2044.~体感と言葉~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。
それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。
・・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。
◇ワンポイント・メッセージ◇
~Elephasブログ「平行って?」(11月3日)
・・・小学4年生のKくんとの「平行と垂直」の学習でのことです。教室いっぱいに2本の紙テープを延ばし、
「バッテンにならないこと」を目の前で確認する作業を取り入れてみました・・。
「バッテンにならないね!」とKくんが平行を納得しました、とのことです。
このひと手間と工夫が、Kくんにとって「平行」をぐっと身近にしたことでしょう。
教科書の中の図を見ただけで、「これが平行」、「これは垂直」と言われても、
どちらがどちらなのか混乱してしまいます。
これらを紙面の上でのみ確実に捉えるには、2つの基礎的要素が必要です。
ものの位置を理解する空間認知の力と、言語と文字の感覚的理解力です。
前者は、遊びの中で体得していくものです。
縄跳びの縄を地面に平行に置いて飛んだり、ろう石で地面に線路を描いたり、
綾とりの糸も平行になる瞬間があります。
垂直の経験は平行にくらべると少ないのですが、日常的にはよく目にしています。
地面に平行な鉄棒に対し、支柱は垂直です。滑り台も階段と滑る面は斜めですが、支柱は垂直です。
垂直には安定感を感じ、平行には美しさとどこまでも続く感覚を得ます。
後者は、後に得る言語知識ですが、体験と言葉とは感覚的に一致していきます。
文字においても同様です。感覚的に把握されていれば、平行と垂直が行動されることはありません。
(これは、リズム造形で「ぎざぎざ」と「ゆらゆら」とが全く別物であることに通じることです。)
Kくんにとって、教室いっぱいに延ばした2本の紙テープと「平行」の言葉とは、
長く記憶に残ることでしょう。
造形リトミック研究所
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