413.3月はチャンスです!

413.3月はチャンスです!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 学校の学習が先に進まない今、復習をするチャンスです。

 きのうは「やすめ」と言ったのに・・・と思われるかもしれません。それは、人それぞれなのです。疲れている方は気兼ねなく休みましょう。これまで休んでいた方、またちょうど波に乗ってきた方、少し余力のある方は復習のチャンスです。

 本来ならば、学校の時間何に練習・復習する時間が確保できることが理想です。いえ、理想と言うよりもそうあるべきだと思います。ある一定の期間に学習を進めたならば、その後には練習・復習の時間があって然るべきです。

 中学や高校の定期考査も同様です。試験範囲の授業は、試験の1週間前には終了させておくべきでしょう。その後に1週間、9教科のための復習の時間を取るべきです。教えっぱなしでは、成果があがるはずがありません。

 平均的に、評価5・4・3・2・1の子どもが適度に分布されていれば、問題なしと考えられているのでしょうが、評価3以下の子どもたちはまずはその範囲の学習内容を理解していないと言っても過言ではありません。ですから、高校生になって九九や分数が不完全のような生徒達が出現してしまうのですね。

 でも、ここでこんなことを言っていてもしかたありません。しかも今日は、3学期の定期考査を終えた生徒さんから良い報告を聞くことができたのです。苦手な国語にも成果が現れてきました。

 さあ、ゆったりとした気分で復習をしましょう。教科書自体を復習するというより、書字、読字、音読、短文の読解、計数、九九、計算などの基本的機能のトレーニングとなるような復習をしましょう。

 苦手な分野のできるレベルの問題からスタートしましょう。簡単な問題を確実にトレーニングしていくことが、自信につながるだけでなく、結局は本物の力となります。

 
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412.一息いれる勇気を

412.一息いれる勇気を
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

・・・この1年間を駆け抜けるようにして過ごしてきた方は、休むことも必要です・・・
今月のメッセージはこれだけです、と言っても過言ではありません。

 ちょっと学習が負担になってきて、
・親御さんもお子さんもストレスがたまったり、
・この先が心配でたまらなかったりとか、
・成果が見えなくて親御さんは怒りたくなるし、お子さんは怒られてばっかり、
・親御さんからは笑顔が消え、
・お子さんは弱いものにストレスをぶつける、
 
 というような方、いらっしゃいませんか?

 ずい分、がんばってこられましたね。ここで一息つきましょう。お子さんには、やればやるだけの能力があることは分かります。しかし、少しやりすぎたり、少々要求レベルが高かったり、失敗を咎められたりすると、お子さんはこちらが思っている以上に気持ちを損ね、ストレスを抱えて、学習に対する悪循環が始まってしまうのです。

この悪循環を一度たち切るためにここで一息つきましょう。

 ”ここでがんばっておかないともっと大変になる”、と焦る気持ちはわかります。が、マイナスの循環をさらに深めてしまうことは、もっと大変な状況になってしまいます。それより、勇気をもって一息つきましょう。その方が、この先の大きな前進が期待されます。

 私の家の近くの花屋さんは、お正月や夏休みには1ヶ月完全にお店を閉めて、休暇をとってしまいます。この時期に、ずい分勇気のあるスケジュールです。でも、休暇が終わってお店がまた始まると、お店の前は色とりどりの花の苗が4重5重と並べられ、それはもう見事なものです。切花は置かずに、鉢植えと苗ばかりを扱っているお店です。扱うものも絞っているのです。あれもこれもと扱っては手間や管理が大変でしょう。が絞っている分、お客さんには良い商品を提供できているようです。1ヶ月の休暇から得る力は、とても大きなものがあるのでしょうね。

 親御さんもゆっくり休んで力を回復されたら、気持ちも変わって新たな思いでもっと効果的に学習を進められることでしょう。お子さんも休ませて、気持ちを解放させてあげましょう。お子さん本来のいい笑顔がきっと戻ってくることでしょう。

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409.音読

409.音読
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 絵がすらすら描ければ楽しいように、文もすらすら読めれば楽しい!

