3149.~描く~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「昆虫から、海の生き物へ」(5月13日)~
おはようございます。西国分寺教室の佐藤です。
とても活発なTくんは3年生です。絵を描くことが大好きで、最近は毎週必ず海の生き物を描き、絵の具で彩色します。イルカ、クジラ、ジンベイザメ、シャチ、メガロドンなど、いろいろな種類を知っているのにはいつも感心させられます。
でもこのTくん、半年前までは大好きな昆虫、カブトムシやクワガタばかりを描いていました。しかも、画用紙に大きく一匹ずつでした。それがいつの間にか海の生き物に興味を持つようになり、一頭ずつだったのが、画用紙いっぱいに多くの海の生き物を描くようになりました。
大きいのを真ん中あたりにドンと描き、その周りを囲むように中くらいのや小さいのを10頭以上も描くので、絵に奥行きが出てきます。海の水の色にもこだわり、水色や青、時には紫や緑の絵の具を混ぜ合わせて、背景を塗っていきます。仕上がった絵を見ていると、リアルな水族館の中をのぞいているように感じるほどです。
先週の授業で描き終えた後、Tくんはニコニコしながらこんなことを言いました。「昔はよく昆虫を描いていたよなあ、なつかしいなあ」と。Tくんは、自分で自分の成長に気がついたのかもしれませんね。
◇ワンポイント・メッセージ◇
そうですね、Tくん、ついこの前まではクワガタばかり描いていましたね。講師も親御様も「同じものばかり描いていて、いいのでしょうか」と時に不安に思うこともおありだったようですが、「好きで、一生懸命に描いているのなら、肯定的に見てあげては」とお話ししたことを思い出しました。
「またクワガタ・・・?!」と否定的に見てしまっては、対象への興味、感じる力、見る力、表現する力の獲得と成長を妨げてしまいます。幸いTくん、そういった力がのびやかに育ったようですね。先日の絵画展の作品では、海の生き物が群れて旋回するように生き生きと描かれていましたね。