3073.~肯定的に~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。
・・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。
~今日のElephasブログ:「動物の話~世界が広がる」(2月13日)~
おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。
K君は動物が大好きです。講師との会話も動物の話題がほとんどです。「ライオンとトラ、どっちが好きですか」、何年も前から何度も聞いた質問です。
動物以外の話もできたらいいなと、いろいろな話題を振ってみたこともあります。けれども「わからない」で話が終わってしまうか、動物の話に戻ってしまうのでした。
しかし最近、K君の話がある広がりをもちはじめていることに気づきました。
ゾウ・トラ・サイの密猟から、印鑑・毛皮・薬の話に。世界各国の獣害から森林伐採による環境変化の話に。これらは以前にも話していたものですが、あえて「森林伐採」の意味について聞いてみると、言葉を言い換えて説明できます。
動物の絵を描いていても、「サバンナの乾いた大地の色は」「ここはアマゾンのジャングルの沼地を表現して」というように、動物の生活環境にも意識が向けられ、その色や形に奥行きが生まれています。
K君とは相変わらず動物のことばかり話しています。けれども熟語として知っていただけの「森林伐採」が、月日とともに具体性を帯びはじめ、生きた言葉としてふたりの会話のなかに入ってきています。
K君は動物たちの視点から、動物たちの周りに広がる世界とつながっています。そしてその話の端々に、動物の世界のさらに先にある人間の生活が見え隠れしています。いまK君は、K君自身の力で世界を広げています。
◇ワンポイント・メッセージ◇
K君の動物に向かうエネルギーは相当なものですね。あまりにそのエネルギーが強すぎると、私たち周囲の者はつい、”固執“というようなマイナスイメージで捉えがちですが、それだけの集中力は素晴らしいもの。K君は通常では感じえない程の魅力を動物に感じることができるのでしょう。
“いろいろな話題を振ってみること”も大切です。必要な時には他者の言葉に耳を傾けることができるよう促すことも必要です。しかし、そのエネルギーを肯定的に理解し、私たちがその興味に共感できることも必要なことですね。