親御様インタビュー(発達支援教室エレファース)
情緒級から専門職を目指すK様(IQ20アップ)
小学校入学時は知的支援学級に在籍され、中学校からは情緒級に在籍されているK様の親御様にお話を伺いました。K様は小学校時代は伸び伸びと過ごされ、中学校からは通常学級とほぼ同等の授業や試験を受けられています。小学校卒業時は入学時と比較し、IQに20の伸びが認められました。造形リトミックによる絵画も楽しまれ、世界児童画展にて入選・特選を受賞されました。
*写真左:親御様
*写真右:担当講師の山下
教育相談担当の玉野(SEOLEO教育研究担当)によるインタビュー
(玉野)
本日はよろしくお願いいたします。
(親御様)
本日はよろしくお願いいたします。
(玉野)
改めて対談となるとK君の小さい頃のことも思い出されるのですが、ご入会は・・・
(親御様)
小学校1年生の5月くらいですね。
(玉野)
そうでしたね。初めて面談させていただいたときに入学式の様子等伺いました。就学に際しては通常級や情緒級等色々考えられたと思いますが、知的ハンディを持つ児童を対象とする支援学級を選ばれたのはどのような理由からだったのでしょうか?
(親御様)
子供が双子で最初は二人とも普通学級に行かせたかったんですけど、ちょっと多動傾向があって、学校の対応とかもわかりませんでした。なので校長先生と何度もお話をしたんですけど、普通学級では受け入れられないということだったので、情緒学級を目指していたんですけれども、IQが78しかないことが入学直前に判って、情緒学級を落ちてしまった。それで「知的学級に行ってください」ということになったんですよね。すごくショックを受けていたんですけれど、職場の先輩のお子さんがエレファースという塾に通っているというのを教えてもらったのが4月だったんです。それで5月から始めたんです。それまではエレファースって言葉も知りませんでした。それで今村先生(現・エレファース国立北口教室/教室長)に体験授業していただいたところ、本人も嫌じゃなかったし、私も藁をもすがるじゃないけど専門の塾に行きたいなと思っていたところに先輩から教わった。そんなご縁があってエレファースに通わせていただくことになりました。
(玉野)
そういう経緯だったのですね。幼児期に多動傾向があったということで、入学式への参加や学童保育に馴染むのにも、ご苦労があったと伺いましたが。
(親御様)
そうです、学童でもトラブルが。多動傾向だったり、相手の空気が読めないので失礼なことを言ったりとか、お友達の物を壊しちゃったりとか、いじめにあったりとか。3年生の9月まで通っていたんですけれど、本人がつらくなってしまって解消しました。
(玉野)
そうでしたか。でもエレファースでは、比較的早い時期から良い態勢で学習に取り組めていたと担当講師より聞いておりますが。多くの親御様が「絵を描く時間があるなら、一つでも多く平仮名を」と少々焦ってしまわれる傾向がある中、K君のお母様はこちらの『造形リトミック』という基礎教育メソッドをよく理解してくださって、絵を描く時間を大切にすることができました。学習態勢の形成や学習への興味を無理なく育てるという点で、それが大変有効だったと思います。お母様がじっくりと構えられたからこそ、今のK君があるように思います。絵は最初からお好きだったのですか?
(親御様)
実は通園施設に通っていた5歳くらいの頃、絵を描く機会があったのです。心理士の先生に「5歳相応の絵です」と言われたんです。だからすごく上手だったわけでもないし平均的な絵だったんですけど、エレファースで絵画を教わって2回も受賞できたんです。
(玉野)
2回も!?
