607.抱っこ


607.抱っこ
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 先日の「らくをしましょう」の補足で、きょうは「抱っこ」についてもう一言。

 出先で、お子さんに抱っこをせがまれて難渋された経験は、ほとんどの方がお持ちでしょう。

 「抱っこー」の意味するものは?
 
 1)本当に疲れて、もう歩けない
 2)眠くて、歩けない
 3)少し疲れたくらいだけど、甘える
 4)歩くのが面倒くさくなった
 5)親御さんとの密着を求めている
 6)親御さんが受け入れてくれることを求めている

 1)と2)は、お子さんのその日の行動量や、そのときの表情を見れば本当に限界なのかがわかります。出先で食事をした後おなかがいっぱいで歩けない、というような状況もこの部類です。

 そのときは、一度は歩くことを促して、それでもダメなら抱っこしてあげましょう。

 3)や4)の時には、もう少し頑張ることを促しましょう。
 そして、「あそこまで走ろう」「あの木まで、あの電信柱まで、あそこの曲がり角まで・・」と小走りやかけっこ、歌いながら歩く、つないだ手を大きく振って歩く、道の少し高くなったところを平均台に見立てて歩かせる、など気持ちの変わることや面白いことに気を引きながら、歩くことを楽しませましょう。

 5)と6)、表情を見ても疲れているようすではない、また別のことに気を引いても乗ってこない、というときは抱っこ自体を求めていると考えられます。一度は歩くことを促し、それでも抱っこを求めてきたら、「いいわよ」「いらっしゃい」と抱っこの希望を受け入れてあげましょう。

 1)~6)、いずれのケースにしても、幼児連れの時は抱っこの求めにはいつでも応じて上げられる態勢をとっておくことが懸命です。

 「抱っこー」の要求に対しては、快く応じてあげた方が、かえって自立的に歩く時期が早く来るでしょう。

 大切なのは、その折々に頑張らせることよりも、その折々に満足させることです。

 
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602.あらそわずに


602.あらそわずに
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 ほんの少し、育児の歯車がずれると、親御さんにもお子さんにも気持ちの負担が生じます。

 では、育児の歯車のズレとは?
 親御さんにとって、育児が思うようにいかない、という状態です。

 では、思うようにとは?
 育児書のように。また、教育者の指導のように。また、他所のご家庭のように。

 その基準は、みな自分の外にあります。育児書は、より多くの方に該当するであろう一般論です。教育者の指導においては、理想の形が描かれています。他所のご家庭の在りようは、そのご家庭にフィットした固有のものです。

 育児書、教育者の指導、他所のご家庭の在りようを参考にして、自分の家庭には自分の家庭の状況やお子さんに合った基準を選択しましょう。または基準を、フィットする形に変容させましょう。

 外の基準に合わせようとして、親御さんが焦ったり、イライラしたり、時にヒステリックになったりしたら、本末転倒となってしまいます。基準に、引っ張りまわされないことです。

 大切なのは、きちんと生活することよりも、穏やかに楽しく生活することです。穏やかに楽しく生活していれば、やがてきちんと生活できるようになります。そのときには、「きちんと」の意味合いもそのご家庭固有のものができているでしょう。

 お子さんとあらそわずに、「いいよ、ママのところにおいで・・・」と呼んであげましょう。

 

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597.ご質問にお答え:母子分離


597.ご質問にお答え:母子分離
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 まず第1は、
「離そう、離そう」とあまり思わないことです。

 初歩にも初語にも、排泄の自立にも個人差があるように、母子分離の時期にも個人差があります。それは、環境にもよりますし、お子さんの気質にも発達段階もよります。

 
 母子分離を拒むお子さんは、やはり「一緒にいたい!」と必死で主張しているのです。ならば、一緒にいてあげましょう。

 嫌がるのを何か上手いやり方で引き離すことを考えるのではなく、お子さん自体が自然に「ひとりでも、だいじょうぶ」と言える、そんな心理的状況にしてあげることを考えましょう。

 まさに、イソップ物語の「お日さまと北風」です。引き離そうとすると、よけい強くしがみついてきます。

 「お母さんと一緒でなくてもだいじょうぶ」というのは、お日さまにぽかぽか照らされているような、安心感と満足感に浸っている状況です。

 ですから、寝ている間やちょっとおもちゃに夢中になっている間にお母さんがいなくなってしまった、というような状況は決して作らないことです。それは、お母さんはいついなくなるかわからないという不安を与えてしまうだけだからです。これが第2に大切なことです。

 母子分離トレーニングは、「いいわよ、いつもお母さんと一緒ね」というお子さんへのゆったりとした許容とお母さまのゆったりとした身がまえから始まります。

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596.子どもの求めているものは?


