331.生活の学習

331.生活の学習
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 きのうの「安心して学習を」のつづきです。それは日常の数の学習でありながら、生活の学習としての意味もあります。

 衣類の整理整頓、洗濯、クリーニング、清潔、というような課題に積極的に関心を持ち、すすんで行動できるようになれば・・・という思いももって学習の課題としています。

 と言っても、「脱いだもの、ちゃんと片付けてる?」「いつもきれいなもの着てる?」「自分のものは、自分で洗濯しようね」と規範的なことを言うのではありません。「クリーニングやさんか、・・・お母さんが出してるよ」「お父さんの、ワイシャツ。ズボンもね」、とまずは関心を持ってくれればいいのです。

 そして、少しお家での様子を聞きます。そして、必要あれば少し関心を持って関わることができるように、生徒さん自身、または親御さんに提案します。

・自分専用のハンガーを用意する
・ことに女の子だったら、マスコットを下げるなどハンガーに工夫をする
・クリーニングを出す、受け取る、のお手伝いをする
・クリーニングの預かり票をテープで貼っておいて、受け取りに行く日をチェックする係りを担当する
・家庭内での洗濯に関心を向けてもいいですね。
 ※たたむことより、洗濯機の操作のほうが関心を持たせやすいでしょう。

 このように、あらゆる機会を利用して、生き生きと積極的に生活に取り組むきっかけ作りを心がけていきます。そのきっかけ作りは生徒さん一人ひとり異なります。しかし、誰に何をと取り立てて考えるのではありません。生徒さんとお話をしたり、親御さんから家庭や学校でのようすを伺うことによって自ずと浮かんでくるのです。

 多くの生徒さんにとって、算数も国語も学習のほとんど全ては生活のためのものです。ですから、生徒さんが生きる上でその学習がどのような意味を持っているかを意識して学習を進めることはとても大切です。必ずしも「役に立つ」「必要だから」ということが目的でなくてもいいのです。「楽しいから」「好きだから」だけでもいいのです。ただ、教科書を追うだけの学習にはならないようにしていきましょう。

造形リトミック教育研究所
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