やっごらん」では、子どもは何をどうやったらよいのかわかりません。だから余計、あてずっぽうで答えようとするのです。

 絵が描けない子どもに「まずまーるいお顔を描いてごらん。つぎに鼻があるよ。目も2つあるね・・・」と手順を示すように、読解においても、考え方の手順を示してあげましょう。

 ※考える手順の示し方、詳しくは造形リトミックの教室ブログ(2008.11.17)もご参照ください。

5)こんなふうに答えを求めずに進めてくれば、どれだけリラックスしてテキストや問いを読んだり眺めたりすることができたでしょう?お母さんと一緒に学習することは、叱りさえしなければ、楽しいはずです。リラックスした状態で、ゆっくり少しずつ教えてあげれば、少しずつでも理解が出来るようになります。

 長く療育に携わってつくづく感じるのは、ハンディが理解を妨げているというより、あせりやストレスが理解を妨げているということです。どうぞ、宿題は楽しく進めてあげてください。お母様方が疲れないように。

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77.楽しく宿題!(5)

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 おはようございます。

 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「音読」。国語の宿題に、よく「音読」が出されます。宿題にならなくても行っていただきたい、大切でしかも楽しい課題です。

1)国語の教科書も、まずは本の読み聞かせのように読んであげましょう。大体のストーリーや登場人物がわかっていれば、お子さんが読む段になっても未知のものを読むよりはるかに取り組みやすいものとなります。

2)文字の拾い読みの段階でしたら、読む量を短めにしましょう。場合によっては、一段落だけでも結構です。その段落を数回繰り返して読みましょう。3回なら3回と決め、一回ごとにブロックを並べていくなど、あと何回読めばよいのか見てわかるようにしましょう。

3)模倣で読ませましょう。お母さんが読んだ後、お子さんがまねをして読めばよいのです。お子さんの学習段階に合わせて、文節ごとの模倣にするのか、文ごとの模倣にするのかを決めましょう。そして、とにかくなるべく声を楽しくたくさん出させましょう。教科書を目で追い、読むことが苦ではなくなり、やがては読むことが楽しくなるように。

4)お子さんも、はっきりした発音で読めれば読めるほど音読が楽しくなります。しかし、「もっとはっきり読みなさい!」と言うだけでは指示が漠然として、お子さんは戸惑います。そしてお互いにストレスがたまります。
 教科書に印をつけて、はっきり読ませたいところを明示しましょう(一文で、一箇所くらいと少なめに)。良い発音をお手本で示しましょう。

※教科書は書店で注文できます。ご家庭に音読用の教科書があれば、自由に書き込みができます。ごほうびシールも貼れます。

5)音読をしたかどうか親御さんが○をして、学校に提出するような形の宿題が時にあります。そんな場合は、お子さんのそのときの力に合わせて、聞く(読み聞かせ)・書く(書き取り)・読む(模倣または音読)のいずれかができたら、○としましょう。

 音読、つまり声を出すことは歌と同じくらい楽しいことです。しかし、つっかえながら、叱られながらだと誰でも嫌いになってしまいます。すらすら読めるように、音読が好きになるように、模倣からはじめるのは遠いようで近道です。

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76.楽しく宿題!(4)

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 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「算数:文章題」

 「文章題は苦手」と言うお子さんはたくさんいます。「得意」と言う方が珍しいくらいです。「見るだけでイヤ!」となる前に、楽しく取り組みましょう。

 10以下の数なら足し算や引き算ができるお子さんでも、2~3語の文の読解が難しい場合は、「文章題は苦手」でも当然です。そんな段階で、文章題の宿題が出たらどうしたらよいでしょうか?課題をどのようにアレンジしたらよいでしょうか?

