3525.~漢字学習、ひた向きに~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「3枚すべて100点!」(7月27日)
おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。
「あのう、見せたいものがあるんです」
授業開始の挨拶をするとすぐに、T君が口を開きました。
講師よりも先にT君が話し始めることは、とても珍しいことです。
T君はカバンからプリントを取り出し、机の上にひろげました。
それは3枚の、小学校の漢字テストでした。
小テストではありません。
学校で習ったばかりの漢字が20問、あるいは50問のとても大きなプリントです。
「次のテストはわかりませんが、これはできました」。
3枚すべて100点でした。
講師から戻された3枚の漢字テストを丁寧にたたむと、T君は講師のわきにあるプリントを指さして言いました、
「これがやりたいです」。
予定していた読解問題は後回しにし、T君が希望した漢字プリントを行うことにしました。
T君はぼそぼそと書き順を声に出しながら、一文字一文字、大切に書いていきます。
ひらがなで解答して構わないところでも積極的に漢字を使っています。
どちらかと言えば漢字を書くことに消極的だったT君。
けれども長い休校を利用して、ご家庭でも教室でも漢字学習に割く時間を増やしました。
T君はいま、新出漢字だけではなく、小学校で習ったすべての漢字の習得に取り組んでいます。
◇ワンポイント・メッセージ◇
T君、快挙ですね。どれほど嬉しく、自信になったことでしょう。ご家庭や教室での休校中の蓄積が、さっそく目に見える成果となりましたね。「T君はぼそぼそと書き順を声に出しながら、一文字一文字、大切に書いていきます」、T君の漢字学習に向かうひた向きな姿勢が窺えます。また「ぼそぼそと書き順を声に出しながら」、実はこれは漢字習得の効果を上げるポイントです。言葉が書字(行為)を引っ張り、ひいてはその両者が記憶を高めます。「次のテストはわかりませんが…」とT君極めて謙虚ですが、この姿勢で取り組んでいけば漢字力は確実に伸びていきます。