4058.~言葉と行為とその意味が~

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「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 ・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・

 ~今日のElephasブログ:「マスクのお願い」(4月20日)

おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。

「今日は、みんなにマスクを着けてとお願いする掲示物を作ろう」、そう言ってKくんとパソコンの学習をはじめました。

ふだんのKくんは笑顔いっぱいで、マウスもキーボードもいきいきと動かしています。

けれどもその日は、操作のひとつひとつ、指先にためらいがあるように感じました。

「Kくん、作りたくない?」

すぐにKくんは、

「作りたいです」と答えていましたが、

もう少し質問をすると、

「マスクでコロナが長くなる」と伏し目がちに話をしてくれました。

講師は大きなミスをしていました。

自粛期間が長引き、好きな旅行にも行くことができなくなったKくんにとって、そのような状況をもたらしている新型コロナウイルスに関連する掲示物を作成することには、大きな抵抗があったのです。

「みんなにマスクを着けてもらう」というだけでは、Kくんの作業の動機づけにはなっていませんでした。

「Kくん、先生の説明が足りませんでした。ごめんなさい。みんながマスクを着けて、感染がひろがるのを防いだら、コロナももっと早く収束するかもしれない」。

Kくんの指先に、いつもの力が戻りました。

それから数週間後、

「マスクのお願いを作って、みんながマスクを着けて、まん延防止も終わったね」と、

Kくんがいつも以上の笑顔で教えてくれました。

 

 

◇ワンポイント・メッセージ◇

”Kくんが「マスクのお願い」を作ったら蔓延防止期間が終わった〝、すばらしいタイミングでした!「みんながマスクを着けて、感染がひろがるのを防いだら、コロナももっと早く収束するかもしれない」という講師による説明が、これほど身体にピッとフィットしたことはないでしょう。言葉の意味と行為の意味が相伴って、身体にドーンと入り込みましたね。すばらしい体験でした。

 

発達支援教室Elephas(エレファース) 

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