(親御様)
1回は入選で、2回目は特選で。私は今まで自分の人生の中で一回も入選したことがないんですが(息子は)自分の書いたものが入選して、エレファースで絵が上達して、こういう夢見たって言って状況をイラストで描き始めたりとかするようになって。勉強だけじゃなくて、絵を教えてもらって自分で見たものを絵に描いてみようと思えるくらい絵が好きになった。美術の成績がいいわけじゃないけど、自分が考えたことを字じゃなくて絵にできるっていうのは素晴らしいことじゃないかなって思います。
(玉野)
そうですよね。K君にとって絵が一つの表現手段になりましたね。お子さんにとっては「楽しいから描く」ということでもちろん十分なのですが、『造形リトミック』という教育メソッドの目的は、対象を正確に捉える認知力を育て、対象を表現する描画力(巧緻性)を育てることにあります。さらに講師と1対1で対話しながら制作していきますから、そこには言葉を育む要素もあります。ですから、親御様にそこをご理解頂けることはとても大切です。K君も、その実践が出来たケースだと思います。K君は中学から情緒学級にご在籍ですが、交流はどんな状況でいらしゃいますか?
(親御様)
数学だけ交流していますけれども、担任からは音楽の交流を勧められていています。本人としては、エレファースのおかげもあり小学校1年生の3学期から算数の交流に行っていて、数学が一番得意だと思っているんです。数学はエレファースで山下先生が教えてくれていて、本人も「50点以下は取りたくない」というモチベーションもある。「自分は数学が得意なんだ、得意だから交流に行っているんだ」っていうのがあって、やらされているのではなくて、自分の意志でやっていると思います。
(玉野)
中学では、定期テストがありますけど、それは通常級と同じように行われるわけですね?
(親御様)
そうですね。テストも同じだし、情緒級は授業も通常級と同じ内容。だから情緒級だから不利ってことはない。Kは6年間知的学級で大事に育ててもらったおかげで土台ができて、エレファースで本人のペースに合わせて教育的なこと受けることができた。情緒級に入って今度は逆に学校が大変な分をエレファースで補ってもらっている。小学校の時は学習をけん引してもらったんですけど、中学校は学習をサポートしてくれる。他の塾だと、国語何時間、数学何時間という感じなんですけど、エレファースは本人の要望に対応してくれるところがすごく良いところ。
(玉野)
徹底して1対1の個別体制でサポートをさせていただいていますので、そのご要望に応えられることはこちらとしても大変嬉しく思います。K君、テストの点も素晴らしいですね。成績は一科目を除き全部3ですものね。
(親御様)
英語が苦手で・・・。ただ3学期のテストは点数が倍くらいになりました。焦りがなかったとおっしゃってくれましたけど、実は小学校低学年の時は無くはなくて、でも今は先生にお任せして、結果を受け止めようと思っています。今では宿題を親が手伝うことも無ければ、ワークの提出もちゃんと自分で終わらせています。
(玉野)
中学1年生で、自学自習をする体制までになられたのは素晴らしいですね。お持ちいただきました心理測定記録によりますと、IQも20位上がっていますね。心理士の方からのコメントも見せていただきましたけど、「課題の意図を理解して、それに沿って対応ができるようになった」、それはとても大きなことだと思うんですね。これから社会で生きていく上で。相手の意図に対応できるようになることが一番求められていることですから。そういう意味で素晴らしい成長をされているなって思います。ここまで成長されると、将来どういうふうにしてあげようかっていう夢はおありでしょうか?
(親御様)
私の夫の弟さんがマッサージの仕事をしていて、その「叔父さんの後継ぐ」って言い始めています。どうしてって聞いたら、「だってパパのマッサージ毎日してあげてるもん」って言っているんです。その仕事もうまくいくか心配はあるんですけど、私がレールを敷くのではなくて本人がやりたいって思った仕事があれば応援してあげたい。また日本では9割の人が高校卒業しているので、高卒の資格が取れるんだったら取ったほうがいい。今の状況が保てるちょっと人数が少なくて大事に育ててくれる高校を探しています。ただこの学校に行きなさいって言うんじゃなくて、私がリサーチしてこういうのがあるよって形にしたい。
(玉野)
K君の希望も、またお母様のスタンスも、とても素晴らしいと思います。高校の選択肢の幅は本当に広がってきていますので、また今度教育相談という形で色々お話しさせていただければと思います。本日は大変貴重なお話をどうもありがとうございました。