 決して、叱らりたくない!。また、「○○までに提出する」という先生との約束は守らせたい!そのためには、こんな工夫をしてみましょう。

1)問題を読むことを課題としましょう。あとは、教えてあげながら、書き込ませましょう。
  
2)問題の内容に対して親御さんが質問をし、その答えを導くことを課題としましょう。言ってみれば「読解」の学習です。「この問題には、だれが出てくるの?」「だれのお話?」「何を買ったの」「何は、いくらだったの?」「問題は、何をきいているの?」・・・というふうに。
 あとは、教えてあげながら、書き込ませましょう。

3)式の立て方は、教えてあげましょう。具体物や数カードを操作しながら説明できれば理想的です。しかし、全問をていねいに説明すると、子どもはかえって付いてこられなくなることがあります。混乱するのです。1問だけ、せいぜい3問くらいでいいのです。式を言ってあげながら、書くように促し、書いて、
見て、読んで、確認しましょう。

4)完璧に理解させよう、教えよう、わからせようとしないことです。やってみせる、それでいいのです。ストレスを与えなければ、子どもは聞いています。苦手意識を持つことも少なくなります。

 幼いときに数を数え始めた頃を思い起こしてみましょう。私達も、はじめから数概念が形成されていたわけではありません。一緒に声を出して見よう見まねで、くり返しくり返し数えているうちに、数概念が形成されてきたのです。

5)「お母さんと楽しく勉強した」「宿題、もうできちゃった」という気持ちを大切にしましょう。お母さんもストレスをためないことです。

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75.楽しく宿題!(3)

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 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「算数:筆算」(かけ算とわり算)

1)足し算や引き算と同じように、問題が正しく読めているか、確認しましょう。
  スイスイ宿題をこなす感覚をつかませるためにも、問題をすらすらと読む学習をさせてみましょう。
  場合によっては、読んだだけで○をあげて「宿題出来上がり!」としても良いでしょう。

2)横式を筆算に直す練習をしましょう。どんどん筆算に書き直して、筆算の形態に慣れていきましょう。また、課題によってはその逆を行いましょう。筆算を横式に書き直す。
  場合によっては、それだけで○をあげて「宿題出来上がり!」としても良いでしょう。

3)足し算や引き算は計数ができれば、どうにかできますが、かけ算やわり算は九九ができなくてはどうにもなりません。九九の練習を別紙に行いましょう。九九を学習した用紙を宿題にとめて提出したのでも充分です。

4)かけ算やわり算は、計算のプロセスで位を順にずらして書いていきますから、その要領をしっかり把握しなくてはなりません。国語のマスノートのような用紙を使って、問題と解答を書き写しましょう。位取りのずれていく様子を体得しましょう。問題数は少なくても良いですから、手順をしっかり学習しましょう。

5)特にわり算では、商がわからなくてイライラするような場面を生じさせることは避けることです。商は何が立つかを教えてあげましょう。商の立て方は、たとえば「96÷32」のように横式で感覚的に把握できるまで充分学習しましょう。

※とにかく、かけ算やわり算では、1問を解くための作業数がぐっと増しますから、作業手順の習得を大きく、ゆっくり行いましょう。そのために問題数が減っても全く構いません。ストレスを生じさせずに、学習を続けることが大切です。

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74.楽しく宿題!(2)

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 宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 今日は、「算数:筆算」(足し算と引き算)

1)「○○+○○= 」「○○-○○= 」 と、問題が正しく読めているか、確認しましょう。位取りがしっかり意識されていないと、「何十何」と横に読むべき数を、縦に読むような誤りもあります。スイスイ宿題をこなす感覚をつかませるためにも、問題をすらすらと読む学習をさせてみましょう。

  場合によっては、問題を読んだだけで○をあげても良いでしょう。

2)上記と関連させて、問題を書き写す学習をさせてみましょう。筆算の構造を見るという点では、漢字と共通のところがあります。「足される(引かれる)数」「足す(引く)数」、操作の記号(+や-)。それらを見て、読んで、記憶して、再生させてみると、筆算の構造の理解ができているか否かがよくわかります。計算以前のそんなところで躓いていることがあります。

  場合によっては、問題を書き写しただけで○をあげても良いでしょう

3)「筆算の構造の理解」よりも、もっともっと基礎的な機能の確認をすることが必要なこともあります。数字の並びを的確に把握する、位を揃える。マスの中に数字を1つずつ確かに書き込めるためには、視知覚の基礎機能が要求されています。そこで躓きがあるようでしたら、その基礎学習を行いましょう。

  宿題をそんな形にアレンジして行うことも効果的です。お子さんが満足すれば、その学習を宿題にホチキスでとめて、一緒に提出すればよいでしょう。

4)やっとここで、本来の目的である計算です。お子さんにとって可能な量を設定してから行いましょう。決めた何問かは、指を使ってでも、丸を書いてでも、どんな方法を使ってでも一人で行うよう励ましましょう。

