378.生活の中の数学習

378.生活の中の数学習

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 きのうの朝は、関東地方の各地でこの冬一番の寒さとなったそうです(読売新聞1月14日)。練馬で氷点下2.2度、横浜で氷点下0.3度、宇都宮で氷点下5.0度を記録。この寒さは18日頃まで続く見通しとのこと。

 関東地方と甲府、静岡の一週間の天気予報にも、最低気温の随所に0度やマイナスの記号が見つけられます。ざっとながめて、一番低いのはやはり宇都宮のマイナス5度でしょうか。宇都宮では今日から連日、最低気温はマイナスです。宇都宮って、寒いのですね。

 生活の中で見られる、「マイナス」。生徒さん方にも、ぜひこの「マイナス」に注目させてあげたいと思います。新聞に書かれた極々小さな文字ですが、まず集中させて見させましょう。興味があれば、どんなに小さな文字でも生徒さんは認知します。そして、大きめに罫をとって、グラフを書かせましょう。一週間の最低気温を追った折れ線グラフです。

 0度を中心に、プラスとマイナス。算数の教科書の順番からすれば、足し算や引き算がまだ十分でない生徒さんでも、マイナスの数の面白さはきっと把握するでしょう。足し算、引き算ばかりが算数ではありません。生活の中の生きた数を楽しみながら、数の面白さを実感させてあげたいと思います。

 また、中学での数学の素地として、マイナスの数に実感を持って触れさせておいてあげることも有効です。実感が持てることについては、丸暗記ではなく、理解ができるのです。逆に言えば、実感が持てないから、丸暗記になってしまうのです。

マイナスの数では、絶対値が大きくなると気温はどんどん下がる、寒くなる。グラフ上では、どんどん0度から寒い方向に離れていく。

 中学に入っていきなり、「プラス」だの「マイナス」だの「絶対値」だの、初めて聞くような言葉で説明されても戸惑いますが、グラフ作りのような作業を通してそんな言葉を聞き慣れておくだけで、数学への親しみは変わってきます。

 さあ、この寒さに震えているだけではなく、楽しく学習しましょう。

 

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376.家庭学習は整理から

376.家庭学習は整理から
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 東京でもきのうは、雪が舞いました。そんな寒い中、3学期も本格的にスタートしましたね。学期の初めは、学校からの通知のプリントも多いことでしょう。また、授業が進めば、各教科のプリントも増えていくことでしょう。

 よく親御さんから、「通知や教材や提出物の管理ができないんです」「かばんの中がぐちゃぐちゃなんです」という問題があげられます。つい最近もそのお話があり、ひとりの生徒さんと授業の中でさっそくファイル作りをしました。

 市販の透明のビニールファイル(紙ばさみ)に気に入ったイラストを貼ってビニール(ブックカバー用)をかけたかんたんなものです。教室ではパソコンからイラストを出しましたが、イラストは広告や雑誌からの切り抜きでも、絵葉書でも、また折り紙を利用したきり絵でも、自分の絵でも何でもいいのです。

 自分だけの楽しいファイルにすることが目的です。「さあ3学期は、プリントは全部このファイルに入れてこよう!」という気持ちに本人がなれればいいのです。

 ファイルはまず1冊から始めましょう。科目や用途ごとにファイルを分けることも可能ですが、とにかくプリントを鞄につっこまずに、ファイルに入れることから
練習しましょう。「何でもいいので、とにかくそのファイルに入れる」、それだけを約束にしましょう。

そして帰宅して一息ついたら、鞄の中の整理を一緒にしてあげましょう。鞄の中のものを全部出しましょう。教科書、ノート、筆箱、給食の用意、ハンカチ、そしてファイル。そのまま使うもの意外は全部出しましょう。

 教科書とノートは本立てに立てます。筆箱は所定の位置に、洗濯物は洗濯置き場に。そして、ファイルの中身を整理しましょう。まずは親御さんがリードして整理しましょう。ゆっくり説明しながら。最初は、手を動かすのは親御さん主体でいいのです。お子さんにはその様子を見せるだけでいいのです。

 鞄の中をカラにしてファイルの中を整理すること、これが家庭学習の第一歩です。短時間で気持ちよく行いましょう。学習態勢づくりの「1」から始めたいお子さんには、しばらくはこれだけでも十分です。
新学期で、お互いに気持ちがフレッシュな今、新しいことを始めるチャンスです!