596.子どもの求めているものは?
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 (つづき)おとといのお話のドラえもん、ドラえもんも子ども達の大の人気者、
やはりそこにも子どもの求めているものがあるのですね。それはなにか、・・・・・。

 ドラえもんはものび太くんにとって、
 ・「しようがないな」と言いながらも、困っているのび太くんのことをわかってくれる存在。
 ・決して、叱らない存在。
 ・ポケットから道具を取り出して、解決してくれる存在。

 子ども達は、そんな存在を望んでいるのです。

 ・「ぼくの気持ちをわかって!」
 ・「叱らないで!」
 ・「どうしたら、いいの?」

 周囲がドラえもんのように対応してあげれば、子どもは成長します。安心が成長の種です。信頼が自信の種です。やがては、自分で
問題決できるようにもなります。

 お子さんがびっくりするような道具を私たちも出してあげましょう。

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413.3月はチャンスです!

413.3月はチャンスです!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 学校の学習が先に進まない今、復習をするチャンスです。

 きのうは「やすめ」と言ったのに・・・と思われるかもしれません。それは、人それぞれなのです。疲れている方は気兼ねなく休みましょう。これまで休んでいた方、またちょうど波に乗ってきた方、少し余力のある方は復習のチャンスです。

 本来ならば、学校の時間何に練習・復習する時間が確保できることが理想です。いえ、理想と言うよりもそうあるべきだと思います。ある一定の期間に学習を進めたならば、その後には練習・復習の時間があって然るべきです。

 中学や高校の定期考査も同様です。試験範囲の授業は、試験の1週間前には終了させておくべきでしょう。その後に1週間、9教科のための復習の時間を取るべきです。教えっぱなしでは、成果があがるはずがありません。

 平均的に、評価5・4・3・2・1の子どもが適度に分布されていれば、問題なしと考えられているのでしょうが、評価3以下の子どもたちはまずはその範囲の学習内容を理解していないと言っても過言ではありません。ですから、高校生になって九九や分数が不完全のような生徒達が出現してしまうのですね。

 でも、ここでこんなことを言っていてもしかたありません。しかも今日は、3学期の定期考査を終えた生徒さんから良い報告を聞くことができたのです。苦手な国語にも成果が現れてきました。

 さあ、ゆったりとした気分で復習をしましょう。教科書自体を復習するというより、書字、読字、音読、短文の読解、計数、九九、計算などの基本的機能のトレーニングとなるような復習をしましょう。

 苦手な分野のできるレベルの問題からスタートしましょう。簡単な問題を確実にトレーニングしていくことが、自信につながるだけでなく、結局は本物の力となります。

 
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412.一息いれる勇気を

412.一息いれる勇気を
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

・・・この1年間を駆け抜けるようにして過ごしてきた方は、休むことも必要です・・・
今月のメッセージはこれだけです、と言っても過言ではありません。

 ちょっと学習が負担になってきて、
・親御さんもお子さんもストレスがたまったり、
・この先が心配でたまらなかったりとか、
・成果が見えなくて親御さんは怒りたくなるし、お子さんは怒られてばっかり、
・親御さんからは笑顔が消え、
・お子さんは弱いものにストレスをぶつける、
 
 というような方、いらっしゃいませんか?

 ずい分、がんばってこられましたね。ここで一息つきましょう。お子さんには、やればやるだけの能力があることは分かります。しかし、少しやりすぎたり、少々要求レベルが高かったり、失敗を咎められたりすると、お子さんはこちらが思っている以上に気持ちを損ね、ストレスを抱えて、学習に対する悪循環が始まってしまうのです。

この悪循環を一度たち切るためにここで一息つきましょう。

 ”ここでがんばっておかないともっと大変になる”、と焦る気持ちはわかります。が、マイナスの循環をさらに深めてしまうことは、もっと大変な状況になってしまいます。それより、勇気をもって一息つきましょう。その方が、この先の大きな前進が期待されます。