  後は、一緒に指を出してあげたり、数えるための丸を書いてあげたり、1問ずつ交代でやったり、できるなら最後まで援助を与えながらやり終えさせましょう。でも、決して無理をさせないことです。

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73.楽しく宿題!(1)

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 おはようございます。

 宿題を片付けることが、毎日、叱られることの種になっていることがあります。それでは、本末転倒です。宿題が、元凶となってマイナスの循環を生んでしまいます。学習嫌いになってしまいます。

 個別に出される宿題でない以上、宿題が実力よりもハードであることは当然あります。それならば、実力に合うようにアレンジして取り組みましょう。宿題には、復習や学習の定着という意味がありますが、それよりも何よりも、アレンジしてでも無理のないように取り組み、「先生との約束をきちんと果たす」という習慣を身につけることを一義としましょう。

 1日のスケージュールの中でほぼ決められた時間に宿題を行い、ほぼ決められた時間に翌日の準備をしましょう。自分のやるべきことは「ちゃんとやったよ」という責任感と満足感、「翌日」を楽しみにするという期待感を、宿題を通して大切に育てていきましょう。

 では、宿題を楽しくこなすのにはどうしたらよいでしょうか。具体的な課題を想定して、気楽に考えていきましょう。

 はじめは、「漢字の学習」

1)漢字の大きさは、お子さんの実力に合っていますか。
  指先の巧緻性に合わせて、大きさをアレンジしましょう。
  ・大きなマスのノートを使用する。
  ・ワークやプリントに記入する形であれば、別紙に大き目のマスを用意してそこに書き込む。それを、プリントにホチキスでとめて提出する。
  ・お子さんが別紙では満足しない場合は、別紙に練習させ、プリントには手を添えて書き込む。

2)漢字の量は、お子さんの実力に合っていますか。
  ・自力で行う量を決めてあげる。「ここまでは、ひとりでがんばろうね」と。
  ・その他は、手を添えて書き込む。
  ・宿題を2つに分けて行い、間に5分でも休憩をとる。

3)自力で書くのが難しい場合は、水性ペン(黄色など)で書いてあげ、その上をトレースさせましょう。「それだけで、ずい分楽になりました。これで、いいんですね」と言われたケースもありました。それでいいのです。

4)漢字の構造がわからない場合
  ・部首の構成がわからない場合は、少なくとも5cm×5cm位の大きさのマスに色分けしながら書くなどの、工夫した学習が必要となります。部首ごとに切って、再構成させるのも効果的です。

  ・たて、よこ、ななめの方向性がわからない場合は、やはり描画の基礎の学習を充分に行いましょう。少なくとも10cm×10cm位の大きさのマスに、たて、よこ、ななめ、十字形、放射状線を描く練習を行いましょう。教室では、「リズム造形」として基礎機能の習得を行っています。
  
  ・しかしこれらは宿題とは別に行うものです。お子さんが良ければ、それを宿題として提出してももちろん構いません。しかし、それでは「ダメ!」というようでしたら、宿題は宿題で、手を添えてさらっと行いましょう。

 こんなふうに、宿題はスイスイ、さらっと行いましょう。少し考え、少し努力することを毎日積み重ねていきましょう。楽しく・・・。そうすれば、やがてしっかり考え、じっくり努力することも可能となります

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72.生活にリズムを作る(17) 就寝 1日をふり返って

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 おはようございます。

 「生活にリズムを作る」というテーマでしばらく考えてきました。今日は、そのまとめです。

 就寝時刻を定め、早寝早起きを心がけましょう。でも、そんなことは、当たり前ですね。それができないから問題となるのが現状です。

 早寝早起きのために:

 就寝時刻だけを定時に合わせようとしてもうまくいかないことがあります。そのためには、朝からの生活全体をスケジュールに沿ったものとするように意識し、それを習慣化しましょう。

 そのためのポイントは、次の2点です。
 1)生活スケジュールをお子さんにもわかるように明示する。
 2)次のスケジュールへの移行を予告する。

 また、上記をよりスムーズに日常的に実践するためには、生活の中のストレスを減らすことです。
 そのためのポイントは、次の2点です。
 1)お子さんにとって難しいことは、適度に援助する。
 2)叱るのではなく、促す。

