409.音読
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
絵がすらすら描ければ楽しいように、文もすらすら読めれば楽しい!
教室で土曜日に勉強しているある生徒さん、読むことよりも描くことが得意です。造形リトミックの歌も大好きでいつもリピートを要求してきますが、彼の描き方は、彼独自のものです。輪郭をスルスルッと描くようなやり方で、次々に表現していきます。造形リトミックの描順とは別に、彼はもうひとつ独自の描き方を持っているのです。
彼の作品には、たいてい登場人物が複数存在し、まるで物語の一場面のように仕上がっていきます。まだ言葉数が少なく、話すテンポはゆっくり目のこの生徒さんにとっては、絵が表現手段のひとつになっています。
でもそんな彼も、毎週音読を繰り返すことによって、少しずつ音読も”スラスラ”に近づいてきています。文字はもうよく読めているのですが、それを音声に変換するのにまだ少し時間がかかっています。また、音声に変換できた後にもそれを呼吸を整えながら口腔内の筋肉を使って、滑舌よく発声するのにまだまだトレーニングが必要な段階です。
しかし文字を追う目の使い方がとても上達してきていることに、先日気がつきました。彼は読めない文字があると指で示してこちらに視線を送り、「何て読むの?」と目で問いかけてくるのですが、彼の指はいま発音している単語のひとつ先を追っているということがわかりました。
「読む」というと、文字の知識や発音の機能に着目されがちですが、スラスラ読むためには、文字を順に追う目の機能も欠かすことができないほど大切な要素なのです。実際に読んでいるところよりも、目が先へ先へと進んではじめて、すらすら読めるのです。
造形リトミックの基礎線描は、描くトレーニングでありながら、目のトレーニングでもありますが、幼児期から積み上げてきた追視のトレーニングが、テキストの音読にもこのように直結しているということをあらためて認識しました。
ーーーーーーーー
造形リトミック研究所
>>発達障害 知的障害 Elephas/エレファース 公式サイト http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール