3714.~就学を前に~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「」(3月17日)
おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。
プリントに一頭のゾウのイラストが描いてあります。
「これはなんですか?」、すこし前まで講師の質問にすぐ答えていたSくん。
けれども最近は、答えではなく質問が返ってきます。・・・「これはなに?」
「そうだね、ゾウだね。じゃあゾウをかぞえてみよう」、・・・「1」
丸いシールに1から5までの数字が書いてあります。
ここでもSくんから質問があります、「1はどれ?」
「1は、いまSくんの指についているよ」
Sくんは1を知っています。すでに1のシールを選んでいます。けれども質問をして確認しています。
「すごいねSくん。もう1を持っていたね。正解だね」
講師は拍手をし、Sくんはゾウの横に1のシールを貼ります。
「2はどれ?」「5はどこ?」、Sくんの質問はつづきます。
講師も答えつづけます。拍手をします。
Sくんといっしょに3羽のペンギンをかぞえました。
そしてSくんは3のシールをさがしはじめました。
「3はどこ?」また質問です。
けれどもすぐに、今度はもう少し大きな声でおなじ質問がありました。
「3はどこ!」、どこをさがしても数字シールの中に3はありません。
講師が3のシールを作り忘れていたのです。
「3がない!」、Sくんはもっと大きな声で言いました。
講師の質問にまたSくんが答えてくれる日も遠くないかもしれない、そう思いながら、大急ぎで3のシールを作りました。
◇ワンポイント・メッセージ
Sくん、分かっているのだけれど、質問せずにはいられない。そして、そこにあるべきもの(3のシール)がないと、気持ちが少々動揺してしまう。Sくんは、年長さん。もうじき、就学です。学校選び、学級選びで、この一年間は少々落ち着かない年であったのでしょう。Sくんのようすがこれまでとは、ちょっと異なります。そんな時、そっと寄り添ってあげることが大切です。Sくんの質問に答え、できたことを拍手で褒める。さりげない対応が、Sくんを安心させることでしょう。