 教室で土曜日に勉強しているある生徒さん、読むことよりも描くことが得意です。造形リトミックの歌も大好きでいつもリピートを要求してきますが、彼の描き方は、彼独自のものです。輪郭をスルスルッと描くようなやり方で、次々に表現していきます。造形リトミックの描順とは別に、彼はもうひとつ独自の描き方を持っているのです。

 彼の作品には、たいてい登場人物が複数存在し、まるで物語の一場面のように仕上がっていきます。まだ言葉数が少なく、話すテンポはゆっくり目のこの生徒さんにとっては、絵が表現手段のひとつになっています。

 でもそんな彼も、毎週音読を繰り返すことによって、少しずつ音読も”スラスラ”に近づいてきています。文字はもうよく読めているのですが、それを音声に変換するのにまだ少し時間がかかっています。また、音声に変換できた後にもそれを呼吸を整えながら口腔内の筋肉を使って、滑舌よく発声するのにまだまだトレーニングが必要な段階です。

 しかし文字を追う目の使い方がとても上達してきていることに、先日気がつきました。彼は読めない文字があると指で示してこちらに視線を送り、「何て読むの?」と目で問いかけてくるのですが、彼の指はいま発音している単語のひとつ先を追っているということがわかりました。

 「読む」というと、文字の知識や発音の機能に着目されがちですが、スラスラ読むためには、文字を順に追う目の機能も欠かすことができないほど大切な要素なのです。実際に読んでいるところよりも、目が先へ先へと進んではじめて、すらすら読めるのです。

 造形リトミックの基礎線描は、描くトレーニングでありながら、目のトレーニングでもありますが、幼児期から積み上げてきた追視のトレーニングが、テキストの音読にもこのように直結しているということをあらためて認識しました。

 

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408.描き続ける子ども(2)

408.描き続ける子ども(2)
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 子どもが描き続けるのなら、それは自ら進んで機能トレーニングを行っているようなものです。外から人に言われて行っているのではなく、自ら行っているのであれば、トレーニングの効果はいっそう高いものとなります。

 しかし、あまりに同じことばかり繰り返していると、教育者や親御さんはついつい止めさせたくなってしまいます。時間を気にせずに、するべきこともしないでそればかり行っていたのでは、生活は成り立ちませんから。

 そんな場合の指導のポイントは、時間を決めて行わせることです。「○○をしたら、またお絵かきをしていいですよ」、とルールーを作ることも有効です。

 そして、さらに大切なことは、同じものばかりを描き続けていることを批判的に見ないことです。

「またー?!」とか「そんなものばっかり」とか「もう、いいんじゃない?」・・・とか、マイナスの発言をしないことです。

 むしろ、肯定的なまなざしでほめてあげることです。
「うさぎ、上手だね」「いっぱい描けたね」「このうさぎ、かわいいねー」というように。「あなたがうさぎを描き続けることは、いいことよ。お母さんは、認めてますよ」ということを言葉や態度でしっかり伝えてあげましょう。認め、肯定されている方が、別の行動へとスムーズに動きやすいものです。

 批判的に見られていると、子どもはいつまでも満足しないので、却って別の行動への切りかえが難しくなります。テキパキと他の行動へと進めさせようと思われるのなら、その行為を肯定的に捉えるべきです。

 そしてむしろ、親御さんもお子さんの描画の世界に参加し、「このうさぎ、何を食べるの?人参?キャベツ?」「このうさぎは、お母さんうさぎ?」「これは?女の子のうさぎ?」「このうさぎ、今日はどこに行くの?」・・・など、お子さんが自然にイメージを膨らませるような言葉をかけてあげましょう。そうすれば同じくり返しの中でも、学習効果はさらに広がっていきます。

 

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405.描けたら色をぬりましょう!

405.描けたら色をぬりましょう!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 きのうの「ひよこ」の描画のつづきです。介助描きから、どうにかひとり描き出来るようになった生徒さんの作品、マルがゆがんでいても当然です。

 それをどうやって整った丸にもっていってあげるか?

