3662.~探求する力~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「好きなものを生かして」(1月15日)
おはようございます。統括本部の山下です。
生徒さんの好きなものを把握して生かす・・・この大切さを感じることが最近ありました。
Sくんは電車が好きで、同じく鐵ちゃんの講師と話題が合い、よくその手の話をします。
その一方で絵やイラストを描いたり、何かのロゴマークをデザインしたりするのも好きです。
好きな路線、車両の絵や鉄道会社のロゴマークを描いたりします。
Sくんが描くロゴマークには実在のものもあれば架空のもの、つまり自分で考えた鉄道会社のマークもあったりします。
また、元気な男の子で寒い季節の今でさえ、可能な限り半袖Tシャツと半ズボンで毎日挑んでいます。
彼は自分が着ているTシャツのブランドロゴも好んで絵に描き、こちらもオリジナルのブランドロゴを考え出しています。
最近考えたのは横浜を拠点とする架空の超人気Tシャツブランドで、ある動物のキャラが吹き出しで英語のセリフをアルファベットで喋っているものでした。
横浜を、あえて「横濱」と表記し、この『濱』を取ったブランド名も考え出しました。
この架空のブランドロゴを描く際に、中心に据えるキャラの動物に関すること、キャラクターを取り囲むデザインの円に関すること、キャラが吹き出しで喋る英語のセリフに関すること等、様々な題材があり、これらを授業で取り上げることで学習内容が広がりました。
キャラクターの動物は水生生物で獰猛な仲間もいる種類、歌唱造形にも登場するので絵描き歌をやってみたり(Sくんは小学生ですが高学年なので歌いながら描くときに少し恥ずかしそうでしたが)、この動物について教室の図鑑やネットで調べたり、分類上どんな種類が他にいるのか、卵で生まれるのか子供を産むのか、地球上のどこに分布し、そこはどんな気候なのか・・・等々、造形・歌・本で調べること、理科・社会もできました。
ロゴの外周を囲む円については、図形としての円が考え出された歴史、なぜ円周率πが必要になったのか、なぜπを3.14という近似値にするのか、小数って何?、分数って何?・・・等々。
キャラクターのセリフ(英語)については、この英文の意味(Sくんは帰国子女なので容易に理解できるのですが)、アルファベットを使ったローマ字表記(特にSくんの好きな鉄道関連、駅名)、ローマ字練習の一環としてタイピングに挑戦・・・等々。
もちろん、いっぺんにはできませんが、Sくんの好きなものに関連する一つ一つを取り上げて授業に生かし、丁寧に取り組むことができました。
◇ワンポイント・メッセージ
時には、こんな授業もイイですね。または、授業の一部に、毎回こんな取り組みが入るのもイイですね。Sくんの外にもちょっとしたことから興味が広がり、学ぶ力、調べる力、探求する力が育ち、支援学級に在籍しながら学年相当の教科学習を行い、来春からの中学では情緒障害学級への進学が決定した生徒さんもいらっしゃいます。IQの数値にも伸びが見られます。気持ちよく、意欲的に学べること、すばらしいですね。