394.笑顔、気持を和める
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
小田原の「寿獅子舞」、江戸期から受け継がれて来たと言われています。先日折あって、それを間近に見ることができました。この舞には、単純なストーリーがあります・・・、
・・・里に下りて遊びつかれた獅子が眠っているところにおかめとひょっとこがやってきました。打ち仕留めて食べてしまおうと相談して一撃を加えたところ、獅子を起こしてしまい、逆に獅子に追われて逃げていきました・・・(インターネット:寿獅子舞より)。
現在の形に到るまでにはいろいろとアレンジもあったようですが、お囃子と掛け声と、獅子とおかめとひょっとこの滑稽な動きによる素朴な芸能です。
それでも不思議と獅子頭や面をかぶり、それが動き出すと、そこには獅子やおかめ、ひょっとこが実在するかのように現れ出ます。面の不思議ですね。中でも最もインパクトがあったのは、おかめです。皆さんもご存知の、あの目を細めて口を吊り上げたようにして笑っているあのおかめ顔です。
笑顔を見ていると、こちらも笑顔になります。生後間もない乳児でも、笑顔と怒り顔との弁別をしているという実験報告がありますが、私達は笑顔を見ると、気持も和むような学習をしてきています。しかもそれは、乳児の実験にもあるように、相当初期の時期から獲得しているようですね。
教室に、人の顔はもちろん、動物であれ虫であれ、鳥であれ魚であれ、必ず「笑っている顔」にする生徒さんがいます。知的障害や発達障害を持つお子さんの多くは平和主義で、争いごとやマイナスの出来事を嫌います。通常以上に平穏への強い志向があります。環境が平穏であることによって、自己の平穏を保つのでしょう。環境の平穏に多少でも揺らぎがあると、自己の平穏も崩されやすいのです。
おかめを見ていて、笑顔に感じ入る人間の作用に驚きました。そういう意味で、生徒さんも、笑顔の絵や写真を生活環境の目に見えるところにいつも貼っておかれたらどうでしょう。最近、無謀な交通行為を戒める目的か、隈取をされた怖い目の顔がよくバスの側面に貼られているのを見かけますが、ちょうどその逆です。
気持を和ませてくれる笑顔を、いつも見えるところに貼っておきましょう。私達もなるべく笑顔を見せましょう。気持を和ませ、気持に働きかけるような笑顔を。来月は、そんな作品作りを試みてみましょうか・・・。
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造形リトミック研究所
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