372.学習は作業です!

372.学習は作業です!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 そう、学習はまず「作業」です。考えることよりも、まず取り組むことから始めましょう。机に向かいたくない、鉛筆を持ちたくない、教科書を開きたくない、・・・もしそんな状況であるならば、「よく考えてごらん」という学習は少々ハードルが高すぎます。

 はじめは机に向かうことで、「よし」としましょう。そして、教科書とノートを科目ごとに揃えて本立てに整理する、鉛筆と消しゴムを鉛筆箱にきれいにおさめる、・・・などの簡単なことを短時間(5分から10分)行うだけで、「あしたから、勉強しようね」とその日は気持ちよく終わらせましょう。

 そして、次の日から、少しずつ学習に取り組ませていきます。といっても、「よく考えて」という学習は、まだ早すぎます。問題の少なめのワーク1ページ(または半分)でもノート1枚(または半分)でもいいですから、答をどんどん教えてあげながら書き込むことから始めましょう。

 書くのが苦手であるのなら(※)手を添えてあげても構いません。苦手な文字を必死で書くこととワークやノートを埋めることとを同時にやらせようとしないことです。無理をさせれば、勉強から遠ざかるばかりです。

(※書字は書字として、別の場で手指の巧緻性トレーニングと認知の基礎
トレーニングを行って、書字能力を保障してあげることが必要です。闇雲に励ましたり、がんばらせてできるものでは
ないからです。)

「勉強って、こうすればいいのか、なんだかんたんだ」という体験を十分に積ませてあげましょう。

 これが作業としての勉強です。まずは、「かんたん」から。そして、できて「うれしい」「楽しかった」。やがて、答を写しながらでも「あっ、わかった」「こうなんだ」ということで、「知る」ことができます。そこにたどり着くまでは、あせらずに、「かんたん」「楽しい」という体験を十分に積ませてあげましょう。

「えっ、写すだけでいいんですか?」「そう、いいんです」。3学期は心に決めて、このような作業学習だけに絞るのも方法のひとつです。もし今、学習がこじれてしまっているとしたら、これくらいの仕切り直しが必要です。

 さくらが咲く頃には、もう少し楽に机に向かうようになっていることでしょう。ご家庭で仲よく学習に取り組めるようになっていることでしょう。数ヶ月後が楽しみです。

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造形リトミック研究所
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