383.国語の読解学習~(3)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
文章読解の学習で、気持ちを問われている問題に答えることが難しいという報告や相談をよく耳にします。
テキストの書き手や登場人物の気持ちを推測する、また事態や状況から彼らの気持ちを判断する、そこには、文意を理解するという言語理解の問題と、気持ちや他者との共感性が育っているかという情緒の発達の問題の2つが関与しています。
発達障害をもつ生徒さんの場合、多くはその両方の問題を抱えています。ですから、この両方の問題にひとつずつアプローチしていくことが必要です。
まず、文意の理解についてはここ2回ほどお話させていただいたように、ひと段落ずつていねいに、読んだり書いたり、聞いたり、見ないで言ってみたり、文を再構成してみたり、とくり返しくり返し文に馴染むような学習を積み重ねていきましょう。
そして、気持ちの発達を促し、共感性を育むことについては、日々の生活の中でことに触れ折に触れ言語を交えて気持ちや共感性を育てていくことです。
発達障害をもつお子さんは幼児期に、人との関係性が希薄であったり、言語発達が十分でなかったり、ものや人への関心の幅が狭かったり、またそこに偏りがあったり・・・、といういろいろな理由から、感情が十分に育っていない、それに伴って感情に関する言語が獲得できていない、ということがあります。
年齢に関係なく、気づいたときから少し意識して感情を育てていってあげることです。お子さんに伝わるように、ていねいに話しかけましょう。ただし、しつこくならないように。
冬の朝・・・
「今日も寒いけど、気持ちがいいわね。ほら、お日さま出てきたわよ」(感覚・気分)
「温かいお味噌汁(スープ)おいしい、あったまるわね。ぽかぽかしてきたわね」(感覚・気分)
テレビのニュースを一緒に見ながら・・・
「すごい雪ね。寒そう、東北の人たちは、雪で大変ね」(共感)
「湖に白鳥が来たんだって、わぁ、たくさん来たのね、白鳥って、きれいねぇ・・・」(感動)
学校の話・・・
「マラソン、がんばったのね。走ったら、暑くなった?最初は寒くて”やだなー”って思うことあるけど、走ったあとは気持ちいいよね!○○くんもがんばった?」(分析・推測)
「今日の給食は?いよかん?そう、すっぱかったの。でも、ちょっとあまかった?あまずっぱーい!!」(味覚:講師の報告より)
夕食(カレーライス)・・・
「○○くんが手伝ってくれたから、助かった。ちょっと辛口でおいしいね。きっと、お父さんが喜ぶね!」(味覚・推測)
「学校でもカレー作ったでしょ。みんなで分担してできた?そう、ひとりだけできなかったら、かわいそうだもんね!」(配慮・推測)
・・・というように、目に見えないものや形になっていないものを表現することを生活の中でお手本として示していってあげましょう。
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造形リトミック研究所
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