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373.部屋の片付け

373.部屋の片付け
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック研究所

 きのうこのブログに訪れて下さった方の中で「一番多い検索キーワード」は、「発達障害 部屋片付け」だったとのことです。かつても、このテーマに触れたことがあります。

 きょうは、始業式ですね。お昼をすませて少し休んだら、部屋の片付けをなさるいいタイミングですね。

 まずは、机の上や引き出しの中、それから本棚、おもちゃ、その他。というような順序で。お子さんが学校に行っている間に、机の引き出しの中でも片付け始めておいてあげるのも、ひとつ方策です。

「見て、こんなにきれいなったよ。お昼食べたら、続きをいっしょにしようね」と誘導してあげられます。少しやり始めてあると、人は動きやすいものです。「0から1」へがむずかしくて、つい腰が重くなるものです。でも、「1」ができていれば、「2,3,4・・・」とは進めやすいものです。

 片付けは、どんどん手伝ってあげましょう。短時間でメドを立てることが大切です。飽きるまで、またイヤになるほどやらせないのがコツです。

 整理整頓のために、たとえばブックエンドや小さなケースなどが必要でしたら、ご家庭にある何かを工夫して用いたり、あたたかいうちに買い物に行って整えるのも楽しいことです。

 そしてひと段落したら、おやつにする・・・。
 3学期を気持ちよくスタートさせてあげましょう。

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366.月あかり

366.月あかり
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 夕方、陽が落ちて暗くなった部屋に雨戸を引こうと入ったら、月明かりが窓の形に床をほんのり明るく照らしていました。秋の光にも白さを感じますが、月の光にはまたそれとはちがう白さを感じ、それはなんとも美しいものですね。

 しばらく雨戸を引かずにおき、家族を呼んで月明かりを楽しみました。本が読めるほどではありませんが、人の姿はよく判じ得ます。

 さてその後、雨戸を引きましたが(雨戸といっても紐で引くシャッターの形のものです)、電動でこそなくとも、今はこんな作業もとても楽に出来ますね。

 子どもの頃、雨戸を引く仕事は嫌いなことのひとつでした。だから、夜すっかり暗くなるまで放っておく、すると、すっかり暗い上にすっかり寒く冷え込んでくる、そんな中で立て付けが悪くなって引きにくい雨戸をガタガタといわせながら引く、そして渋い木の鍵をかける・・・。今思えば、木の鍵なんて知恵のあるシャレたものだなと思いますが、立て付けの悪い雨戸と奮闘している時にはそんなゆとりはありません。

 やはり、「かんたんに出来る」ということはとても大切だなとつくづく思います。簡単に出来たら、夜まで放っておくようなこともなかったでしょう。すっかり寒く冷え込んでしまうようなこともなかったでしょう。雨戸引きが嫌いな仕事になることもなかったでしょう。

 子どもに楽なことばかりさせましょう、というわけではありませんが、取りかかりにくい仕事や課題、習慣化しにくいこと、進んでやるほどにはなれないこと、どうしてもやらせなくてはならないこと、・・・などは、いかに取り組みやすくしてあげるかにかっかっています。

 教室のモットーのひとつ、「簡単からのパートナー」にはこんな意味合いもあります。ただただがんばらせるのではなく、がんばる気持ちになれるようにちょっと工夫してあげられるといいですね。

 明日は大掃除のご家庭も多いことでしょう。ちょっと努力することによって成果の出るような仕事を与えてあげましょう。
・家族の靴磨き(軽い力でピカピカに光ります)
・床のホコリ取り(面白いほどシートにホコリがつきます)
・最近はやりの白いスポンジを使ってキッチン磨き(これも小さな力で面白いほどきれいになります)

「小さな力で」「短時間で」「成果が目に見えて分かる」、この3点がポイントです。こんな経験はそのまま学習にもつながって生きてきます。

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364.冬休みの学習

364.冬休みの学習
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 日数の少ない冬休み、その上に大晦日やお正月を除くと勉強する日なんて幾日もない、と思われるかもしれません。でもその少ない幾日かでも、決めた時刻に決めた学習を行っていきましょう。

 そのためには、学習内容をあまり広げずに目標を絞って行うことです。たとえば、
・~までの計数
・足し算(または引き算)
・掛け算(または割り算)
・比較の文章題(どちらがいくつ多いでしょう?)
・国語の教科書の読み(音読)
・決めた単元の漢字の読み
・在籍学年よりもやさしい読解問題・・・

 答を端から覚えてしまうような特別に記憶の良いタイプでなければ、毎日同じワークでもいいのです。短い学習期間を生かすためには、とにかく学習内容を広げずに的を絞ることです。同じ問題にくり返し取り組ませて、「出来た」「わかった」「こういうことなのか」という納得感を得させることが一番の目的です。

 いつも「分かりきらないこと」を来る日も来る日も繰り返して、とにかく勉強している、というのではあまりにむなしい学習です。学習が習慣になっていることは評価すべきことですが、やはり「理解できる」「分かる」学習でなくては、どこかで学習の継続が途切れてしまいます。やる気を失ってしまいます。

 追われる勉強から、積極的に取り組む態勢作りのためには、この冬休みはひとつチャンスです。目標をひとつに定めて、本当の力をつけましょう。それが、3学期からの勢いとなります。

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363.無理なく、普通に

363.無理なく、普通に
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 終業式、クリスマス、そして明日から冬休みですね。ここ1,2週間少しゆっくりと過ごすことができたら、このあたりで少しずつ学習を再開しましょう。と言っても、「また明日から勉強~?」とならないように、ゆったりとした気分の中で規則的に、こつこつと学習を重ねていきましょう。

 学習の導入には、なにかきっかけを作ってあげましょう。
・きれいなノート
・あたらしい鉛筆や消しゴム
・きれいに片付けた机
・お楽しみのおやつ
・ごほうびの遊び
・やさしそうな課題から
・得意な課題から

 何でも導入が大切です。お子さんにフィットするやり方を選んであげてください。お子さんをよく把握していらっしゃる親御さんの方が、上記の他にもっといい案が浮くかもしれませんね。

 導入できたら、あまり長く行わないことです。お子さんがそわそわしてきたら、また疲れを見せたら、適当なところで終わりにしましょう。何分くらいがんばれるのかおおよそを計って、毎日の学習時間の基準にしましょう。

 また、生活の中でどの時間に学習をするかを一応決めておきましょう。その時刻をお子さんにも伝えておきましょう。突然、「さあ勉強よ」と言われるより、「そろそろ勉強の時間だ」とお子さん自身が気持ちの用意が出来ている方がスムーズに勉強に取り掛かることができるからです。

 難しい課題に出くわしたら、やさしく教えてあげましょう。いっしょにやってあげればいいのです。ここ1,2週間のゆったりとしたいい時間、いい関係を大切にしながら、学習を進めてください。どんなにいい状況も、崩すのは簡単です。叱り付けたりしたら、いい関係も簡単に崩れてしまいます。だから、それを崩さないように大切にしながら、無理のない範囲で学習を進めていきましょう。

 無理なく、普通に学習を続けていけばお子さんはかなりの力を発揮します。この約束に忠実になさった親御さんからは、
「こんなに伸びるとは、思いませんでした・・・」との声も聞かれています。
ですから、どうぞ無理なく、普通に・・・。

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352.コミュニケーション 3つの気づき

352.コミュニケーション 3つの気づき
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 ここ数日にわたって、「言葉」「コミュニケーション」ということに触れてきました。少し振り返り、まとめてみます。