 私の家の近くの花屋さんは、お正月や夏休みには1ヶ月完全にお店を閉めて、休暇をとってしまいます。この時期に、ずい分勇気のあるスケジュールです。でも、休暇が終わってお店がまた始まると、お店の前は色とりどりの花の苗が4重5重と並べられ、それはもう見事なものです。切花は置かずに、鉢植えと苗ばかりを扱っているお店です。扱うものも絞っているのです。あれもこれもと扱っては手間や管理が大変でしょう。が絞っている分、お客さんには良い商品を提供できているようです。1ヶ月の休暇から得る力は、とても大きなものがあるのでしょうね。

 親御さんもゆっくり休んで力を回復されたら、気持ちも変わって新たな思いでもっと効果的に学習を進められることでしょう。お子さんも休ませて、気持ちを解放させてあげましょう。お子さん本来のいい笑顔がきっと戻ってくることでしょう。

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409.音読

409.音読
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 絵がすらすら描ければ楽しいように、文もすらすら読めれば楽しい!

 教室で土曜日に勉強しているある生徒さん、読むことよりも描くことが得意です。造形リトミックの歌も大好きでいつもリピートを要求してきますが、彼の描き方は、彼独自のものです。輪郭をスルスルッと描くようなやり方で、次々に表現していきます。造形リトミックの描順とは別に、彼はもうひとつ独自の描き方を持っているのです。

 彼の作品には、たいてい登場人物が複数存在し、まるで物語の一場面のように仕上がっていきます。まだ言葉数が少なく、話すテンポはゆっくり目のこの生徒さんにとっては、絵が表現手段のひとつになっています。

 でもそんな彼も、毎週音読を繰り返すことによって、少しずつ音読も”スラスラ”に近づいてきています。文字はもうよく読めているのですが、それを音声に変換するのにまだ少し時間がかかっています。また、音声に変換できた後にもそれを呼吸を整えながら口腔内の筋肉を使って、滑舌よく発声するのにまだまだトレーニングが必要な段階です。

 しかし文字を追う目の使い方がとても上達してきていることに、先日気がつきました。彼は読めない文字があると指で示してこちらに視線を送り、「何て読むの?」と目で問いかけてくるのですが、彼の指はいま発音している単語のひとつ先を追っているということがわかりました。

 「読む」というと、文字の知識や発音の機能に着目されがちですが、スラスラ読むためには、文字を順に追う目の機能も欠かすことができないほど大切な要素なのです。実際に読んでいるところよりも、目が先へ先へと進んではじめて、すらすら読めるのです。

 造形リトミックの基礎線描は、描くトレーニングでありながら、目のトレーニングでもありますが、幼児期から積み上げてきた追視のトレーニングが、テキストの音読にもこのように直結しているということをあらためて認識しました。

 

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408.描き続ける子ども(2)

408.描き続ける子ども(2)
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 子どもが描き続けるのなら、それは自ら進んで機能トレーニングを行っているようなものです。外から人に言われて行っているのではなく、自ら行っているのであれば、トレーニングの効果はいっそう高いものとなります。

 しかし、あまりに同じことばかり繰り返していると、教育者や親御さんはついつい止めさせたくなってしまいます。時間を気にせずに、するべきこともしないでそればかり行っていたのでは、生活は成り立ちませんから。

 そんな場合の指導のポイントは、時間を決めて行わせることです。「○○をしたら、またお絵かきをしていいですよ」、とルールーを作ることも有効です。

 そして、さらに大切なことは、同じものばかりを描き続けていることを批判的に見ないことです。

「またー?!」とか「そんなものばっかり」とか「もう、いいんじゃない?」・・・とか、マイナスの発言をしないことです。

 むしろ、肯定的なまなざしでほめてあげることです。
「うさぎ、上手だね」「いっぱい描けたね」「このうさぎ、かわいいねー」というように。「あなたがうさぎを描き続けることは、いいことよ。お母さんは、認めてますよ」ということを言葉や態度でしっかり伝えてあげましょう。認め、肯定されている方が、別の行動へとスムーズに動きやすいものです。

 批判的に見られていると、子どもはいつまでも満足しないので、却って別の行動への切りかえが難しくなります。テキパキと他の行動へと進めさせようと思われるのなら、その行為を肯定的に捉えるべきです。

 そしてむしろ、親御さんもお子さんの描画の世界に参加し、「このうさぎ、何を食べるの?人参?キャベツ?」「このうさぎは、お母さんうさぎ?」「これは?女の子のうさぎ?」「このうさぎ、今日はどこに行くの?」・・・など、お子さんが自然にイメージを膨らませるような言葉をかけてあげましょう。そうすれば同じくり返しの中でも、学習効果はさらに広がっていきます。

 

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405.描けたら色をぬりましょう!

