351.話したい・書きたい
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
自分の中から溢れるように表出する言葉、それは話し言葉だけではありません。書き言葉もあります。
「・・・お母さんはいつも毎日優しくて、いきなり怒られて、家族や親戚まで怒られました。
おじいちゃんの面倒を見ていた。ところがお母さんは勉強をしないでおじいちゃんから怒られた。
勉強しないでおじいちゃんに怒られて今度はお母さんがすごく怒ったのに、
人を怒られるのがいやだなあと皆さんには迷惑をかけて申し訳けありません・・・」
生徒さんがパソコンに打ち込んだ長い文章の一節です。この話は、日頃から口頭でもよく出てきます。文法的には接続詞や副詞も適度に出てきて受動態も使いこなしていますが、主語と述語の組み立てや助詞が適切でないために伝わりにくく、推測しなくてはならないところがあります。
しかし、この生徒さんの息遣いや気持ちの流れ、勢いといったものはしっかり伝わってきます。本来のこの生徒さんのユーモラスな面も感じられ、文章自体はかなり怒っているのですが、最後で「ふっ」と笑ってしまいます。
もちろん、言語学習としては赤ペンを入れなくてはならない箇所がたくさんあります。また講師としては、
「これまで、なに指導してきたの?」と咎められそうですね。でも、
「ここまで育ったんですよー!」と誇りたい気持ちもあります。
赤ペンを入れることも必要です。しかしその大前提として、まず書き手の心を受け止めましょう。その心を受け止めたら、こちらも心から返しましょう。それが、コミュニケーションです。
造形リトミック教育研究所
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