5026.~気持ちを育てる?
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「ある日変化が」(5月22日)
おはようございます。Elephas中野坂上の梶谷です。
Kくんはこの春、小学校に入学したばかり。
文字を書くことにはなかなか興味を持てず、まずは自分の名前をきちんと書けるようになることが、最初の目標でした。
アプリ教材の楽しさには夢中になるKくんでしたが、プリントに向かう時間はどうしても短くなりがちでした。
そんなKくんに、ある日変化が訪れます。
「お父さんにプレゼントを作ろう!」 その何気ない一言が、Kくんの心を動かしました。
自分の意思で紙に鉛筆を走らせ、たどたどしいながらも一生懸命、自分の名前を書き上げました。
そして驚いたことに、その手紙は丁寧に折り畳まれ、開ける時のための小さな矢印まで描かれていたのです。
次の週、「お父さん、お母さんに手紙を書くんだ」と、Kくんは前回と同じように、一文字ずつ丁寧に書き進めていました。
折り目には剥がれないようにと、真剣な表情でテープを貼る姿も。
夢中になっていたアプリ教材はそっちのけで、伝えたい相手への想いに、心を寄せているのです。
「誰かに気持ちを伝えたい」「喜んでもらいたい」――Kくんの純粋な気持ちが、文字を書くことへの意欲を引き出しました。
ともすれば「文字を書く」ということを、単なる読み書きの練習や訓練として捉えてしまいがちです。
しかし、その根源には、きっと「誰かに何かを伝えたい」という、温かい気持ちがあるはず。
Kくんの姿は、その大切な原点を改めて講師に教えてくれました。
このような子どもたちの「純粋な気持ち」をどれだけ引き出せているだろうか――。
自身の指導を振り返る、貴重な機会となりました。
◇ワンポイント・メッセージ◇
「誰かに気持ちを伝えたい」「喜んでもらいたい」、子どもは自身の中に動機づけがある時に意欲的になります。「~しましょう」「~しなさい」という外からの促しには応じにくいことがあっても、自身の気持ちが動く時に子どもは力を発揮します。Kくんは、その好例ですね。きっと、お父さん、お母さんのことが大好きなのでしょう。それなくしては、ことは始まりません。大好きなお父さんお母さんだからこそ、お手紙を書きたい気持ちが、すーっと現れ、書字へとつながったのでしょう。すばらしいきっかけとなりましたね。