407.描き続ける子ども
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
2月18日、ちょうど1週間前の教室ブログで津田沼教室の講師が「うさぎ」を描き続ける生徒さんのことを記述していました。この生徒さんが最初に興味をもったのはたしか「ライオン」だったように記憶していますが、その後は「うさぎ」になってそれが数ヶ月以上は続いています。教室でも課題のあい間あい間に描いていますし、ご家庭でも繰り返し描いているそうです。
先週のブログを読んでくださった方はご記憶にあるかと思いますが、でもその甲斐あって
・書く技術がステップアップした
・集中力がついた、とのことでした。
この生徒さんだけでなく、同じものを繰り返し描く生徒さんは少なくありません。「ライオン行く、ライオン行く」と言って教室に来る生徒さんや、「ロケット、ロケット」と言って通ってくる生徒さんもいるほどです。「うさぎ」も「ライオン」も「ロケット」も造形リトミック:歌唱造形の中のテーマです。
子どもは自分で描けたことにとっても満足して、くり返しくり返し描くのです。大好きなものが描けたからうれしい、ということもあれば、描けたからそのものが大好きになるということもあります。また、好ききらいとは別に、”描けること”、そのこと自体がうれしいということもあるのです。
ピアノを習い始めた子どもが、まだ上手に弾けなくてもピアニストのように鍵盤の上で指を滑らせてみたり、パソコンにどうにか1文字1文字入力しているような状態でも、連続入力するかのように指を動かしてみたり、まだ文字が書けないのにすらすらと書けるかのように鉛筆を走らせてみたり・・・
とにかくスラスラできるというのは憧れですし、それができているときはとても楽しく”快”の状態です。まずはじめにどうする、次にどうする、その次に、その次に・・・と脳が連続的に働き、それにしたがって手指も連続して動く。
そのことによって、脳の機能は活発化しさらに発達します。もちろん手指の機能も、認知機能も発達します。また心理的に”快”の状態は、他の情報の獲得にとっても良い状態ですし、情報の吸収力もアップさせます。
時に、「いつも同じものばっかり描いて・・・」と思われるかもしれませんが、描き続けているお子さんの中で今なにが起きているのか、今どんな状態であるのか、を想像してみましょう。作業手順を心得て、次々と展開していき、それに従って、次々と手指に指令を送っているのです、そして手指はその指令どおりに働いているのです。
それを可能にしている子どもの中のエネルギーには相当のものがあります。それだけのエネルギーがあれば、さらに成長、発達が促されていくことでしょう。
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造形リトミック研究所
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