348.伝わってる?
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
私達は通常、分からないと思って話しかけているのではなく、わかるだろう、伝わっているだろう、という前提で話しかけています。
たとえば母親は、言葉をはじめて耳にする赤ちゃんにも、伝わっているということを疑わずに話しかけています、「おはよ!」「いい子ね~」「おいしいおいしい」・・・などと。だから赤ちゃんは、やがて言葉を獲得していくのです。
人間には、文法を獲得して言語を繰る機能が生得的に備えられているとは言え、思いをかけて話しかけられることなしでは、言語機能は育ちません。
私達は、犬やネコ、ペットにも同じ思いで話しかけます。時には、花や木に話しかけることもあるかもしれません。それは、犬やネコ、植物に生き物としての共感性持つからです。子どもは、物に対しても話しかけることがあります。子どもには、物にも命があるような感覚があるのでしょう。それは、全てのもに霊(anima)が宿るというアニミズムに通じるものです。何れも、言葉よりも、気持ち、気息、生気といったものが優先されているコミュニケーションです。
私自身、発語のある生徒さんにもまだ無い生徒さんにも同じように言葉を通してコミュニケーションをとります。その時、生徒さん自身に発語が有るか無いかは意識に上っていません。今こうして改めて振り返れば、「同じように」と言っても、
無意識のうちに、こちらも声の出し方やテンポを調整しているのだと思います。同時に、表情や仕草や動作も変えているでしょう。
一方的に、機械的に投げかけた言葉は届かなくても、共感性を伴って発した言葉は伝わります。日々の生徒さんとのコミュニケーションにおいては、こちらの言葉の働きにも磨きがかけられます。
造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール
nan