・ひとつは、講師の意識の問題です。ゆがんだマルでも、まずは描けたことを評価するべきだとお話しました。そのとおりです。しかし評価した上で、講師としてはここのままで”よし”としないことです。次のステップへとさらに目標を高めていきましょう。

・ふたつめは、次の目標へと到達させるための技術を講師がもつことが求められます。ただ”がんばりましょうね””もっときれいに!”では、目標へはなかなか到達できません。
リズム造形のバリエーションは、認知能力と描画能力を確立させ、上達させるための方法論です。これに基づいて、繰り返し楽しみながら、描画技術を向上させていきます。

 このあたりが、講師の力量が問われるところです。教室では講師の力量を等しく水準以上に引き上げるために、毎月ケース会議を欠かさず行っていきます。

 さあ、生徒さんが一生懸命に描いたひよこの絵、やがては少しずつ整った形で描けるようにトレーニングを重ねていきますが、この段階で水彩絵の具による彩色をお奨めします。彩色は、多少手を添えてでも構いません。

 ひよこを黄色でぬり、くちばしはオレンジかピンク、からだとは異なる色でぬりましょう。そして、草を黄緑でぬってみましょう。

 そこには、ふんわりとやわらかいひよこと春の気配を感じさせるやわらかい草はらが現れでます。色には、線で描いたものをさっと面に変えてしまうような働きがあります。また、色は描いた対象物の特徴の大きな部分を占めているので、彩色することによって、描いたものが何であるのか、またどんなものであるのかを一目瞭然といったように描き手にフィードバックするのです。いわば、色の魔法です。

 子どもは、先生の賞賛の言葉と彩色によって返ってくる手ごたえによって、大きな満足を得ることでしょう。

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404.良さを見つけられてこそ

404.良さを見つけられてこそ
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 先日のセミナーでひとりの講師から、「○○くんはこれまで介助で描いていたんですけど、ひとりで描けるものがでてきました!」という報告を受けました。

 「それは、すごい!」と思いながらも、「たとえばどんなものが描けるようになってきたのですか?」と尋ねたところ、「ひよこです。・・・でも、きれいなマルで描くというわけではないんですよ。いちおうグルンっていうようなゆがんだマルでひよこの頭と体を描いて、まわりの草もここに描いてというと、グイーっと線を引くような・・・そんな描き方なんですけど」、とのことでした。

 これを聞いて皆さんはどう思われますか?

 「なんだ、そんなの描けるうちに入らないじゃない!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。私もセミナーで時折、「ゆがんだマルでしか描けないんです!」「草っていっても、長めの線をただ描くだけなんです!」というような発言を耳にすることがあります。

 とすると、先にあげた講師は過大評価しすぎているのでしょうか?
 ・・・そんなことは、ありません。私はその報告を聞いて、「この講師は、生徒さんへの評価の仕方、言うなれば発達の捉え方を心得ている、講師としてその域に達したな」と感じました。

・たとえゆがんだマルであっても、何もない白い画面上にマルが描けるとはどういうことなのか?
・草に見立てて、画面上のいろいろな場所にいろいろな向きで直線が引けるとはどういうことなのか?

 特殊教育では、私達が当たり前に行っているようなことについて、それができるとはどういうことなのかを細かく分析できることが必要です。その分析的な尺度をもって、一つ一つの機能を育てていってあげる、ある意味それが特殊教育です。

 なぐり描きから、ゆがんだマルへ、そして整ったマルへ、そこまでに到るプロセスには、小さなさまざまなステップがあります。そういった発達のプロセスを分析的に捉えることができて初めて、ゆがんだマルをも評価することができるのです。普通教育でもそうですが、特殊教育においてはことに、発達をそのように分析して捉えられることが求められます。

 ゆがんだひよこを「描けます!」と評価できた講師は、発達をそのように分析して捉えることができているのです。そして、講師のこのような肯定的な評価は子どもに豊かで大きな自信を持たせることができます。講師が心からほめてこそ子どもの自信は育てられます。良さを見つけれられてこそ、子どもは育つのです。

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398.英語の語順も

398.英語の語順も
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 a car に new を加えて、「新しい車」とするには、 new a car それとも、a new car? 
 このような基礎問題でつまずいてしまうケースがあるのです。

 問題集にはこれと同様に、「古いラケット」「良い本」「アメリカ製の車」を英語にする問いが並んでいます。

 文法的には、「不定冠詞+形容詞+名詞」の順に語を並べればいいのですが、このようなレベルのことは文法的に理解するというよりは、フレーズで覚えていくほうが容易です。耳慣れない文法用語を覚える間に、a new car、an old racket、 a good book、an American car・・・、と繰り返し発音して感覚的に覚える方が効率的です。