・コミュニケーションは、「言葉がある」「言葉がない」という二元論的な問題ではないということ。
・音声や文字で表される明確な言葉の前提として、「言葉以前の言葉」が存在するということ。
・コミュニケーションは、その「言葉以前の言葉」に気づくことから始まるということ。

 これらのことに気づいて、教育にあたれるか、また子育てにあたれるか、また人との交わりをもてるかによって、コミュニケーションの成長には大きな違いが出てきます。コミュニケーションは、一人称と二人称との双方で作り上げていくものです。双方の気づきあい、受けとめあいによって成立します。

 子どもが発しても発しても受けとめてもらえなかったら、子どもは発する方向性を失い、発することをやめてしまいます。意図的にやめるわけでなくても、発する勢いというようなものが萎えてしまいます。

 子どもの表情やたたずまいを感じ、読み取りましょう。子どもは顔で話し、顔で聞く、そんな印象をもちます。口で話し、耳で聞く、というより存在自体で何かを発し、存在自体で何かを受け止めているようです。

 講師や親御さんの立場からは、子どもの存在や息遣いをこちらから感じ、それに流れを起こし、方向性を持たせてあげましょう。そして、それを引き出す、発することができるようなきっかけ作りをしてあげましょう。

 そのためには、相手のなかにこちらから、まなざしや表情や仕草や、しずかな言葉でもって入っていくことです。これは、とても繊細でやわらかな働きかけです。

 でも時にこんな気持ちで、おだやかなゆったりとした時間をもってみましょう。 

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なかのひと

nan

351.話したい・書きたい

351.話したい・書きたい
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 自分の中から溢れるように表出する言葉、それは話し言葉だけではありません。書き言葉もあります。

「・・・お母さんはいつも毎日優しくて、いきなり怒られて、家族や親戚まで怒られました。
 おじいちゃんの面倒を見ていた。ところがお母さんは勉強をしないでおじいちゃんから怒られた。
 勉強しないでおじいちゃんに怒られて今度はお母さんがすごく怒ったのに、
 人を怒られるのがいやだなあと皆さんには迷惑をかけて申し訳けありません・・・」

 生徒さんがパソコンに打ち込んだ長い文章の一節です。この話は、日頃から口頭でもよく出てきます。文法的には接続詞や副詞も適度に出てきて受動態も使いこなしていますが、主語と述語の組み立てや助詞が適切でないために伝わりにくく、推測しなくてはならないところがあります。

 しかし、この生徒さんの息遣いや気持ちの流れ、勢いといったものはしっかり伝わってきます。本来のこの生徒さんのユーモラスな面も感じられ、文章自体はかなり怒っているのですが、最後で「ふっ」と笑ってしまいます。

 もちろん、言語学習としては赤ペンを入れなくてはならない箇所がたくさんあります。また講師としては、
「これまで、なに指導してきたの?」と咎められそうですね。でも、
「ここまで育ったんですよー!」と誇りたい気持ちもあります。

 赤ペンを入れることも必要です。しかしその大前提として、まず書き手の心を受け止めましょう。その心を受け止めたら、こちらも心から返しましょう。それが、コミュニケーションです。

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350.コミュニケーションって

350.コミュニケーションって
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 言語学習とコミュニケーション学習とは重なるところがありながら、異なるところがあります。もちろん言語を用いないノンバーバルナコミュニケーションもあります。しかし、通常のバーバルコミュニケーションにおいても、言語学習イコールコミュニケーション学習ではないのです。

 言語があってはじめてコミュニケーションが成立するとすると、やはり言語のない生徒さんとはコミュニケーションが出来ない、ということになってしまいます。すると、数日前にお話した研修生のように、「あのお子さんは言葉がないので・・・」ということになってしまうのです。

 発語のまだない生徒さんとも、言語を通してコミュニケーションをしていきましょう。生徒さんの息遣いを感じながら、生徒さんの存在を感じながらコミュニケーションをとっていけば、伝わります。生徒さんからも、返答や語りかけがあります。生徒さんからの返答や語りかけ感じとっていきましょう。

