335.ソーシャルスキル:ぼくが1番!
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
「何でも自分が1番でなくては気がすまない!」ということで親御さんが困っているケースが時々あります。
まず、「順番に並んで待つ」ということを教えてあげなくてはいけない段階があります。初めて経験する順番は、どんな場面ででしょう。公園でブランコの順番を待つ、滑り台の順番を待つ、といったあたりでしょうか。誰でも最初は順番があるということを知らずに、目の前のブランコや滑り台に一目散で駆け寄っていきます。そこで親に引き止められ、「順番よ」「順番ね」と促されて、みんなが順番に待っていることに気がつきます。そうやって、「順番を待つ」という社会的行動を身につけていきます。
それがだんだん、お店でレジの順番を待つ、電車を順番に並んで待つ、遊園地で長蛇の列に並んで待つ、というふうにいろいろな場面に広がっていきます。
しかし、このように教えればすむことであればことは簡単でしょう。問題行動とはなりません。では、教えてもすまない場合とは?。
ひとつは、器質的に「イライラする」「じっとしていられない」という場合です。また「待つ」という時間的行為が理解できない場合もあります。器質的に、あるいは発達段階的に難しいのであれば、いくら教えても「順番を待つ」ことはすぐには実行できないでしょう。
よく親御さんも言われます、「絵カードで教えているときは、理解できていても、実際の場になるとダメなんです」。そうなんです、「分かっているけど、できない」ということです。
この場合は、スモールステップで段階的にトレーニングしていきましょう。
・1~2人、または2~3人待てばよい段階から始めましょう。いきなり、5人も6人も並んでいるような場面は避けることです。そこでイライラさせてしまうと「順番・待つ=イライラ」という関連を強化してしまうだけで逆効果です。
・お店もなるべく込まない時間帯を選んで連れて行きましょう。
・「待てば、自分の順番がくるんだ」という時間的行為を意識的に体験させましょう。「順番」「順番に待とうね」「次だね」「さあ、○○ちゃんの番だね」というように。
・順番を待てたら、ほめてあげましょう。
もうひとつは、気持ちが満たされていない場合です(つづく)。
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