350.コミュニケーションって

350.コミュニケーションって
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 言語学習とコミュニケーション学習とは重なるところがありながら、異なるところがあります。もちろん言語を用いないノンバーバルナコミュニケーションもあります。しかし、通常のバーバルコミュニケーションにおいても、言語学習イコールコミュニケーション学習ではないのです。

 言語があってはじめてコミュニケーションが成立するとすると、やはり言語のない生徒さんとはコミュニケーションが出来ない、ということになってしまいます。すると、数日前にお話した研修生のように、「あのお子さんは言葉がないので・・・」ということになってしまうのです。

 発語のまだない生徒さんとも、言語を通してコミュニケーションをしていきましょう。生徒さんの息遣いを感じながら、生徒さんの存在を感じながらコミュニケーションをとっていけば、伝わります。生徒さんからも、返答や語りかけがあります。生徒さんからの返答や語りかけ感じとっていきましょう。

 「語る」とは、また「相手に言葉をかける」とは、思いや気持ちを相手に橋渡すことです。人は感情が動くときに言葉を発します。ですから、構音や文法能力がまだ発達しきらなくとも、また十分に備わっていなくとも、話したくてたまらないという生徒さんたちがいます。それほどの気持ちの動きや流れのあることは、私はとても良いことだと思います。

 多くの生徒さんはそんな時、言葉の前段階の声を出します。笑い声を立てる場合もあります。中には、抑揚だけで話すような段階もあります。幼児期のジャーゴンもその一つです。語彙も構音や文法能力もまだ不十分であるのに、一人前に話をしようとしている状態です。絵で言えば、なぐり描きの段階です。文字でもそうです。大人気取りで鉛筆を持ってめちゃくちゃ書きをしている段階です。

 でもその気持ち、志向、勢い、発信を大いに認めて、応えていってあげたいものです。教育に携わる立場では、このようなコミュニケーションの本質的なあり方に感じ、気づいていきたいものと思います。

 造形リトミック教育研究所
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なかのひと

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