 「語る」とは、また「相手に言葉をかける」とは、思いや気持ちを相手に橋渡すことです。人は感情が動くときに言葉を発します。ですから、構音や文法能力がまだ発達しきらなくとも、また十分に備わっていなくとも、話したくてたまらないという生徒さんたちがいます。それほどの気持ちの動きや流れのあることは、私はとても良いことだと思います。

 多くの生徒さんはそんな時、言葉の前段階の声を出します。笑い声を立てる場合もあります。中には、抑揚だけで話すような段階もあります。幼児期のジャーゴンもその一つです。語彙も構音や文法能力もまだ不十分であるのに、一人前に話をしようとしている状態です。絵で言えば、なぐり描きの段階です。文字でもそうです。大人気取りで鉛筆を持ってめちゃくちゃ書きをしている段階です。

 でもその気持ち、志向、勢い、発信を大いに認めて、応えていってあげたいものです。教育に携わる立場では、このようなコミュニケーションの本質的なあり方に感じ、気づいていきたいものと思います。

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349.語りかける

349.語りかける
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 日曜日の新刊の欄(2009年12月6日読売新聞)に、山折哲雄「いま、こころを育むとは」が取り上げられていました。書評の冒頭に、「・・・全共闘の息の根をとめたのは、俵万智『サラダ記念日』だと説く」とあり、「えっ、どういうこと?」と思いつつ続きを読むと、その意図するところがすーっと浸透してきました。

 少々長くなりますが、私の拙文ではお伝えしきれないものですので引用させていただきましょう、
「・・かつて紛争の嵐が吹き荒れたキャンパスで聞く学生の演説は、なぜ、心に響いてこなかったのか。それは、五七調や七五調と違う[われわれは、日帝の]式の”五五調”だったから。万葉集に始まる和歌のリズムこそが、日本人の呼吸や生命の根源なのではないか。女性歌人の人気沸騰の陰には、あのリズムの回復を待望する国民の<渇くような思い>があったはずだ」

 学生運動の真っ只中だった頃、私は小学生でした。何かの雑誌の取材で学校で数人が選ばれ、インタビューに応じたことがあります。そこでどういう質問に対してであったかは忘れましたが、私が「全学連のー、ことはー、よくー、わかりませんがー、・・・」と何らかの返答をしたようです。その語調がこっけいだったのか、その後、父にさんざ茶化されたのでこの何語かだけが今でも思い出されます。

 その頃のテレビニュースを見ていて、彼らの”五五調”のようなものが移ってしまったのでしょうか。語調というのは、すぐに人に移りやすいものです。それと同時に彼らの気持ちの高揚のようなものも多少入り込んでしまっていたのかもしれません。「学生運動」と聞くと、語調も気持ちの持ちようもパッと切り替わってしまうのです。言葉には、良くも悪くもそんな力があります。

 いかがでしょう?私はさらに、日頃の授業での生徒さんへの言葉かけも振り返りました。
「さあ、数えるよ!よく見て!ずれないように!1、2、3、・・はい、ぜんぶで!」と一方的に言葉を発していることはないでしょうか?
ご家庭ではいかがでしょうか?
「さあ、時間よ!かばん持って!くつはいて!ほらっ、よく見て!」と一方的に言葉を発していることはないでしょうか?
生徒さん、お子さんはどんな言葉を渇望しているのでしょう。

「なぜ、心に響いてこなかったのか」・・・日常で五七調や七五調で言葉をかけることは難しくとも、呼吸や生命の根源をふと意識することはとても大切なことですね。「数えるよ!」「算数!」・・・と聞いただけで、生徒さんの気持ちがパッと堅く切り替わってしまうことがないように。むしろ「先生といっしょだからわかるよ」と生徒さんの中に安心感と意欲・興味がひろがるような言葉がけを日頃からこころがけたいものですね。

 
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