405.描けたら色をぬりましょう!
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 きのうの「ひよこ」の描画のつづきです。介助描きから、どうにかひとり描き出来るようになった生徒さんの作品、マルがゆがんでいても当然です。

 それをどうやって整った丸にもっていってあげるか?

・ひとつは、講師の意識の問題です。ゆがんだマルでも、まずは描けたことを評価するべきだとお話しました。そのとおりです。しかし評価した上で、講師としてはここのままで”よし”としないことです。次のステップへとさらに目標を高めていきましょう。

・ふたつめは、次の目標へと到達させるための技術を講師がもつことが求められます。ただ”がんばりましょうね””もっときれいに!”では、目標へはなかなか到達できません。
リズム造形のバリエーションは、認知能力と描画能力を確立させ、上達させるための方法論です。これに基づいて、繰り返し楽しみながら、描画技術を向上させていきます。

 このあたりが、講師の力量が問われるところです。教室では講師の力量を等しく水準以上に引き上げるために、毎月ケース会議を欠かさず行っていきます。

 さあ、生徒さんが一生懸命に描いたひよこの絵、やがては少しずつ整った形で描けるようにトレーニングを重ねていきますが、この段階で水彩絵の具による彩色をお奨めします。彩色は、多少手を添えてでも構いません。

 ひよこを黄色でぬり、くちばしはオレンジかピンク、からだとは異なる色でぬりましょう。そして、草を黄緑でぬってみましょう。

 そこには、ふんわりとやわらかいひよこと春の気配を感じさせるやわらかい草はらが現れでます。色には、線で描いたものをさっと面に変えてしまうような働きがあります。また、色は描いた対象物の特徴の大きな部分を占めているので、彩色することによって、描いたものが何であるのか、またどんなものであるのかを一目瞭然といったように描き手にフィードバックするのです。いわば、色の魔法です。

 子どもは、先生の賞賛の言葉と彩色によって返ってくる手ごたえによって、大きな満足を得ることでしょう。

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404.良さを見つけられてこそ

404.良さを見つけられてこそ
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 先日のセミナーでひとりの講師から、「○○くんはこれまで介助で描いていたんですけど、ひとりで描けるものがでてきました!」という報告を受けました。

 「それは、すごい!」と思いながらも、「たとえばどんなものが描けるようになってきたのですか?」と尋ねたところ、「ひよこです。・・・でも、きれいなマルで描くというわけではないんですよ。いちおうグルンっていうようなゆがんだマルでひよこの頭と体を描いて、まわりの草もここに描いてというと、グイーっと線を引くような・・・そんな描き方なんですけど」、とのことでした。

 これを聞いて皆さんはどう思われますか?

 「なんだ、そんなの描けるうちに入らないじゃない!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。私もセミナーで時折、「ゆがんだマルでしか描けないんです!」「草っていっても、長めの線をただ描くだけなんです!」というような発言を耳にすることがあります。

 とすると、先にあげた講師は過大評価しすぎているのでしょうか?
 ・・・そんなことは、ありません。私はその報告を聞いて、「この講師は、生徒さんへの評価の仕方、言うなれば発達の捉え方を心得ている、講師としてその域に達したな」と感じました。

・たとえゆがんだマルであっても、何もない白い画面上にマルが描けるとはどういうことなのか?
・草に見立てて、画面上のいろいろな場所にいろいろな向きで直線が引けるとはどういうことなのか?

 特殊教育では、私達が当たり前に行っているようなことについて、それができるとはどういうことなのかを細かく分析できることが必要です。その分析的な尺度をもって、一つ一つの機能を育てていってあげる、ある意味それが特殊教育です。

 なぐり描きから、ゆがんだマルへ、そして整ったマルへ、そこまでに到るプロセスには、小さなさまざまなステップがあります。そういった発達のプロセスを分析的に捉えることができて初めて、ゆがんだマルをも評価することができるのです。普通教育でもそうですが、特殊教育においてはことに、発達をそのように分析して捉えられることが求められます。

 ゆがんだひよこを「描けます!」と評価できた講師は、発達をそのように分析して捉えることができているのです。そして、講師のこのような肯定的な評価は子どもに豊かで大きな自信を持たせることができます。講師が心からほめてこそ子どもの自信は育てられます。良さを見つけれられてこそ、子どもは育つのです。

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