 ※叱って完璧に生活課題や学習課題をお子さんに行わせるより、生活リズムをスムーズに形成していくことの方がはるかに大切です。何倍も何十倍も何百倍も大切です。

 翌日への不安を解消するよう配慮しましょう。
 私達も、何か不安なことがあるとなかなか寝付けなかったり、また、早くに目が覚めてしまうようなことがあります。お子さんにしても、同様です。お友達とのこと、先生とのこと、給食のこと、体育の授業のこと、行事のこと、雷、電車の遅延、忘れ物などの失敗経験・・・ささいなことの心配や不安が、睡眠を妨げてしまいます。

 お子さんのそのような心の動きを察知してあげられるよう、お子さんとの触れ合いや会話を大切にしましょう。また連絡帳による学校からの報告や学校の先生とのコミュニケーションもお子さんの心の状態を知る大切なルートです。

 お子さんの心配や不安に気づいたら、緩和してあげられるように寄り添い、まず受容して言葉がけをしてあげましょう。説明の可能なことは説明し、「だいじょうぶだよ」と。そして、「おやすみなさい」・・・。

(※時には学校に相談するなど、具体的な行動が必要なこともありますが、個々のケースについては、教室では面談を通して対応策を考えていきます。)

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71.生活にリズムを作る(16) ゆっくりお風呂その3

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 入浴に関しての相談。

・衣服の着脱は自分でできるのに、やってもらいたがる。
・自分が入り終えると、お湯を抜いてしまう。
・何でも「やだやだ」と言って、お風呂にも入りたがらない。

 
 お風呂にも入りたがらない:

 お風呂だけでなく、何でも「やだやだ」といって拒否が多い場合は、生活全般を見直してみる必要があります。家庭での生活、幼稚園や学校での生活。また、反抗期と言われる成長のプロセスでの転換期における、周囲のかかわり方。どこかでプレッシャーがかかり、生活の流れを阻んでいることがあります。

 「何でも」と言っても、その「何でも」が具体的には何であるかを把握することにより、問題が見えてくることもあります。また、ひとつでもふたつでも拒否しないものがあれば、そこにはお子さんの実態を知る大きなヒントがあることもあります。

 1~2週間ようすを見て状況が変わらないようでしたら、信頼できるところに相談なさってみることをお勧めします。日々の生活を具体的にお話されることによって、専門家ならばどこに問題がありそうかの見当をつけることができるでしょう。そして、その対処を早めに考えていくべきです。

 お風呂だけがいやな場合。お風呂に入るという行動をその前後も含め、いくつかの行為に分けて分析してみましょう。

・お風呂に入るまでは、何をしているのか?
 それまで行っていた遊びやゲームやテレビからの切り替えがうまくいかないために、嫌がることもあります。お風呂に入る時刻を予め決め、その上で予告もしましょう。「○時になったら、お風呂よね」と。

・食事時間との関連
 食後すぐは、誰でも動きにくいものです。食休みを取れるように生活リズムを設定しましょう。

・入浴へと、どのようなことばがけで促しているか。
 「早く!お風呂でしょ!」「いつまでテレビ見てるの?」などと、威圧的にならないようにしましょう。

・衣服の着脱の技術
 まだ、衣服の着脱が充分でない場合は、適度に手伝ってあげましょう。

・閉空間への恐怖
 少し、扉を開けておきましょう。換気扇をつけて、お風呂場の熱気を緩和しましょう。

・ひとりであることの不安
 一緒に入りましょう。または、近くで洗濯などの仕事をするなど、声をかけられるところにいてあげましょう。

・お湯の温度
 一度熱くていやな思いをすると、敬遠しがちになります。水でうめるところを見せてあげましょう。手を入れて、温度を確認することを教えてあげましょう。

・水への恐怖心
 少ないお湯の量から慣れさせていきましょう。

・体を洗う、顔を洗う、髪を洗う
 できないところは手伝ってあげましょう。「ちゃんと洗えてないじゃない」的な発言は避けましょう。

・のぼせやすいか否か
 少な目のお湯、ぬるめのお湯、換気、短時間で、など調節してみましょう。

・体調、眠気
 手早く、さっと。いつも眠くなるようでしたら、入浴時間を変えましょう。

 せっかくのお風呂、衣服の着脱や洗髪などの学習の場となり過ぎないように、ストレスためずに心も体も休めましょう。

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