 しかし、英語の導入時につまずいたり、はじめから苦手意識を持ってしまうと、基礎の学習させ十分に行うことができずに、かえって、文法的なややこしい取り組みをすることになり、いっそう英語から遠ざかってしまうことがあります。

 きのうの国語の学習ではありませんが、とにかく量的に繰り返し繰り返し、見て、書き、発音していくことが必要です。苦手意識さえ持たさなければ、気持ちよく繰り返すことができます。

 記憶することが苦手な生徒さんもいます。その場合は、必要以上に覚えるように迫らないことです。覚えることが苦手だったら、見ながら書くだけでもいいのです。とにかくある程度の量に触れていきましょう。そうしている間に、見慣れていきます。また書き慣れ、発音し慣れていきます。

 記憶できなければ、学校のテストにはしばらくの間努力が反映されないこともありますが、そこで焦らずに、見る・書く・発音する、を繰り返していきましょう。テキストのストーリを日本語で把握しておくことだけでも意味はあります。

 そんな学習を通して、記憶することも次第にトレーニングされてきますし、英語のスタイルが視覚的に、聴覚的にまた運動感覚として体得されてきます。すると、教科書を開いたときに、単語がポンと目に入ってくるようになります。そして、少々文法的な説明も少しずつ理解できるようになってきます。

 アルファベットの羅列が、単語の並びとして見えてくるまで、ここであせらず、たんたんと練習を積み重ねていきましょう。

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397.助詞の学習

397.助詞の学習
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 「明日午前はいない、昼(   )出かける予定なので。」
 「明日午後はいない、昼(   )出かける予定なので。」

 (  )の中には、「まで」と「までに」のどちらが入るのでしょう?これは、きのうのなぞなぞではありません。小学校6年生の国語の問題です。単元「言葉って、おもしろいな」からの出題です(教科書わかるわかるテスト:朋友出版)。

 「学校の教室(   )勉強する」
 「学校の教室(   )いる」
 (  )の中には、「に」と「で」のどちらが入るのでしょう?先の午前・午後の問題の前の問いに比べて、これは、かんたんですね。午前・午後の問題では、講師としても一瞬ドキッとしました。落ち着いて考えて、納得しましたが。

 ところが、国語を不得手とする発達障害をもつ小6の生徒さんが、5問中5問全部正解しました。二者択一の問題ですから、まぐれもあるかもしれません。でも、全部まぐれとは言えません。しかも、両方を読み比べて考えている風もありましたから。答えの理由までは明確に説明できなくても、きっと理解して正解したのだと思います。

 幼児期から、語彙が少なく、言葉での表現や理解に困難を示す生徒さんでしたが、在籍する普通学級の進度に合わせて国語の学習も進めてきました。教科書の読みをご家庭でも繰り返し、市販のワークには2回ずつ取り組み、理解しいくい問題には再度取り組む。意味の流れを把握させるためには、必要に応じてオリジナルワークで補充する。

 こんな進め方で、対応してきました。本人の好きなのはやはり漢字の問題ですが、読解や文法、言葉の言い回しの学習にも嫌がらずに取り組んできました。

 ここまで取り組めてきた理由は、教室でもご家庭でも叱らずに、また回答を迫らずに指導してきたことにあります。わからないところは回答を示し、短時間で効率よく学習を進めてきました。ですから本人も困らずに、またイライラすることなく取り組めたのでしょう。

 理解が不十分なところはまだまだあります、しかし、この6年間、たくさんの文章の読み書きに当たってきました。

 言葉を駆使するその量と経験が、言葉の自然な流れを獲得させてきたのでしょう。量だけでなく、質的経験から得るものも大きいと思います。理解が不十分だからと言って初歩的な文章にとどまっていては、学習能力もそこでとどまってしまいます。内容的にも難易度的にも年齢とともに更新させていくことは必要です。

 そんな中で、助詞も言葉の自然な流れとして獲得されてきたのでしょう。もちろん、まだ完璧ではありません。でも言語能力を駆使することによってこそ、言語能力は発達していくのです。発達したところで少し戻り、基礎を固めながら、さらに発達を促していきましょう。ここであせらず、楽しみながら。

 
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393.知的障害:書字への導入(記憶)

