406.色の魔法

406.色の魔法
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 なぐり描きの段階のお子さんの絵であっても、一緒に彩色してあげましょう。黄色くぬれば、ひよこ。白くぬって、頭の赤いとさかとあごの赤い肉だれ、そして黄色いくちばしをぬれば、もうニワトリです。まるを白やオレンジでぬって、ぎざぎざと割れ目を入れれば、たまご、です。

 ひよこやニワトリには、水性のマジックペンで目を描きましょう。お子さんの勢いで、思わぬ目になることもありますが、それはそれです。

 教室では今月、鳥の絵を思いっきり楽しんでいます。楽しんだ後は、教科の学習にも意欲的になれます。また、お母さんと離れるのが苦手な生徒さんも、絵を描くことを楽しめればお母さんと離れていることさえ忘れてしまいます。そうして、講師と安心して充実した時間を過ごせると、子どもには親御さん以外の大人への信頼感が育ちます。

 このブログには母子分離についてのお問い合わせが日々多いのですが、母子分離へのポイントは「お子さんをお母さんから離そうとしない」ことです。離そうとすればするほど、お子さんはお母さんにしがみつきます。「お母さんと一緒だよ。一緒に先生と楽しいことしようね」というスタンスで臨めば、お子さんは安心して課題に取り組むことができます。そのとき、絵の具での彩色は、お子さんの興味を引き出す恰好の課題となります。

 色が魔法のようにさーっとものの形と特徴を表し、その対象への興味でお子さんの意識をぐいぐい引きつけます。多少不安を抱えながらも、目の前の出来事が興味深ければ、お子さんはお母さんの存在をそのときは忘れています。最初は短くても、少しずつそんな時間を伸ばしていけば1時間くらいのひとりでの課題への集中は可能になってきます。

 このプロセスで、ひとりでできた自信や親御さん以外の大人への信頼をしっかり育てられればその信頼感はより複数の大人へと広がっていき、母子分離もスムーズに実現していくことがきっとできます。

 きょうは色のお話のつもりでしたが、母子分離の不安についての質問のことが気になっていたものですから、ついお話がそちらの方向に行ってしまいました。少しでもお役に立てればと思います。

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