
61.生活にリズムを作る(6)靴そろえなさい!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
造形リトミック教育研究所
*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー
おはようございます。
午後になり、子ども達が帰ってきます。ひとりで帰ってくる子ども、お迎えに行く子ども、それぞれでしょう。いずれにしても、帰宅して玄関で「靴そろえなさい!」「靴は、靴箱に!」と言いたくなることと思いますが、そこをちょっと抑えましょう。
まずは、気持ちよく「ただいま」「おかえりなさい」と声を出しましょう。お迎えに行って一緒に帰宅する場合は、玄関で「ただいまー」と促すように一緒に言いましょう。子どもがひとりで帰宅する場合には、「おかえりなさーい」と言って迎えましょう。
では、脱いだ靴は?
「靴そろえようね」と言って、揃えて見せましょう。靴はこうして揃えるものだということをさらりと見せるだけでいいのです。
学校からの距離を歩いてくるだけで、へとへとの子どももいます。鞄を背負って、手に荷物を持って玄関にかがみこんで靴を揃えることは重労働の子どももいるでしょう。
かと言って、靴を揃えるなんてどうでもいい、というわけではありません。ただ、子どもの体力と疲労度を考慮に入れなくてはならないということです。
少し話は反れますが、造形リトミックでは音楽にのって線や図形を描きます。それは、学習効果を高めるために音楽の機能を分析して効果的に利用しているのですが、音楽の機能のひとつに「作業を軽くする、軽減化する」ということがあります。
たとえばクレヨンでの色塗り。「そんなの大したことない」と思われるかもしれませんが、子どもにとっては重労働なのです。手指をはじめ、微細な機能が分化していない小さな子どもやハンディのある生徒さんは、一生懸命に塗るとき、口まで力を入れて口を歪めて塗っていることがあります。色塗りは、それほど神経も使いますし、重労働なのです。
それを「ねれぬれ どんどん ぬれぬれ あか・・・」などと歌いながら行うことによって、作業が軽減化されるのです。歌いながら楽しく行えばできることも、「ちゃんと塗りなさい」と威圧するとできなくなったり、嫌いになったりするのです。
日常の行動もこれと同じではないかと思います。
歌いながら靴を揃えましょう、と言っているのではありません。子どもの体力や疲労度を考慮に入れましょうということです。
これから午後の生活が始まります。午後の時間を気持ちよく過ごせるように、まずはお子さんを気持ちよく迎えましょう。
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