3136.~物語を味わう~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。
~今日のElephasブログ:「先生、また続きをやろうね!」(4月27日)~
おはようございます。東中野教室の北本です。
4年生になったNさんは、『白いぼうし』という国語の単元の学習中です。
文章中には具体的な説明がされていない箇所があります。
なぜ松井さんは「ぼうしをふり回したのか」
女の子は車から降りて、どこに行ったのか。
本文中の言葉だけではイメージが浮かばないようすです。そこで、
白い帽子とモンシロチョウと夏ミカンを作り、状況を視覚化し、理解を促していきました 。
これまでの生活の中で同様の経験が少ないために、想像がつかなったのでしょう。理解できたとき、
Nさんの表情がみるみる明るくなり、どんどん答えられるようになりました。
「4年の国語は、文章が長くて…」と言っていたNさん、
帰る時には「先生、また続きをやろうね!」手を振って帰っていきました。
◇ワンポイント・メッセージ◇
初夏を感じさせる情景が、複数の人々の気持ちを織り込みながら幻想的に描写されている名作ですね。白い帽子とモンシロチョウと夏ミカン、その一つひとつをNさん自身の経験を重ね合わせて捉え、その上でストーリーとストーリーについての講師との対話を通して、それらを関連づけていくことができたのでしょう。読解ワークの問に確実に答えられるように理解を深めることも大切ですが、この物語からNさん自身が五感を使って何か美しいものを感じ取ることができたら、すばらしいことですね。