393.知的障害:書字への導入(記憶)
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 この1週間は、書字について改めえ考えてきました。巧緻性と空間の把握(構成も含め)の両方の機能が保障されれば、文字を書くことはできます。ただし本当の意味でのひとり書きのためには、さらに文字を正確に記憶していることが必要です。

 巧緻性と空間の把握の機能が保障されていても、書くべき文字が頭の中になくては、ひとり書きにはいたらないからです。そこまででは、お手本を見て書くという模写の段階にとどまります。

 しかし、なぞることはできても模写することはできないというケースがあるように、なぞり書きと模写との間の壁は意外に高いのです。しかも、空間の把握ができていないということは、傍から認識されにくいために、そこで大きなつまずきやストレスを抱えて文字嫌いや学習ぐらいになるケースは残念ながらとても多いのです。ですから、月曜日から昨日まで触れてきた書字へのプロセスはとても重要なことです。

 それを踏まえた上で、本当のひとり書きへと進めるためには、1文字1文字を記憶していくことが必要です。「あを書きましょう」と言われて、「あ、あの文字だ」とわかって初めて、「あ」が書けるのです。

 こう考えてくると、日頃文字を書くという行為において、私達はいろいろな機能を働かせ、いろいろな作業を連動的に行っているということがわかりますね。知的障害や発達障害をもつお子さんに対しては、この緻密な作用を細かく分析して、一つ一つ保障していってあげることが必要なのです。これが、特殊教育です。私はそこに、特殊教育の面白みと誇りを感じるのです。

 さて、では文字を記憶するにはどうしたらいいでしょう。・・・書字のための巧緻性のトレーニングや空間認知のための学習をしている間に、文字の読み学習はどんどん進めていきましょう。

・五十音表を読む。
・「あひるの あ」「いちごの い」のように、基本単語と文字とを連動させてイメージで記憶していく。
・好きなものの名前と文字を関連させて、イメージで記憶していく。
・絵本の読み聞かせを通して、文字に触れさせる。
・興味のある看板やタイトルを通して、文字に触れさせる。

 決して強要せずに、生活の中で文字にゆっくりと十分に触れていくことです。まずは、文字があるんだ(文字の存在)ということに気づかせ、興味を持たせ、見慣れていく環境を作っておかれると良いと思います。文字を覚える、学習するという前のそんな素地作りを大切にしていきましょう。

 
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392.知的障害:書字への導入(空間認知)

392.知的障害:書字への導入(空間認知)
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 ひらがなの書字(模写)ができるための条件は、空間の把握と手指の巧緻性です。ここ3日間は空間把握のトレーニングについて考えてきました。巧緻性は、空間認知のトレーニングを通して養われます。巧緻性は、運動の要素が高いのでトレーニングすればするほど機能は高まります。

 また巧緻性の問題は、鉛筆の持ちかたが悪いとか、手指の動きがぎこちないとか、傍から見ていて捉えやすいものです。ですから、お子さんがまだ上手に文字が書けなくても、がんばっていることは認めてあげることができます。

 それに対して、傍から捉えにくいのが空間を把握する機能です。紙の真ん中に、またはマスの真ん中に縦線を書かせようとしても、とんでもないところに書くことがあります。「ちゃんと見てるの?」「よく見て!」と言いたくもなるような状況です。しかし、お子さんはちゃんと見ていないどころか、相当真剣に見ているのです・・・、でも真ん中がどこなのかがわからないのです。

 真ん中がわからなければ、上も下も、右も左も、ましてや斜めなんて、それを捉えるのは至難のわざです。

 そこを理解してあげることが、何よりも大切です。本人は一生懸命に取り組んでいるのに、「そこじゃないでしょ!」となると、鉛筆を紙面に下ろすこと自体が恐怖になります。まず、鉛筆を置く最初のポイントがどこなのか、それがわからないのです。

 お子さんを書字嫌いにさせないためには、そこのところを理解してあげることです。ひらがなでつまずくと、当然カタカナや漢字の書字でもつまずきます。せっかく持っている力を損なわないためにも、ゆっくりと上手に書字へと導いてあげましょう。

 書字の前には、絵、絵の前には基本描画、その前には彩色やなぐり描き、どれも書字へといたるプロセスの大切なステップです。あせらずに、お子さんと楽しみながら一つ一つのステップを進んでいきましょう。

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