386.カルタ、楽しんでますか?

386.カルタ、楽しんでますか?

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 今日食事をしていたレストランで、3、4才の女の子がお料理が届くまでの間カルタをしていました。「ここはお店だからね、カルタはお家でやるんだよ」というおじいちゃまの声かけにもがまんができず、テーブルいっぱいに広げてカルタが始まったのでした。

 お母さんが札を読み、女の子が一生懸命に絵札をさがします。横でおじいちゃまもヒントを与えながら応援しています。とてもほほえましい光景です。

 聞こえてくるのは、なにやら「ひらがなカルタ」のようです。正確な文は記憶していませんが、たとえばこんなふうです。
「あひるさん、ありとなかよく、あそんでる」「かささして、かめが からすとさんぽした」「たぬきが たくさん、たうえした」・・・のように、ひとつの音がつく3つの言葉で作られた文が読み札になっているのです。

 後ろのテーブルのご家族だったので、カルタの絵までは見えません。文を聞いて、どんな絵かなと想像しました。言葉は不思議なもので、聞くと意図しなくても頭の中には自ずと絵が描かれ、イメージが広がっているのです。長しかくの絵札の枠の中にカチッと想像の絵がはまっていきます。

 もし、実際に描いてみたら、想像しているのよりもはるかに詳細にイメージが具体化されるでしょう。
「どんなあひる?」「どっち向いているの」「どんな足?水かき?」「あり、どのくらいの大きさ?」「どんな顔?」「あそんでいる、どんなあそび?」「どこであそんでいるの?」「まわりの風景は?」「お天気は?」「色は?」・・・と。

 描くという作業は、言葉をより具体化することです。イメージの中では大まかであいまいだったものを詳細に一つずつ決定していきます。

 描くことは、言葉と映像を一つずつ対応させていきます。発達障害をもつお子さんの中には、言葉と映像がうまく結びつかないケースがあります。そのようなお子さんにとって、カルタは有効な教材となりますね。

 絵本にも同じような機能がありますが、カルタの方が絵も言葉も小さく短くまとまっているので、把握しやすいでしょう。限られた空間と限られた語数の中に一つの世界が描かれている、という面白みがあります。。

 発達障害を持つお子さん、カルタを楽しんでいらっしゃいますか?絵札の文字だけを見て、また絵札の一部だけを見て、カルタとりをしているのかもしれません。楽しめればまずはそれでいいのですが、できたら絵と言葉を結びつけてお話してあげましょう。

 あひるとありはバラバラにいるのではなく、「なかよく」「あそんでいる」のです。両者には、関係性があるのです。

「なかよく、あそんでいる」という言葉には、両者の関係性が語られているのですね。私達は、その言葉にその関係性をも自然に聞き取っているのです。発達障害を持つお子さんにとって、カルタがそんなことに気づいていくチャンスになるといいですね。

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造形リトミック研究所
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