3573.~生活の美~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「静かに実を結ぶ」(9月21日)
おはようございます。武蔵境教室の伊藤です。
洗面台の前で生徒さんがうがいをしています。
ふと生徒さんが天井を見上げていることに気づいて驚きました。
これまでなら鏡に映る生徒さん自身の顔や、その奥に見える講師の顔を見て笑っているはずなのに。
そういえば聞こえてくる音も違います。
新型コロナウイルス対策がはじまったころ、生徒さんは紙コップの水を口にふくむだけで「うがい」を終わらせていました。
それがしばらくすると、ブクブクと音が聞こえるようになりました。
そしていま、たぶん真剣な眼差しで宙のどこかを見つめて喉をふるわせています。
ゴロゴロという音が洗面所に響いています。
変化に驚いていると、背中に気配を感じました。
振り向くと別の生徒さんが静かに立っていました。
この生徒さんは以前、洗面所が混雑すると、待合室と洗面所のあいだをあわただしく行ったり来たりしていました。
けれどもいま、じっと順番を待っています。
「ごめんね。もうすぐ終わるから」と講師が言うと、お先にどうぞと手のひらを講師に向け、ぺこりとお辞儀をしてくれました。
洗面台の紙コップやティッシュペーパーの箱がきれいに並んでいます。
洗剤の白い泡が蛇口や壁に飛び散っていたり、ティッシュペーパーがゴミ箱のまわりに落ちたりしていることもほとんどありません。
ご家庭や学校や教室での繰り返しが、静かに実を結んでいます。
◇ワンポイント・メッセージ◇
「生活の美」「暮らしぶりの美」ですね。しかもそれはうがいに限らず、意識やしぐさにも表れているとのこと。そもそも「しつけ」とは、身に美しいと書きますが、コロナ対策への真剣さと習慣が美をもたらしているようです。マスクも当初は耳からズレがちだったのが、今はしっくりと身に付くようになっているようにも感じます。